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【朗報】ネットで共感力落ちない。むしろ向上する。

ハイライト
・共感力は、ネットで落ちるどころか向上する
・ネットを使うと対面コミュニケーションの時間が向上する
・オンラインで共感を伝える為には5倍のコメントが必要

だれかの気持ちを汲み取って、寄り添うことのできる能力。
それが共感力です。

・会話の中で共通点を見つけて
30秒でだれでも仲良くなっちゃう

・気持ちを察して、話をしなくても
どんな気持ちかわかっちゃう

・相手の気持ちと自分の気持ちが違うことを
ちゃんとわかってくれる

人間には数えきれないほどの感情があります。
それを細かく理解し、汲み取ってくれる。
そんな共感力の高い人は、だれからも好かれています。

友人関係だけでなく、恋愛など人付き合い全般に役立ち、
仕事でも有利に働くことが証明されています。

近頃はTwitterをはじめとするSNSや、新型コロナウイルスの影響によって、インターネットを介したコミュニケーションは爆発的に増えています。

しかし、身振り手振りを使えないインターネットでは、冷たいコミュニケーションに思われがちです。特にこどもの成長には悪影響とされています。要するに「ネットばっかやってると根暗になる。共感能力も育つわけがないからSNSなんか禁止」という理屈です。

その方針は間違っているかもしれません。

なんとネットを介したコミュニケーションは、
「共感能力を高める」効果すらあるかもしれないのです。

今回は、インターネットと共感力の不思議な関係について
掘り下げていきます。

FacebookとTwitter利用者、500人共感力テスト💑

世界のFacebook利用者は24億人、Twitterは3億人。これらは世界最大のSNSであり、数えきれないほどの研究成果が出ています。

「503人の若者のSNS使用率と
共感能力の関係を調べてみた」

まずはオランダで2017年に行われた研究からご紹介します。

SNSにハマっているヒトは共感能力がないと思われがちですよね。
なんだか根暗でコミュニケーションが得意じゃない感じがします。
しかし、この研究では全く逆の効果が確認されました。

なんと、FacebookとTwitterを利用しているヒトほど
「共感能力が高くなる」傾向
が示されたのです。

共感能力には、相手の気持ちを理解する「認知的共感」
相手の気持ちを思いやる「感情的共感」の2つがあります。

研究チームの測定によると、Facebook/Twitterを使用している人は、「認知的共感」と「感情的共感」の両方が優位に高いことが証明されています。

したがって、SNSをやっているヒトに共感力がないという話はまったくのウソなんです。意外だと思いませんか??

言われてみれば、Twitterって感情のたまり場みたいな側面がありますよね。ちょっと面と向かっては言えないことを書き留めることができる。そこに共感していいねやリツイートをしていく。

SNSは、感情の増幅装置のよう。
感情に触れる回数の多い人は、
共感能力が高まります。

ただし、研究の中ではFacebook/Twitterをやっている人ほど、自己肯定感が低い傾向にあるので注意が必要です。すべてが数値化されるSNSではいいね、リツイート、スキ。すべてが比較されます。自分よりカワイイ、カッコイイ、頭のいい人が無限にいます。だって相手は何億人もいるのだから当然。

自信を失っていく人も多いというワケ。
ほどほどにね!

■リアル空間とSNS空間の共感力の違い🌐

いやー、でも共感力が高いのってネットだけでしょ?
絶対リアルなんか興味ないから共感能力低いでしょ。

と思ったのですが...
SNSで共感力の高い人は、リアルでも共感能力が高いようです。

2015年にカリフォルニア州立大学で行われた研究によると、SNS空間での共感力が高い人は、リアルでも共感能力が高いことが示されています。

ネットと現実の性格を完全に分離できる人なんてそんなにいるワケありません。共感能力が高い人はネットだろうがリアルだろうが高くて当然です。

現実空間とリアルの共感能力の差をくらべた論文はそんなに多くありませんが、これは1390人を対象に行った、比較的しっかりした論文の結果。少なくともそんじょそこらの専門家の意見よりも信頼性が高いですよ。

■ネットを使うと対面コミュニケーションの時間が向上⌚

ネットは引きこもりを生み、コミュニケーションの時間を減らす。常識で考えると正しい意見に聞こえますが、これも間違いでした。

実際は「ネットをする人ほど対面コミュニケーションの時間が向上する」という結果。

先ほどのカルフォルニア州立大学の研究結果の続きで記されたのは、ネットでの活動が多いほど対面コミュニケーションの時間が増え、さらに共感力もUPするというものだったのです。

ただし、メッセージやメールの送信、SNSなど、だれかと絡むようなものは良かったのですが、ゲームや映像を見るだけなどのコミュニケーションが一切発生しないコンテンツでは、対面コミュニケーションの時間が減少する危険性があったので気を付けましょう。

人と積極的に絡む場合、SNSだろうがリアルだろうが共感力を高めるのには十分そうです。

ただし、SNSで共感を伝える為に
知っておかなくてはならない情報があります...!!

■オンラインで共感を伝えるには5倍のコメントが必要

共感してもらうと、なにが嬉しいのでしょう?

それは、2人の間に「支え合っている感情」が生まれるからです。
これをソーシャルサポートと言います。

しかし残念なことに、オンライン上でのコミュニケーションでは共感を伝えることが難しく、ソーシャルサポートを受けている感覚が減ってしまうことが明らかになっています。

その理由は、オンラインでは身振り手振りを使えず、テキストのみのコミュニケーションになってしまうから。情報量が少ないため、共感を感じるのが難しいからです。

なんと、オンライン上ではソーシャルサポートを受けた感覚が1/3~1/5ほどに減少してしまうことが明らかになっているのです。

したがって、「共感してあげたい」「慰めてあげたい」「力になってあげたい」と思っている方は、いつもの3倍~5倍の共感ワードをメッセージに入れてあげると相手が喜んでくれるでしょう!

ネットでの共感は、5倍マシ。
くどいくらいが、ちょうどいい。

■まとめ:SNSとは、感情の増幅装置なのか

すぐに炎上し、阿鼻叫喚し、感動が一瞬で拡散する。
SNSは、感情の増幅装置です。

今回は、SNSをしすぎると自己肯定感が低くなったりするデメリットはありますが、適度に使えば共感力を高めることもできるツールだということをご紹介しました。

ネットで共感を伝えるには5倍のコメントが必要。

だから、ネットでは意識して5倍くらい暖かい言葉をかけてあげるように心がけるのがオススメです。共感力の高い、信頼できるヒトだと思ってくれるかもしれませんよ!

身振り手振りの非言語コミュニケーションが使えないので、絵文字や写真などを積極的に使うことで、共感をもっと伝えやすくなるかも。

ぜひ、試してみてね!

引用
Errasti, Jose, Isaac Amigo, and Manuel Villadangos. "Emotional uses of Facebook and Twitter: Its relation with empathy, narcissism, and self-esteem in adolescence." Psychological Reports 120.6 (2017): 997-1018.

Carrier, L. Mark, et al. "Virtual empathy: Positive and negative impacts of going online upon empathy in young adults." Computers in Human Behavior 52 (2015): 39-48.

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