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黒影紳士season6-X 連鎖「黒影紳士season6-X連鎖『黒影紳士season1 短編集複製コピー版』」〜通称6-XX〜🎩第十三章 夢静か

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 静かな…夜で御座います。
 美しい…夜が広がっているのです。
 上を観て下さい。
 孤独を忘れてしまう様な夜で御座います。

 ーーーー
 ねぇ……君。覚えていませんか?
 僕は我儘で横柄だけれど、本当は凄く泣き虫なんだ。
 嬉しいと直ぐに号泣する。
 なのに……辛い時は、涙を呑み込んでしまうのです。
 強くしてくれたのは、何時も君であった。
 そんな僕を心配して、僕の代わりに悲しんだのは……君でした。

 水面揺蕩う月の風……
 一つ、涙を飲み干せば
 二つ、心は溢れんばかりと
 三つ、飛んで逃げた宵の蝶……

 これから僕はそんな君の悲しみを……涙を拭いに走ります。
 大事なものだと分かっているのに、大事に出来なかった罪を背負って。
 怖くないなんて、言えません。
 とても怖くて震えています。
 こんな震える手に何が出来るかと、考えています。
 色々考えるのは辞めました。
 だって君は……何時だって素直な僕が好きだった。
 泣き笑う僕に安堵してくれた。
 そんな人を……誰が大事に思わずにいられますか?
 優しく……包んでくれたあの微笑みを、誰が忘れよう事が出来るでしょうか。
 緊張しています。
 弱虫は未だ緊張しています。
 けれど、明日がくれば漆黒のロングコートを羽織るでしょう。

 静かな夜に……舞い降り様に祈っています。
 明日僕は……強くなれる様に。
 泣きたくない。
 喜び以外の涙など。
 そう……おもいませんか?
 悲しみの連鎖……断ち切ります。
 心を込めて断ち切ります。
 難しいと考えるのは止めました。
 ただ、涙の晴れた美しい笑顔に会いたいと。
 そう想う事に致します。

 数えうた……歌いましょう。
 一つ、儚い夢でした
 二つ、君と見た夢は
 三つ、だから書いて残します

 嗚呼……届けばと。届けばと。

 ……「鳳……未だ飛べるかい?」
 黒影は鳳凰の鳳に聞くと、七色の鳴き声で鳴く鳳を夜空に放つ。
 其れを追う様に地を蹴り上げ、真っ赤に燃え盛る血潮の様な翼を広げた。
 ずーっと迷い飛ぶ孤独を抱いて。
 己にこう囁いたのだ。
「……大丈夫……大丈夫になるんだ。」

 然し乍ら黒影は待っている。
 本当は待っていた。
「大丈夫になる」
 そう言ってくれる誰かを探して。
 自分で言い聞かせててもと……想うからだ。
 そして……夜空を見上げたのだ。
 広げた両腕に流れ去る星々に身を任せ。
 それだけで……少しだけ癒え行く気がするではないか。
 ……何だ、これきしの事かと、苦笑う。
 思い方とは角度の違い。
 ほんの少しの擦り傷……そう思えたのは、独りにしない君の星々と、夢であった。

 ……次は……何をする?
 夜明けがゆっくりと舞い降り……その影の姿を輪郭……全体へと映し出した。
「ねぇ、君。君は未確認飛行物体を信じるかね?」
 なんて、突拍子も無い事を言うのである。
 君は……如何します?
 そうだねぇ……此処は一先ず謎めいて、「信じない」と、言った事にしちゃいましょうか。
「信じない?……では僕は何ですか?」
 って、黒影は聞くんだ。
 如何?……彼は、確かに未確認飛行物体と言えませんか?
 然し知っているのだからと君は言います。
「それは未確認飛行物体かも知れないが、其れ以前に黒影でもあり鳳凰だと知っている。」
 とね。黒影は君に微笑み言ったんだ。
「では、その未確認飛行物体を探しにいかないか。」
 と、子供の様に無邪気にくるくると君の周りを旋回すると、スーッと何よりも自由で幸せそうに先行くのだ。
 黒影は如何やら……君に未確認飛行物体の真実を一つ、お土産に探しに行った様だ。
 黒影はそんな小さな悪戯心が好きなんだ。

 ある方が、実は震えている僕に一言言ったのです。
「……お待ちしております。」
 何て奥ゆかしく、美しい言葉でしょうか。
 ……聞きたくなって、言えませんでしたが、もし失敗しても成功しても……待っていて下さいますか?
 と、聞きたくなったのです。
 何故其れを言わなかったのか……。
 きっと……全ては始まるまでが不安になり易く、勢い余って飛び込んでみれば楽しめると、知っていたからです。

 夢を見ています。

 叶わなかった多くの事を、想い飛んで行く。
 限られた人生の時間の中、思い馳せて……。

 ……綺麗な……綺麗な……空ですねぇ。

 夜の孤独は影と共にあり。
 朝の輝かしい太陽は影を鮮明に映しだす。
 夕の赤は…………
 それはseason7でお話し致しましょう。

 大事な追伸 一つあり。
 恐らく初代紳士生存。
 確率……何とも50%。
 こう思いませんか?
 紳士たるもの……キザにプレゼントを置いて去る。
 ……僕の大好物……。
 そう……謎……だよ。
 解けない謎程、楽しいものはありませんからね。
 何時も日常は案外直ぐ近くにあるものかも知れません。
 疑問詞が取れない時……。
 悩むのでは無く、楽しむのです。
 ……謎を迎えて、空想の推理で遊び、確率を絞る。
 それが何とも、空振りでも正解でも、その経過が存分に楽しませてくれるでしょう。

 ……推理はまるで……夢を見る空想のやうである。

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(お急ぎ引っ越しの為、校正後日ゆっくりにつき、⚠️誤字脱字オンパレード注意報発令中ですが、この著者読み返さないで筆走らす癖が御座います。気の所為だと思って、面白い間違いなら笑って過ぎて下さい。皆んなそうします。そう言う微笑ましさで出来ている物語で御座います^ ^)

お賽銭箱と言う名の実は骸骨の手が出てくるびっくり箱。 著者の執筆の酒代か当てになる。若しくは珈琲代。 なんてなぁ〜要らないよ。大事なお金なんだ。自分の為に投資しなね。 今を良くする為、未来を良くする為に…てな。 如何してもなら、薔薇買って写メって皆で癒されるかな。