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眺める学習から、書く学習へ

ある教室で見たこと

以前、ある高校で非常勤講師をしていたとき、空き時間にふだん担当していないクラスの自習監督をすることがありました。ふだん担当していないクラスですから、最低限の教室規律を保つことを心がけ、各生徒の学習への介入はできる限り行わないようにしていました。その教室で見た光景をご紹介します。

英文法の問題集の小テストが控えていたようで、問題集を開いている生徒が多くいました。そして問題集の取り組み方で多かったのが、オレンジ色のペンを持ち、問題の解答を書き込み、赤いシートで覆ってその解答をひたすら暗記するというものでした。たしかに効率的です。目の前の小テストをクリアするためという目標だけを考えれば、極めて効率的です。

しかし、長い目で見れば、時間と労力の無駄です。

鉛筆を手に持って、ノートに書き出そう!

小テストの範囲は事前に決められているのが普通です。事前に決められているのであれば、もう少し地に足の着いた学習によって、小テスト対策を実り多いものに変えていくことも可能です。多くの文法知識が未習、あるいは定着しているという自信がないときには、問題集を解くときには問題文をノートに書き出していきます。そして、問題文の構造を、S、Vなどと記号を振ったり括弧で括ったりしながら分析していきます。こうして英文の構造と意味を把握しながら問題を解くようにしていきます。解説だけで分からないことは英文法の参考書を読み込んで、問題に関連するところをノートに書き出しておきます。知らない単語があれば辞書を引いて意味や用法をノートに書き出しておきます。2回目以降繰り返すときには、音読で解きます。口頭で瞬時に答えが言えるレベルにまで引き上げていきます。

このやり方は以前ご紹介した文法問題集の取り組み方です。

さらに、せっかくなので、問題文を暗記していくようにします。

これもノートに書く学習です。このとき使うノートですが、A4方眼ノートをおすすめします。自由に書けるほうが思考を妨げずに深い学びが得られます。そして、折れない、にじまない、かすれない、ということで、これまた思考の妨げにならないという点で鉛筆を使うことをお勧めします。このあたりの話は過去記事もご参照ください。


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