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【大月書店通信】第155号(2021/12/28)

今年、大月書店はジェンダー、多様性をテーマとする書籍を刊行してきました。

社会制度や慣習にとどまらず、私たちの意識に無自覚に染みついている”当た
り前”を問い直すのは容易いことではありません。『ケア宣言』『差別はたい
てい悪意のない人がする
』『#MeTooの政治学』『不平等の進化的起源』といった書籍が、より良い社会に向けて、私たちの知見を広げることに役立てればと願っています。

12月新刊『トランス男性による トランスジェンダー男性学』もそうした一冊
です。

トランス男性(FtM)は、良くも悪くもトランス女性(MtF)ほど注目されず、また、トランスジェンダーがフェミニズムで語られることはあっても、男性学で議論されるのは稀です。本書は、トランス男性である著者が、男性に移行し男性として生活することで経験する複雑な状況を分析的に記すとともに、マジョリティ男性とは異なる視点から「覇権的男性性」「弱者男性」等の男性学の課題にもアプローチするものです。

トランス男性固有の男性性が、男性の生きにくさを解きほぐす手がかりになるかもしれません。

☆小社は12月29日(水)から1月4日(火)まで休業いたします。新年もどうぞよろしくお願いいたします。

【新刊案内】『トランス男性による トランスジェンダー男性学』ほか

12月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●トランス男性から「男性学」への問題提起
トランス男性による トランスジェンダー男性学
周司あきら[著] 2,000円(税別)

トランス男性はどこにいるのか。移行後の実生活に根差して「男性」の範疇でトランス男性をとらえ直すとともに、これまでその存在がまったく想定されていない「男性学」に対して、当事者の視点から新たな見方を提起する意欲作。

☆推薦☆ 田中俊之さん(男性学)

試し読みできます

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●広く深い“沼”の楽しみ方を徹底ガイド
大人もハマる!韓国ドラマ 推しの50本
渥美志保[著] 1,600円(税別)

ハマる人続出!社会派サスペンス、壮大な歴史スペクタクル、SFにアクション、スリラー…近年、質量ともに世界を席巻している韓国ドラマ。恋愛やイケメンだけではない、大人が見る価値のある厳選50作をドラマ通が熱く紹介。

試し読みできます

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●思春期とうまくつきあうために知っておこう
人間と性の絵本3 思春期ってどんなとき?
水野哲夫[文] 柿崎えま[絵] 2,500円(税別)

思春期は、おとなに頼る存在から責任あるおとなへと大きく変わる時期。その変化に驚いたり悩んだりするけど、正確な情報を知ることで不安を減らせます。月経や射精、体毛や体臭、性的いじめなど、よくある疑問・質問に答えます。

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●特集=総選挙とメディア
放送レポート1月号 no. 294 500円(税別)

●テレビは開票番組より投票率アップをめざせ●「移行期」に入った政治と選挙情勢調査●「野党共闘」伝えきれなかった新聞~根強い「政策よりも政局」の体質~ ほか

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●特集=ハラスメントのない職員室に
月刊 クレスコ1月号 no.250 500円(税別)

長時間過密労働や、本音を話せない職場環境を背景に、学校職場でもハラスメントが相次いでいる。被害者を一人にせず、職場で協力して問題を解決・予防していくために、実態やとりくみ、必要な対策などを共有する特集。

【イベント】「トランス男性とは何者か――Ft系の葛藤、表象を語る」ほか

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★ トランス男性とは何者か――Ft系の葛藤、表象を語る ★
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12月新刊『トランス男性による トランスジェンダー男性学』(周司あきら著)の刊行記念トークイベントです。

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★ #MeTooが残したフェミニズムの課題を考える ★
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10月に刊行した『#MeTooの政治学――コリア・フェミニズムの最前線』(鄭喜鎭 編著)の著者・訳者・解説者が登壇する国際シンポジウムです。

韓国のドキュメンタリー映画『アフターMeToo』を事前に視聴して、監督のトークも聞けるという内容です。

https://www2.igs.ocha.ac.jp/events/2021/12/20220121/

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★ ケアに満ちた社会を作るには――『ケア宣言』を読む ★
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7月に刊行した『ケア宣言――相互依存の政治へ』(ケア・コレクティヴ著)を題材に、訳者の一人・冨岡薫さんが「ケアの倫理」を解説します。

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★ 占拠と立ち退きをめぐる戦後都市史 ★
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2019年に刊行した『「不法」なる空間にいきる――占拠と立ち退きをめぐる戦後都市史』(本岡拓哉著)の合評会と、著者が登壇する講演会です。

【話題の本】年末年始は巣ごもり韓ドラ『大人もハマる!韓国ドラマ』ほか

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★ 年末年始は巣ごもり韓ドラ『大人もハマる!韓国ドラマ』 ★
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コロナ禍の巣ごもりで韓国ドラマにハマったという方、増えています。

新刊『大人もハマる!韓国ドラマ 推しの50本』の著者、渥美志保さんが年末の「一気見」におすすめの作品をYahooニュース等で紹介しています。

まだ韓ドラを見たことがないという方もこの機会にチャレンジしてみては。どの作品もハズレなし請け合いです!

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★ 故・半藤一利さんの絵本 NHKで紹介予定  ★
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2019年に小社から刊行した、半藤一利さん唯一の絵本『焼けあとのちかい』。NHK番組内で紹介される予定です。

【編集後記】

鳩の声が苦手です。かわいげのないくぐもった声。しかも意外とボリュームがあって耳につく。あろうことか小社の隣のビルにその鳩がいつき、毎日嫌いなクークー声を聞かされています。先月のある日、ピーピーとかわいい声がしきりに聞こえ、のぞいてみると雛が2羽いました。親が戻るとピーピーの大合唱、私たちがのぞくとピタッと沈黙(えらい)。迷惑がっていたことも忘れて、毎日窓を開けて無事を確かめること、数週間。無事に親鳥と同じぐらいに成長しました。が、大きくなったら声が私の嫌いなクークーになっているのです。鳩が声変わりするとは今まで知りませんでした。やっぱり、どこかに行ってほしい。(千)

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