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デザイナー読書メモvol.13 教養としてのお金とアート

アートに関してもっと知りたいと思いこの本を手にとってみました!


この本の概要をまとめると?

会計士の田中靖浩さんと画商の山本豊津さんの対談を通して、会計とアートの共通点や歴史を学べる本です。


この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?

会話の中のトリビア的な教養になりそうな話がとても面白くて思わずへ〜となることが多かったです。

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日本では美術品を自分たちの税金で購入されているにも関わらず、
自分たちの物とは思わず「国や県のもの」と思っている。

アメリカでは自分たちのものと感じているの?と驚きました。羨ましい。そう思うと所蔵品って誰がどうやって購入を決めているんだろう?と知りたくなりますね。

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懐かしさと珍しさが「美しい」を作る

日本人が印象派の絵画が好きな理由の一つに、浮世絵の影響を受けているから=無意識のうちに懐かしさを感じているということが挙げられます。
あと面白いと思ったのは、懐かしさを作るには一度捨てられなければいけないということ。美しさは見た目だけの話ではなく、時代や歴史などの時間軸が関係あるのかーと思いました。

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文字を持ってない民族は征服される。
植民地経験がないとコミュニケーション下手になる。

日本も日本語をこしらえたことによって征服されずに今日に行ったとか。植民地になった国は他国語を強制されることもあり言語技術がある。
日本の高年齢男性は特に、儒教の影響で年長者がえらいという空気があり、忖度がまかり通るため「必要なことを具体的に言葉にして伝える」能力が低いらしい。

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美術館の真っ白い空間=ホワイトキューブはMoMAが始めた

真っ白い空間という世界共通のインフラが整ったことで、額縁が絵画から外れたと言ってもいいそうです。そこからインスタレーションやメディアアートが生まれたそう。

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浮世絵は実用品だったけど長い年月を経てアートに

古いものにスポットライトが当たることで新たな価値を生むこともあるということ。こう思うと前回読んだ、「13歳からのアート思考」の中で出てきた日清のカップラーメンがアートにもなりうる!と思いました。

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アートフェア出現以前は美術品の情報開示が公になっていなかった。
そしてその情報開示の起源は織田信長の楽市楽座にある。

以前はお金があったらアートが買えるわけではなかったのが驚きでした。楽市楽座で物の売買がパブリックになって良かった…!それがさらに百貨店になっていったというのも面白いです。

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ポップアートは価格から価値を逆算して考える
マーケティング手法をアートに取り入れた

村上隆さんの作品はマーケットを意識し、大衆が知ってる素材を自分の作品のコンテクストに引用することで価値が生まれ価格が上がったそうです。


何に1番驚いたか?

驚くというか一番心に残ったことは、美意識とは最終的に絵の価値がわかるとか知識があるということではなく、「自分の人生を、生きているうちに作品化しようとする志」という言葉。
私は芸術家ではないですが、自分の美意識を持って判断したり行動したりすることがなんだか少ないように感じました。それが少し寂しくなったので、ちょっとわがままでも面倒くさくてもいいから、自分なりに美しく生きたいものだと感じました。

この本から得た深めるべき問いはなにか?

今回は美術と会計だったのですが、会計の前に普通に美術のことをもっと知りたいと思いました。歴史と美術の繋がりとか面白そう。
あとは利久についてももっと知りたい。デザイン&アートの話にすごくよく出てくる人物…


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