【散文詩】逡巡しても捨身でも何が変わるのか

午前七時二十二分。横浜市柘榴区の迷走線老耄駅で通過中の急行電車に女性がはねられその場で死亡が確認された。耄碌署では女性の身元の確認を急いでいる。

人は幸福になるために生きている。目的を成就するために努力を怠らない。それでも有限の果実を手に入れるには狡猾さが必要だ。他人の幸福と自分の幸福が競合するなら躊躇いは悪。
誰かの役に立ちたいなんて、思うだけで不遜。
優しさは大切な何かを代償にしている。
自分で自分を削って鉋屑を嘔吐する。

研磨された車輪は断頭台で乱舞。

幸福になりたいだけで、何が幸せなのかを本当は誰も知らない。大言壮語の夢は目標ではなくただの夢。
真面目そうに見えて余りにも欲張りな君だった。

怨嗟も嫉妬も良い知らせの構成部品。

敵意が口角を歪ませる。それでもヒーローは来ないので、晩飯の買い出しに行く。