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「辞書って何?」的な人々

ことばを学び、使っていく上で辞書を活用することは当然のことだと思っていたのですが、そうでもないな、というのが最近の印象です。デジタルネイティブ世代が学校で辞書の活用法を教わらなければ、ネット上にある辞書ではないもので間に合うし不便を感じないと思うのも当然の帰結です。つまり、これから大学受験を目指す受験生が辞書を引く習慣がなかったとしても、その受験生には非がないということが普通にあるわけです。

辞書というものがどのようなもので、どう活用すべきか。これが認識できていなければ、辞書を引き、読む必要性など湧き上がってこないわけです。最近出てきている「2冊目の単語帳」(原文ママ)の議論の背景には、「脱辞書世代の受験生」の存在があるわけです。

もしかしたら、人間がこの30年くらいで急速に進化して、言語生活において辞書に依存する必要がもはやなくなったのかもしれません。でも新人類と言われた我々世代もたいして「新」ではなかったので、今の受験生もたいして「シン」ではないと考えるのが妥当です。

実際、辞書を引きこなすようになって英語が分かるようになってきたという生徒の声はよく聞きます。電子辞書だと辞書指導がしにくいといういけんもありますが、電子辞書に収録されている学習英和辞典は数種類に限られているので、紙の辞書での指導と比べて困ることはありませんし、むしろ複数の辞書でほぼ同時に指導することも可能です。

ちなみに、オンライン指導では辞書の画面を共有することで効果的に辞書指導を行うこともできます。受験生や一般の学習者の方には是非辞書を活用してほしいですし、指導者の方には是非辞書指導を徹底していただけたらと思います。

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