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小麦粉はどうやってできる?

◇小麦の製粉とは?

小麦粉は、小麦の粒の中心にある「胚乳」という白い箇所から出来ています

この部分を取り出していく工程が製粉です。

小麦は、「胚乳」の部分がやわらかく、「粒溝」と呼ばれる溝があるので、
お米の精米のように粒状のまま外皮を削ることが出来ません。

小麦の場合、

小麦を粗砕きする。

ふるいにかけて「胚乳」と外皮を分ける。

さらに残った不純物を風で飛ばし除去。

といった作業を何度も繰り返しながら、
中の「純粋な胚乳」を取り出していきます。


◇小麦粉の製造工程

それでは小麦粉が作られるまでの過程を順を追って説明していきます。


⚫︎1.原料調達

原料の小麦は製粉工場に到着後、
サイロと呼ばれる大きな貯蔵庫にいったん貯められます。

運ばれた小麦は、機械を通して吸い上げられていきます。


⚫︎2.原料精選

サイロに保管してあった小麦を精選機に通し、
健全でない小麦や夾雑物、草類などの異物を取り除きます。


⚫︎3.調質

調質タンクに貯まった小麦に少量の水を加え、20〜40時間タンクの中で寝かせます。

外皮は水を吸うと強靭になりますが、逆に胚乳は水で柔らかくなり、後の工程で砕けやすくなるのです。


⚫︎4.挽砕「ブレーキロール」

調質で水を吸った小麦をロール機にかけます。


表面に細かい溝がある2本のロールが回っていて、その間を通すことで小麦が粗く砕かれます。


この時、

「外皮の付いた大きめの胚乳」

「セモリナ(粗砕きの胚乳)」

の2つが混じり合った状態となります。


⚫︎5.ふるい分け

シフター(ふるい機)の中には、
20〜30段のふるいが縦に重ねて設置され、
激しく振動しています。

このふるいの網目は上の段は粗め。
下の方は細かめになってます。

粗砕きした小麦を入れると、大きな「外皮の断片」は網の上にのこり、セモリナは粒子の細かさによって下の段への振り分けられていきます。

外皮の内側はまだ胚乳が残っているので、
再度④の挽砕に戻されます。


⚫︎6.純化(ピュリファイヤー)

最初の時点では、セモリナには「ふすま(小さな外皮の断片)」が混じっていますが、

ふるいの上で振動させながら下から風を当てることで、軽い外皮だけが浮き上がり、吸引、除去されます。

さらに④〜⑥の工程を繰り返すことで、まだ外皮に残っている胚乳を少しづつはがしていき、純粋なセモリナが取り出されていきます。

ここの時点で分けられた「ふすま」も食料製品として扱われ、包装されます


⚫︎7.粉砕「スムールロール」

④〜⑥の工程を繰り返した後に取り出した純粋なセモリナの粒を、次は表面が滑らかなロールで粉砕します。

ここでようやく我々が目にする粉末状の状態になっていきます。

この時、一度で完全に粉にはせず、粉状になった胚乳と胚乳のかけらの両方が混在する程度に、段階を経て粉砕を繰り返していきます


⚫︎8.ふるい分け

仕組みとしては⑤のふるいと同じです。
ここで分けられた未粉砕の胚乳をさらに滑面ロールにて粉砕していきます。


⚫︎9.純化

④、⑤と同様の作業を繰り返して、粒子の大きさによって分別しながら「純化」する作業を繰り返します。

このようにして得た粉は「上り粉」と呼ばれます。


⚫︎10.仕上げ

⑨の「上り粉」は、
品質に影響する灰分などの量を基準にして、


「特等粉」「一等粉」「二等粉」「三等粉」「末粉」の5段階の「等級」に分類されます。

⚫︎11.包装・検査・出荷

製造した小麦粉は計量、包装され金属検査や重量チェックが行われた後に出荷されていきます。


ここまでの工程を経て、普段私たちが使用する小麦粉はようやくご家庭に届けられるのです。



※bitesjapansquadの投稿:Ironman_fe

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