01_孤独の話

「潮風はグレープフルーツみたいに」

サンタモニカの日が沈む時間に、桟橋を歩く。

カモメの鳴き声と人々のざわめきが、他人ごとのように世界に満ちていて、
私は動かなくなった空気みたいに、透明のままでいる。

私の周りは、孤独が真綿のように上も下も埋め尽くしていて、
半径1メートルの世界には生きるものは一つもない。

海の裾に届く夕日はますます赤く、
私の顔を観覧車と同じだけ明るく差す。

そうして色がつけられた孤独は、
昨日に戻りたいみたいな顔でうつむいた。

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