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ある兄弟Youtuberについての考察1

 この文章はある兄弟動画配信者についてのエッセイになる予定。
 この兄弟は非常に仲が良いことが有名で、本人たちも特に弟は自分から「気持ち悪いほど仲が良い」などと称していたように記憶している。その二人の絆や関係性について、私の心の中に浮かんできたことを適当にまとめて書き残すのがこのエッセイの目的。
 ちなみに根拠や引用に関しては個人的な記憶に頼っており全く確認をしていないので、解釈が間違っているかもしれないが、あくまでも私の中での考察でありご本人様たちとは関係がないのでまあよいことにする。(時間があったら確認しよう…)

兄としての愛

 弟の本来の性格として「チームワークが苦手」であることはよく知られている。兄が以前受けたインタビューの中も「弟は昔は「俺が俺が」と自分中心のタイプだった(が、この仕事によってだいぶ変わってきた)」と語っていたことからもそれは伺える。
 逆に、兄は自分から積極的に集団に入ることはないけれども穏やかで真面目な性格であり、和を乱すタイプではないようだ。
 彼らの母は「やりたいと言うことを駄目といったことはない」と語っていた通り、叱るよりはまず容認する親だったらしい。第一子が穏やかで第二子が主張が強い場合の常として、第二子の言い分が通り兄が我慢する場面が多かったと思われるが、その一方で兄は同じインタビューで「弟を叱ることができるのは自分だけしかいない」と発言していた。
 周囲が主張の強い弟を叱ることのない環境で、兄である自分だけが弟の我の強さ(という弱点)を冷静に把握しており、それを修正する役割を持っていたと認識していたことがわかる。

 兄は多くの動画で弟の言動を全面的に受け入れているように振舞っているが、動画の裏では弟に軌道修正させることがあったのではないかと思われる。マネジャーも「兄といる弟はいかにも弟という感じで、隠し撮りして皆さんに見せたい」と言うコメントを残していたように、動画内で見られる関係性とは違った関係性があるのだろう。
 弟自身「口喧嘩では勝率は3割」「兄に言われたことは結果的には正しいことが多い」「兄と話しているといつも勉強になる」など言っており、兄の意見をよく聞き非常に信頼してきたことが伺える。
 また、兄自身もよく「誰よりも弟を見守ってきた」という表現をしているが、まさに自分が弟を常に見守り励まし間違った方向に行かないように正しく導いてきたという自負があるのだろう。

 兄と弟といっても2年弱というわずかな年齢差である。それにもかかわらず、自己主張の強い弟をなだめ欠点を補正する役割を果たすことは大きな負担でもあり、兄の性格の形成に大きな影響を与えたと思われる。
 兄のこの責任感と役割は同じ親から生まれた子供同士という立場を超えているように思える。もちろん、年の近い兄弟という「近しさ」は保ちつつ母のような受容と父のような導きを兼ね備えた、発達心理学でいうところの「基本的信頼感」を与える存在としてあり続けたことは驚嘆に値する。
 ちなみに、基本的信頼感とは「子供が振り返れば必ずそこにいて、何かあれば癒してくれる人がいると信じられる心」であり、それがあることで子供は未知の世界に勇気をもって進むことができるのである。
 自分の主張を抑え相手の心の動きに合わせて常に安らぎを与える存在でいることは大変難しいことである。実の親でさえ難しいことなのにそれを可能にしているのは兄が本来持っている穏やかさや慎ましさ故だと思われる。
 一方、その慎ましさの結果として、非常に深い愛情を持っているにもかかわらず兄からスキンシップをする場面はほぼない。ごくたまに演出として触れる程度である。
 弟のことを愛をこめて語る場面は非常に多いが、それ以外で兄としての愛の感情の発露の行動として私が記憶しているのは、被っている帽子の上から弟の頭を手の先でそっと叩いた仕草ぐらいである。
 これは、親となった兄が日常的にしている息子への愛情表現を、思わず弟に対しても一瞬だけ解禁したような動きだった。
 その仕草は一瞬で、ほとんどの人が見逃すほどの微かな動きであった。それほど、兄から弟へのアプローチは抑えられている。
 このように、兄の愛とは無私の愛である。相手を大切に守り正しく導き育むもの、相手の幸せを願う心であるように思える。
 そう考えると、ラスベガスに行く弟のために仕事を辞めて一緒に行くと決めたことも、大切な存在を守り育てることを最優先事項とする価値観の表れと思えば非常に納得がいく。

 兄自身は弟をあっさり「友達みたいなもの」と称しており、自分の愛情には無自覚だが、実際には、悲しみも喜びもわがことのように思ってきたことは確かである。そして、いずれ弟本人が他人を愛する幸せを見つけた時には寂しく思うだろうが手放す覚悟はできている…そういった感覚を持っているのではないかと思う次第である。

 まだまだ文章としてはこなれていないが、ひとまず思うことをざっと書いた。後々手直ししていく予定。次のnoteでは弟としての愛について考察していきたい。

 

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