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デザインチームの「デザイン原則」を作った話

この記事は、フィードフォースグループAdvent Calendar2023の11日目です。
昨日はフィードフォースのtnishikawaさんの「自然農を始めて2年経ったので良かった事を紹介する」でした。記事では農作業とメンタルについて触れられていて、私は趣味の庭いじり程度ですが土に触れた時の心地よさが好きなので、共感するところが多く素敵な記事でした。

みなさん、こんにちは。
11日目の今日は私、新潟市在住のソーシャルPLUSデザイナーおやなぎがお話します。
2023年は皆さんにとってどんな1年でしたか?ソーシャルPLUS社はオフィスを湯島から青山に移転したり変化の多い1年でした。
私ですか?私は中学生の娘から、幼い頃に頬にキスをした写真を「黒歴史」と判定された思い出深き2023年でした。


ソーシャルPLUSのデザインチームは現在3人体制。フィードフォースから分社化した2年前の2021年9月時点はデザイナーは1人でした(私は2022年入社の2人目デザイナー)。
拡大していく組織に比例してデザイナーも増え、徐々に対応できる範囲が広がってきました。と同時に課題も見えてきたり。
今日は「デザインチームの『デザイン原則』を作った話」についてお話します。この記事が同様な課題を抱えるデザイナーさんの「デザイン原則」づくりに役立つ記事になれたら大変嬉しいです。

デザインチームの「デザイン原則」を作ろうと感じたきっかけ。

「デザイン」という言葉は、よくあるイメージとして「(具体的な)物を作る」クリエイティブな部分にフォーカスが当てられがちです。しかし、実感としてデザイナーはコミュニケーションやディレクションなどクリエイティブ以外の部分で組織に貢献できていると感じるシーンが多かったりします。
組織の中でデザイナーが存在する意義や価値を高めるためには、本来のデザインを意味する「問題や課題を解決する」ための動きを組織内、チーム内で共有し実践できていることが重要です。そしてクリエイティブの部分に関しても、個人の好みではなく共通の指針を持って取り組んだ質の良いアウトプットが求められます。
良い品質のデザインを生み出せているか?良いデザイナーの動きが実践できているか?そして、デザイナーとして大切にすべきことは何だろうか?
これらの疑問や課題がデザインチームの「デザイン原則」を作ろうと感じたきっかけです。

「デザイン原則」作成の流れ

すでに存在するミッションや採用しているデザインシステムに沿った内容にする

今回作ったものはあくまで「デザインチーム」に特化した小規模なデザイン原則です。
デザイン原則といってもチームカルチャー、デザインプロセス、行動指針など企業やサービスによって内容は様々です。策定する内容については、既にあるソーシャルPLUS社のミッション「人とブランドをつなぎ、顧客体験を豊かにする」に沿った内容であること、また、プロダクトの管理画面UIに採用しているデザインシステム「Shopify Polaris」や「Material Design」の思想や原則を邪魔しない内容であることを前提に進めました。

まずは70点の出来で作って運用してみる

原則を作る上で、note社のデザイン原則の導入プロセスの話が参考になりました。

・まず70点を目指してリリースして使うこと
・「バージョン1」を時間をかけず作ること
・使って評価すること

Frontend Talk 〜デザインシステム構築のリアルな裏側〜【hey|note|ANDPAD】より

最初から完成されたものを作る必要はなく、まずは時間をかけずに作ってみて、チームにハマらなければ壊して直す。運用をしながらアップデートできる良い方法だと感じ、我々もこの導入プロセスを参考に進めていきました。

ミッションを「分解」して「抽出」する

策定までのプロセスは、ひたすら「言語化」です。
言語化した内容を忘れないよう、付箋に記入し貼り付けていきます。
ソーシャルPLUS社のミッション「人とブランドをつなぎ、顧客体験を豊かにする」を分解し、「人とブランドを繋ぐとは?」「豊かな顧客体験とは?」そもそも「豊かとは?逆に豊かではない状態とは?」など。
そのほか、社会の広い範囲からデザインチームの狭い範囲まで、我々の価値や存在意義についてなど言語化し、共通する部分を抽出してチーム内で認識を深めることで数多くの本質的な気づきを得ることができました。

ミッションの「分解」と「抽出」。ひたすら「言語化」

ひたすら言語化を重ねて数多く作られた付箋から共通する内容の付箋をカテゴリでまとめ、出来上がった大きなカテゴリを1つずつデザイン原則として定義していきました。

共通する内容の付箋をカテゴリでまとめ、デザイン原則を策定しました。
策定した「デザイン原則」。各原則の文章は、記入した付箋をChatGPTに複数枚読み込ませて文章案を作成し、調整して仕上げました。

「デザイン原則」を意識して行動し、デザインの価値を広めていく

デザイナーの意義や価値など、本質的な部分まで言語化して作成したデザイン原則は、チームとして納得のいく内容になったと感じています。
ただ、大事なのは「作って終わり」にならずに持続的に活用されることです。そのためにまず業務内でデザイン原則に触れる機会を作ることが大事で、今は月に一度、定例会議内にてデザイン原則に沿った行動が実践できたかを共有をしています。 その上で、デザイン原則がハマらなければ改善しアップデートを続けることで、良いデザイナーの動きを実践し「デザインの価値」を組織に広め、組織や社会への貢献以外に、デザイナーとしてのキャリアのステップアップを促進できるようなチームの基盤を築くことを目指しています。

終わりに

「人」への印象もそれぞれが異なるように「言葉」の印象もそれぞれ異なります。印象や認識の差を言語化を通じて埋めていく作業はとても大事だと実感しました。
もしチーム内のデザインプロセスや認識の違いに課題を感じていたら、まずは小さい範囲から「デザイン原則」を作ってみませんか。

さて、フィードフォースグループAdvent Calendar2023 明日12日目は、FRACTAの花沢さん!「ブランドから広がる、暮らしに根づく文化」についてのお話しです。

明日も楽しみですね!
ではまた。


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