何度でも蒸し返す

酸鼻を極めた地獄絵図を

目を逸らしたくなる現実を

加害者であったぼくの右手を

右手に握られた刃を

なかったことにはできない

消し去ることはできない

日常と永い時間に薄れていく五感を

何度でも蒸し返す

遺伝子にまで食い込むほど

償いは終わらない

何度でも蒸し返す

永遠に蒸し返す