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ことばは知らないと使えない

ことばというものは、脳の中に記憶していないと使うことができません。母語であれば、生まれてから周りの大人とのやりとりを通じて脳内の知識が形成されていきます。意識的に暗記をしなくても自然に身につくわけです。母語でなくても、「第二言語」と言って、生活する社会の中に飛び交っていることばであれば、それなりに自然に記憶されていきます。母語でもなく、生活の中で使う機会にも乏しいことば、これが「外国語」ですが、この場合は記憶の形成に積極的に働きかけていかないと、そのことばは身につきません。

日本語を母語とする人が、日本にいて日本の大学入試を目指す「受験英語」は、その点でバリバリの「外国語」です。英語の知識は記憶していないと使えないのですが、その記憶の形成には意識的に働きかけていかなければなりません。簡単に言えば、英語を覚えなければならないのです。

「丸暗記不要」とか「丸暗記厳禁」を唱える先生がいらっしゃいます。これを「覚えなくてよい」と受け止めるようでは読解力がなさすぎます。こうした先生方は覚え方の提案をしているに過ぎません。「『丸』暗記」ではないアプローチを示しているのです。

どのような学習をすれば、記憶の形成が促されるのか。英語にたくさん触れるとよいというのはほぼ間違いないようです。このときに意識的に反復して「暗記」を試みた方がよいのか、「暗記」にしても声に出すことを中心にやるのか、手で書くのがよいのか。もっと分析的な理解を伴うやり方のほうがよいのか。この辺りになると、個人差が出てきます。得意な頭の働かせ方に個人差があります。また、母語である日本語との違いに無意識に気づいて英語は英語として身に付け、使いこなせる人もいれば、日本語の影響をもろに受けてしまう人もいます。後者のタイプの学習者である場合は、日本語と英語の違いを意識的、分析的に捉えて日英語の違いを明確にしたうえで記憶に落とし込んでいく必要があります。

今は、それぞれのタイプの学習者(=受験生)にあった教材や講座がありますから、自分に合うものを見つけて取り組んでいくことで、学習を効率的にしていくことが可能になるのです。

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