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【大月書店通信】第166号(2022/11/30)

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12月4日から10日は人権週間。世界人権宣言が採択された日(1948年12月10日、第3回国連総会)にちなむそうです。

SDGsを通じて「誰ひとり取り残さない」というフレーズもあちこちで耳にすることが増えました。でも、本当に「誰ひとり」取り残さないと言い切るのは、とても難しいことのように思います。もともとマジョリティである人には、その特権を持たない人に見える世界を想像することからして難しさがあるのですから。

現在刊行中の児童書シリーズ「障害があってもいっしょだよ!」は、自閉
症、ADHD、ダウン症など、様々な障害をもつ子どもが自分の毎日の生活を語る、障害理解の絵本です。日常の中にどんな問題や困りごとがあるかと同時に、それを解決するための工夫や周囲の手助けも描かれます。そして、障害という点ではちがいがあっても、遊びや勉強が好きなこと、将来の夢や家族との楽しみなど、他の子と「いっしょ」の部分もたくさんあることを伝えてくれます。

私たちの想像力には限界があるからこそ、誰かの語りに耳を傾けて、いま見えていないものを見ようとする努力を重ねる。そのためにも本は役立つものだと思います。もちろん、大人にとっても。

【新刊案内】

11月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●ダウン症の子を主人公にした障害理解の絵本
障害があってもいっしょだよ! 3 ダウン症のあるぼくの毎日
マリ・シュー[文] イザベル・ムニョス[絵]
上田勢子[訳] 奥住秀之[日本語版監修] 2,200円(税込)

主人公のピーターはダウン症のある男の子。なぜダウン症になるのか、どんな病気になりやすいかなどの知識とともに、本人が好きなことや興味をいかした家や学校での生活の工夫も描く。当事者の取材に基づく障害理解の絵本。

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●読み書き障害=ディスレクシアのある子の日常
障害があってもいっしょだよ! 4 読み書き障害のあるぼくの毎日
マリ・シュー[文] イザベル・ムニョス[絵]
上田勢子[訳] 高橋登[日本語版監修] 2,200円(税込)

文字を読んだり書いたりすることに困難があると、学習や生活の上でどんな問題が起こるのか。それを乗り切るための工夫は?読み書き障害(ディスレクシア)の当事者への取材にもとづいて描かれた障害理解の絵本。

☆既刊・続刊☆
1 自閉症のあるぼくの毎日
2 ADHDのあるわたしの毎日
5 聴覚障害のあるぼくの毎日
6 視覚障害のあるわたしの毎日

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●甲状腺専門病院、神戸・隈病院の90年史
甲状腺専門病院の90年――神戸から世界へ最高の医療を求めて
友野伸一郎[著] 1,760円(税込)

甲状腺専門病院として90年の歴史を刻み、世界でも最先端の医療を研究し提供する病院が神戸にある。患者の不安に寄り添うために精神科を設け、カウンセラーも常駐する病院が、どのようにして生まれ成長してきたのであろうか。

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●四国・九州地方にはどんな郷土玩具がある?
47都道府県の郷土玩具 4 四国地方・九州地方
日本玩具博物館、井上重義[監修] 斉藤道子、砂野加代子[編・文]
3,300円(税込)

周囲を海に囲まれた四国。漁業がさかんな地域には船の玩具があり、各地の個性的なたこも特長です。九州は中国などアジアの国々に近いため、外国との交流が感じられる玩具が多く見られ、様々な素材の郷土玩具が作られています。

☆既刊☆
1 北海道地方・東北地方
2 関東地方・中部地方
3 中国地方・近畿地方

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●特集=豊かさを育む学校図書館を
月刊 クレスコ12月号 no.261 550円(税込)

子どもたちの学びと成長にとって欠かせない学校図書館。教育ICT化のもと、その積極的な利活用が求められているものの、乏しい予算と人員により、学校図書館は厳しい状況に置かれている。よりよい学校図書館づくりを考える特集。

【話題の本】

★ 『これからの男の子たちへ』が台湾の選書アワードを受賞!

刊行以降、国内外で大きな反響を呼んだ『これからの男の子たちへ――「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(太田啓子 著)が、台湾の有名書評サイトOpenbookの選ぶ「2022 Openbook好書獎」にて「年度生活書」を受賞しました!

選者の講評と太田啓子さんのコメント動画が以下で見られます。

『これからの男の子たちへ』は現在、韓国と台湾(繁体字)で翻訳版が刊行。中国(簡体字)およびタイでの翻訳も予定されています。

11月17日放送のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の中でも、宇内梨沙アナのおすすめとして紹介されました。以下でPodcastが聴けます。

★ 『ヨノナカを変える5つのステップ』アルテイシアさんが激推し! 

作家のアルテイシアさんが、9月新刊『ヨノナカを変える5つのステップ――マンガでわかるコミュニティ・オーガナイジング』(鎌田華乃子 著、沢音千尋漫画)について、ネットラジオで熱く語ってくださいました。

★ 『核兵器をなくすと世界が決めた日』著者を中高生記者が取材

7月に刊行した『核兵器をなくすと世界が決めた日』。著者の高橋真樹さんと岩﨑由美子さんへのインタビュー記事が、11月15日付『中国新聞』に掲載されました。

取材してくれたのは、同社が地元の中高生から募ったジュニアライターのみなさん。若い世代の反応に、著者のお二人も大きな励みをもらったようです。

【お知らせ】

★ 社員募集(編集)のお知らせ

このたび正社員を募集いたします。以下の募集要項をご参照ください。

★ 『クレスコ』2022年12月号 印刷ミスのお詫び

クレスコ2022年12月号(11月22日発行)に、以下の誤りがございました。

背表紙の特集名
 高校の学びはどこに向かうのか
 豊かさを育む学校図書館を

以下のとおり、交換などの対応をいたします。

編集上の不注意につきまして、お詫び申し上げます。
何卒ご海容のほど、よろしくお願い申し上げます。

【編集後記】

会社の裏にハトの卵を発見したのが、ちょうど1年前。もはや何代目かわからない雛がピーピー鳴いています。ご関心ある方は観察にお越しください。(Q)


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