見出し画像

高齢化した若手芸人ならではのあるあるは、遥か昔から存在していたのか

 ここ10年くらい、若手芸人の高齢化が叫ばれるようになりました。今では30代40代の若手芸人が珍しくありません。「それは若手じゃないんじゃないか」と思うんですが、以前は若手の仕事だったものを、現在はそれくらいの年齢の芸人でも平気でやっている。つまり、若手芸人の定義が幅広くなったんでしょう。90歳が「60歳なんてまだまだ小僧じゃよ、ふぉふぉふぉ」と言うようなものです。違いますね。どうもすいません。

 理由はいろんな方々が口々に言ってますが、きちんとした調査に基づいたものではないようで、個人的な見解に留まっています。そもそも日本自体が高齢化に突き進んでるし、お笑い芸人はスポーツ選手と違って明確な引退ラインが存在せず、業界の新陳代謝が鈍い、などなど、まあ、いろいろ言われています。

 それでも、芸人をやる側としてはどんな環境だろうとやるしかないわけで、そのせいか、いわゆる中年に差しかかってから日の目を見る芸人が増えてきました。ハリウッドザコシショウしかり、バイきんぐしかり。ピン芸人の野田ちゃんもまた、長い下積みを経て売れ始めたひとりです。

 私が初めて野田ちゃんを見たのは確か「おもしろ荘」で、若手だけど中年という立場を活かした漫談をしていたと記憶しています。確か、初恋の女性は結婚して子供もいるが、彼女の娘さんが成長してだんだん初恋の女性に似てきたため、「第二の初恋が来た」みたいなことを言っていたような。詳細は忘れてしまいましたけれども、大筋はこんな感じでした。ええ、女性の夫からしてみたら、すぐに警察と弁護士をダブルで招集したくなるようなネタですね。でも、これこそ「若手だけど40代」という状態をうまく活用したネタのように見えました。私が女性の夫だったら、もちろん警察と弁護士には必ず相談しますが。

 それを見た当時、私の目には新鮮に見えたのですが、その直後にモンゴメリの小説を読んでいると、とある女性が以前に別れた恋人の娘に恋人の面影を見て、こっそり支援をするという話が出てまいりました。えっ、割とあるあるなんですか、そういうの。

 なんか古典をあさればその手の話がもっと出てきそうな気がします。いやあ、不勉強の私、いくら愛だ恋だ言ってたって、それなりに年齢を重ねれば勝手に枯れてくもんだと思いました。そんなことないんですね。高齢者介護施設でおじいさんとおじいさんがおばあさんを取り合っているという噂を耳にして以来、何となく覚悟してたんですが、やっぱそうなんですね。

 人生ラストのラストまで、ヤバめの色恋沙汰には是非とも気をつけたいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?