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#4: 今の日本に必要なの、睡眠なのでは?

はじめに

出産まで残りわずか。赤ちゃん用品を買ったり、出産・育児について調べたりと、準備を進めている今日この頃です。

出産を控えてたびたび耳にするのが「赤ちゃん生まれたら本当に寝れないよ」という先輩ママたちからのお言葉。ただでさえ「休みの日」という概念がない政治活動と並行して、寝られない生活が始まる…しかも出産によって体はおそらく大ダメージを負っている…そんなイメージで一時期は不安になりましたが、今は「必死に我が子を育てる世代のために、親も子どもも幸せに生きられる社会を必ず作ろう」という熱意に燃えております!

色々と調べていると、生まれてすぐの数か月間、赤ちゃんは睡眠に必要なホルモンを自分で生成できないことが原因で時間に関係なく起きてしまうようです。
それを聞いて私は思いました。「早くそのホルモンを出させて、生活リズムを整えてしまえば、夜寝てくれる…?そうすれば私も夫も寝られるし、寝不足で苦しい期間が短くて済むのではないか」と。
さらに調べてみると、世の中には赤ちゃんの「ねんトレ(ねんねトレーニング)」なるものの情報があふれていました。そういった情報に触れるにつれ、徐々に「赤ちゃんがしっかり寝ることは、親が休めるということ以外にもメリットがあるのではないか」「赤ちゃんの生活リズムを整えてあげることは、その子の将来のために必要な投資なのでは?」と思うようになりました。

そんな中、こちらの動画を見つけました。
睡眠が子どもの脳に及ぼす影響について勉強しよう~程度の気持ちで観始めたのですが、かなりの衝撃を受けました。少し長いですが、本当におすすめですので、お時間ある方はぜひご覧ください!

https://youtu.be/QTNVwNKl48w?si=IfqZaK1m-3jTOCYk

私がこの動画を通じて感じたのは、「大人も子どももしっかり睡眠がとれる環境作りを国が主導して進めることで、日本における幅広い課題を解決することができるのではないか」ということです。
私はSNSやHPでも記載しているとおり「誰もが自らの幸せを追い求められる社会」を実現したいと思っています。幸福度ランキングの低さや自殺率の高さが毎年のように取り上げられる日本の社会をどう変えていけばいいのか、睡眠という観点から考えてみました。

概要

ご紹介したYouTube動画は1時間ほどあるので、長くて観る時間がないという方のために概要を先にまとめておきます(余談ですが私はせっかちなので、こういった動画を観るときは1.5~2倍速で観ています笑)

睡眠全般について

・「朝型」「夜型」は生まれつき個人差があり、年齢によっても変化する(思春期は夜型に、年を取るにつれて朝型に変化する傾向がある)
・日中は明るく、夜は暗くして過ごすことで体内時計を整えることが大切

日本における睡眠の課題

・日本人の平均睡眠時間は世界的に見て短い(大人も子どもも)
・生活の中で睡眠が後回しにされており、寝不足となる状況を是認してしまっている(お昼に眠くなるのは当たり前じゃない!どれくらい寝るべきかをまず把握し、それを引いた時間内で活動すべき、だそうです)

【子ども】
・睡眠不足の子どもはメンタルヘルスが悪い・問題行動が多い・認知能力が低い。記憶をつかさどる海馬が小さいことも分かっている。睡眠不足は脳のパフォーマンスだけでなく人格にも影響を及ぼす。
・ADHD(気味)の子は睡眠不足になると症状が悪化する。
・日本の子どもは習い事・塾・部活など、世界的に見て忙しすぎる。睡眠には記憶を定着させるという機能があるため、睡眠を削ると学習内容やスポーツ等のスキルが定着せず本末転倒。

【大人】
・本来6時間から8時間が適切な睡眠時間。ショートスリーパー(=睡眠をあまり必要としない人)は割合としてかなり少ないため、多くの人は睡眠負債を抱えた状態で生活している。
・幼少期の寝不足によるダメージは継続すると考えられているため、恒久的なハンデを背負って生活している人もいると考えられる。
・睡眠が不足すると、利他的な行為に関与するとされている脳の部位の活動が下がる

動画の内容をうけて

十分な睡眠を前提とした制度設計を!

日本社会を見ていると、本来あるべき生活リズムからかけ離れていて、もどかしい
動画の中で柳沢先生はこのようにおっしゃっていましたが、私も動画を観て本当にそう思わされました。
今後たとえ有効な教育改革等を行えたとしても、睡眠不足によってその効果が無に帰すならあまりにもったいない話です。誰もがしっかりと睡眠をとって健やかに生きられる環境を前提とした制度設計を行うこと。これこそ国が率先して取り組むべきだと思いました。
具体的な制度を考えるのは柳沢先生もおっしゃるとおりとても難しいことだと思いますが、ざっくりと対象を分け、私なりの考えを書き出してみました。

乳幼児~小学校

・家庭内
日本の子どもは家庭における大人の生活リズムの影響を受けて寝不足に陥ってしまっているということが動画の中で述べられていました。ですので、大人の生活リズムを整えるような環境整備(後述)をしていくことが、結果的に幼少期の子どものためにもなる、ということになります。
・家庭外(学校等)における制度
教育関係者が「十分に睡眠を取ることが子どもの成長に必要不可欠であり、いま睡眠をしっかりとれるかどうかによって恒久的な影響が出る」ということを認識し、子どもの睡眠不足の要因を取り除いてあげることが重要だと思います。関係者がしっかりと子どもの睡眠の状況を把握し、親とも認識を共有したうえで生活改善を行っていく仕組みが必要ではないでしょうか(動画では例として大阪府堺市の「みんいく」が紹介されていました)。この際、例えば睡眠を阻害している要因が虐待であった場合、校外関係機関の専門職のマンパワー不足等、すでに挙がっている課題が足かせとなる可能性があります。改めて教育関係者の役割や権限(どこまで踏み込めるのか)について、現場任せにするのではなく国として整理することも必要だと感じました。

中学校~大学

・部活、課外活動
上記の「家庭外(学校等)における制度」に加え、中学から始まる部活や課外活動についても改善点があるような気がします。学校の働き方改革の一環として進められている部活動改革ですが、最近では学校活動としての部活を今まで通り維持しようとするのではなく、地域(複数の学校・団体)での活動にシフトしていくという大きな流れがあります。この改革を機に、一部の学生・教職員に大きな負担がかかる「朝練」や「長時間の練習」等を見直してもいいのではと個人的に思います。
・授業スケジュール
朝型・夜型それぞれに向けて授業のスケジュールを分けるのは学校側の負担が大きく現実的ではないかもしれませんが、「主要科目(中高)や必須科目(大学)の授業を朝型・夜型ともに負担が少ない時間帯に実施する」等の対応はできるのではないでしょうか(個人的な話ですが、私の大学は多くの必須科目が朝早くに行われていて、大学が遠かったため朝が辛かった記憶が…笑)。現在、授業スケジュールを組むうえで睡眠は考慮されていないと思うので、「学生は基本的に8~10時間の睡眠が必要」「朝型と夜型の生徒がいる」という前提のもとで授業スケジュールを組むよう、国としてガイドライン等を整備するといった対応が必要かもしれないですね。

成人

・柔軟な労働環境の整備と業務の効率化
これからどの業界も人材不足に陥るなかで、魅力的な職場を築くことは企業価値のひとつであり、待遇面・働き方を改善していかない企業は淘汰されていくと思っていますし、あらゆる人材にとって持続的な働き方を実現しようとする企業こそ国が全力で応援していくべきだと私は思っています。コロナを機に導入が進んだフレックスタイム・リモートワークといった働き方改革や、労働時間短縮につながるようなDX化を引き続き政府主導で進めることの重要性を改めて感じました。また従業員個人の健康に対して企業が責任を持ちしっかりと投資する、という姿勢も必要だと思っています(私の前職ではパワーナップが導入されていましたが、睡眠の質を高めるような休憩スペースの整備や、組織全体での理解の醸成など、企業側がかなり積極的に投資しているという印象を受けていました)。「人への投資」はまさに今政府が力を入れている領域であり、こういった取り組みを率先して行っている企業をこれからも政府がきちんと把握し、評価していく必要があります。
・価値観の転換
制度云々の話ではない、抽象的な話になってしまいますが、
動画の中で「日本人は仕事や学習を詰め込み、空いた時間で寝る。睡眠の優先順位が低い。」と柳沢先生がおっしゃっていましたが、私も長く海外で生活してきてこの意見には同感です。加えて、あらゆるサービスに対して質とスピードを求めすぎるのも日本の特徴だと思います。24時間あいているコンビニ、急ぎでなくても指定した日時に荷物が届く物流システムなど…日本の魅力でもある一方で、そういったサービスを当たり前のものとして享受する価値観がなくならない限り、そこに従事する多くの方々の負担が減ることはなく、人材不足を加速させるばかりです。物流の「2024年問題」をはじめ、あらゆる業界において、日本はすでにこれまで通りの体制を維持することが困難なフェーズに入っています。すべての人にとって働きやすい・生きやすい社会の実現のために、各業界・地域・国全体における「これって本当に必要なの?」「どうすれば持続可能な仕組みが作れる?」という議論を私が主導していけるよう、引き続き様々な領域の学びを深め、関係者の皆さまとの対話を続けてまいります。

最後に

「睡眠・生活リズムを軸とした社会制度の設計」が、妊娠を機に私の関心のあるテーマに加わりました。私のホームページにも書いていますが、すべての世代が心身ともに健康に生きられる社会は、私が目指す「強くて明るい日本」のベースにあると思っています。個人が幸せを感じながら日々生きられることは、これからの日本にとって何よりも大切であるはずです。

まずは皆さまも、ご自身のリズムを把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。
動画でも紹介されていた「朝型夜型質問票」を早速やってみたところ、私は中間型寄りの朝型だそうです!
朝型夜型質問紙 (sleepmed.jp)
柳沢先生が監修されているポケモンスリープも気になります…

私は予想どおり朝型でした!

最後までお読みいただきありがとうございました!
今日はゆっくり寝ましょう!

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