技術書典5に初サークル参加した私がハマった4つのポイント

10月8日(月祝)に池袋サンシャインで開催された技術書典5、盛況のうちに終わりましたね。スタッフの皆様には感謝しかありません。他のサークル参加の方もおつかれさまでした。そしてもちろん、一般参加で買っていただいた方にはあふれる愛を(笑)

私は今回、本を出す側のサークルとしての参加は初めてでした。そのあたりの経緯は前の記事に書いてありますので。よろしければご参照ください。

同人誌を作ること、さらにはフリマのように自分の商品を販売・接客することも人生初体験だったわけですが、それはまあ見事にいろいろハマりました。こうして無事頒布を終え、身内に負傷者も出ず、さらにはまがりなりにも利益まで出てしまったことが奇跡のようです。

そんな私がハマったポイントを、今後初めてサークル参加される方々に向けてログを残しておきたいと思います。あまりにマヌケなので参考にならない、ということがあるかもしれませんがご容赦ください。

ハマりポイントその1: 「本当の」締め切りの確認

皆さんは夏休みの宿題は早めに終わらせるほうでしたか? もしそうならそれは素晴らしいことです。かくいう私は最後の1週間になってようやくとりかかるタイプでした。それで終わればいいのですが、2学期初日ではなく休み明けの初めての各教科の授業に合わせてギリギリまで作業し、数学の問題集などはそれでも間に合わないので、1〜2問とばして回答してました。

今回も私は執筆を始めたのが9月16日(日)の「技術書典5 もくもく執筆レビュー会 ~進捗はそこにあるか~」でしたので、印刷会社のデッドライン10月2日まで残り16日という状況でした。それまで何をしていたかというと、Amazon プライム・ビデオで「ドクターX ~外科医・大門未知子~」のシーズン1〜3を一気見してました。

特にそこまで見たいドラマだったわけではないのですが、試験前になると部屋を片付けたくなったり、片付けかけた漫画を1巻から通して読みたくなったりするじゃないですか。そう、アレです。「取りかららなきゃな―」と思いつつ、また1話また1話とズルズル見てしまいました。

そしてサークル参加者たちのミートアップという外圧要因を得て、ようやく重い腰を上げて執筆作業を始めたのですが、ブログ記事とかではなく本の執筆自体が初めてでしたので、その大変さにすぐ顔が青ざめました。それでも中盤は筆がノッてきて、なんとかデッドラインの10月2日までに原稿を間に合わせ、『技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ』を参考にしながら(そもそもこの本がないと、まちがいなく落としてました。親方さんありがとうありがとう)、PDFファイルを入稿しようと印刷会社「日光企画」さんのサイトを訪れました。そこで見たものはこれ。

「10/1(月)」のところをよく見てください。「スタンダードフルカラーセット(表紙)」とありますね。そう、本当の締め切りは10月2日ではなく、10月1日だったのです! マジか!

表紙がなく本文だけで頒布するわけにはいきません。10分ほどパニックに陥ってましたが、気を静めて他の方法を探しました。そして見つけたのが「ねこのしっぽ」さんのこれ。

なんと締め切りが10月3日! あと1日もあるなんてすごい!
しかしよく見ると、ページ数が「20P 〜 100P(表紙込み)」という制限があります。その時点で、筆がノッた私が書いたページ数は186ページ。これでは無理だ。どうすればいい、考えろ考えろ。

結果、上下巻の2冊に分けることにしました。取り急ぎ内容を分割して表紙も別々に作り、その日の正午までにはいちおう、ファイルのアップロードが完了したのでした……。弊サークルの頒布本が上下2巻に分かれていたのには、こんな深い理由があったのです。

こんなことにならないため、「本当の締め切り」は早めに確認しておきましょう。

ハマりポイントその2: 印刷物はネットとは別物

私は以前、求人サービスの立ち上げプロダクトマネージャーとして自ら求人記事を500件以上書いた経験があったので、文章を書いてネットで公開すること自体はそれなりにできるというちょっとした自負はありました。しかしネットでの記事公開と印刷して本にするのとでは、似て非なるもの。

そんな私が作って自慢げにあげた表紙が上のツイートです。わかる方にはわかりますよね。左綴じだと表表紙が右に、裏表紙が左にくるはずなのに逆なんです。

色指定をRGBじゃなくCMYKにする程度のことは知っていたのですが、やはり実際にやってみるとわからないことがたくさんでてきます。ねこのしっぽの担当者さんにはその他にもいろいろ丁寧に電話とメールでご指摘いただき、修正するまで待ってくださったのには本当にありがたかったとしか言いようがありません。

ハマりポイントその3: ファイル形式

ダウンロードカードやポスターは、納期の早いビジネス用途の印刷会社に別で発注しました。しかしそこに大きな壁が存在しました。AdobeWindows という壁です。

どの会社を見ても、ファイルの作り方については Adobe の Illustrator か Photoshop、それがない人はこのフリーソフト(Windows用)を使ってねみたいなことが書かれています。デザイナーでもない私が、月2,000〜3,000円以上もする Adobe のサブスクリプションプランに契約できるはずもありません。そしてウチには PC が4台ありますが、全て Mac です。

使えるのは3,000円の半額セールのときに買っていた Affinity Designer と GIMP だけです。GIMP も CMYK の読み書きに対応していなかったので今回、定価6,000円の Affinity Photo を買いました。

しかしそれでも吐き出したファイルは先方のお気に召さず、コールセンターに電話するも「Adobe 製品を使ってページ記載の手順通りに出力してください」の一点張り。それができないから電話してるのに。アップしたファイルへの返答は最大24時間のラグがあるので、もう1回リジェクトされたらジ・エンドです。ダウンロードカードの頒布が絶望的です。

それでもコールセンターのお姉さんに技術用語をまくしたてて食い下がっていると、それなりに詳しそうな担当者に代わってもらうことができ、双方いろいろ話し合っていたら「EPS形式」のファイルならたぶん確度が高いだろうという結論に達しました。その場で .eps ファイルにエクスポートして確認してもらったら、ようやく OK が出ました。あぶなかった。

ハマりポイントその4: ダウンロードファイルの管理

ダウンロードカードに記載する QR コードが指し示すファイルの管理ですが、過去の出展者さんたちのお話では性善説にのっとって Google Drive や Dropbox などで一律公開にしているとのこと。私も Dropbox を使って公開することにしました。

しかしやってみてわかったのですが、いったん公開したファイルに割り振られた URL は変更できません。そしてファイルを削除してしまうと、その URL は永久に無効になります。まちがって消してしまおうものなら、ダウンロードカードの QR コードで落とせなくなり、そうなると詐欺で訴えられてもしかたありません。

最初、スマホアプリから操作していたら管理権限なのでまちがって消してしまったりしてそれに気づきました。それからは細心の注意を払い、ぜったいに消さないように扱いました。

そしてダウンロードカードのファイル入稿が終わった翌日、あることに気づきました。頒布本は『りあクト! TypeScript で始めるつらくない React 開発』というふざけたタイトルなのですが、非公式の英名は単純に「React Beginner's Book」としていました。ファイル名の取り扱いで全角文字を使うのはトラブルのもとなので、ダウンロードファイル名も「ReactBegnnersBook.pdf」としていました。長いですね。

……気がつきましたか? そう「Beg」と「nner」のあいだに「i」がありません。恥ずかしいタイポです。ダウンロードカードのファイル入稿はすでに終わっており、修正も効きません。というわけで、ダウンロードカードを買っていただいた方が QR コードを読み取って落としてきたファイル名は「ReactBegnnersBook.pdf」のままという事態が永遠続くことになったのでした。「ベグナー」ってなんだ、「ベグナー」って。

最後に

そんな感じにいろいろハマったわけですが、当日は無事頒布でき、上下巻あわせて600部近くを売り上げることができました。重ねて言いますが奇跡です。

しかし発注数を初出典のくせに強気に設定していたため、それぞれ100部強ずつくらい売れ残ってしまいました。そういえばこれもハマりポイントですね。サークルの被チェック数が340だったのに対し、購入いただけた方の人数がだいたい300足らずということで、前回までの「被チェック数の倍はイケる!」というセオリーが私の場合は当てはまりませんでした。

考えられる要因としては、

・会場変更で参加サークルの数が一気に増えたため、チェックしたのに回りきれない人がけっこういた
・「う09」という出入口から最も遠く人通りの少ない一角だったために、皆たどり着くまでに疲れた、寂れてる場所に行く気がしなかった

とかでしょうか。他のサークル参加者の方々の状況もどうだったか知りたいところです。

なお売れ残った紙の上・下巻とダウンロード版は BOOTH にて取り扱っていますので、よろしければチェックしてください。読者の方々からはこんな感想をいただいています。

書店に並んでる React 本よりぜんぜん実践的で、かつわかりやすいです。Rails エンジニアにコードを書きながら React を教えてる設定の対話体で書く、という着想が素晴らしい。すごく具体的でポイントを絞った解説に仕上がってます。まさに力作。
ベテランと若手の対話方式で進んでいき、使うバージョンとかもちゃんと書いてて React 初心者だけど超分かりやすい!
対話型の文章が読みやすくていい。私も関数型言語は書いたことがあり、登場人物の秋谷香苗と同じように Rails は使ったことあるけれど、React は全然さわったことがないという状況だったので、すばらしい入門になってます!


いろいろありましたが、それでも非常に楽しい経験でした。次回またサークル参加するかは未定ですが、それでも余裕があればやりたいです。

これを読んで、これからサークル参加される方が私と同じ鉄を踏まないことを願っています。いや踏まないか。

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大岡由佳

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