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アートの会リニューアルによせて。

こんにちは!OYAKOLABOのアート担当ちーちゃんです。

新学期がはじまってまもなく。屋久島の里では至るところでお花の香りが漂って、春の雰囲気を味わっています。

私たちが毎月開催するOYAKOLABOには、あそび編とアート編があります。
アート編では隔月に1回、テーマを設定し、親子でできる自然×アートの場づくりをおこなっています。

過去には、自然物を筆がわりに描画してみたり、

昔なつかしのスライドマウントに素材を詰め込んでみたり。

思い返せば、OYAKOLABOにアートの要素を入れ込んだのは2016年頃から。
アートの「ア」の字もわからぬまま、とにかく「子どもの個性がひらく場」にすることだけを大切に、私自身も学びつづけて6年が経ちました。

当時2才の長男と。まずは自宅の庭でやってみることからはじまった

当初から助成事業としてお金をいただき運営していましたが、アートの片鱗くらいは理解できてきたようなこのタイミングで、今年度から思い切って完全なる自主事業に転向します。アート編をリニューアルし、あらたな形でスタートを切りたいと考えています。

今回は「リニューアルっていうけど、何が変わるの?」というところをメインに、6年分かそれ以上の思いを乗せて、綴っていきます(ちなみに、あそび編はこれまで通りの形で継続します!)。

目に見えて変わること。イベントからブース形式へ

受付をすませたら、たくさんの自然と素材に囲まれながら自由に過ごすことができます。素材でひたすらあそぶのもよし、まったりと自然のなかをおさんぽするのもよし。
もっと身近に、もっと自由に。自然×アートの空間にあそびにきませんか。

OYAKOLABO自然×アート編リニューアルのコンセプト

これまでは、はじまりの会とおわりの会をおこない、1日型のイベントで実施していました。
体系的におこなうことができるメリットもありましたが、
「まだつくりたいのに時間がない・・」
「自分はもう満足!」
実際に、そんな子どもたちの行動や言葉を目にすることもありました。
そこで考えたのが、開催時間の間なら、いつでも、好きなだけワークができるブース形式です。
事前の申し込みにより枠を確保することが可能ですが、当日参加もOKです。はじめとおわりの時間を、開催時間内でお子さんに合わせて自由に設定できるようになりました。ちいさなお子さんの参加が気軽にできるように、価格も人数単位から材料単位の設定としています。

目に見えなくても変えること。承認と変化の場づくり

これまで助成事業として人件費や材料費などのお金をいただき、持続可能な形で活動できたのは非常にありがたいことでした。
ただし、包み隠さずお話をすると
「報告のための写真を撮らなくちゃ・・」
「時間通りに終わらせないと・・」
助成条件が毎年厳しくなっていくのと同時に、やらなければならないことも増え、関係性の質が浅くなってしまっていくことに疑問を感じている自分もいました。

ここで「関係性の質ってなんだろう?」と疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。
それは、私たちが承認と変化の立場の両方をとり、ジャッジのない状態で場を見つめることを意味しています。

あくまで個人の主観によるたとえ話ですが、母親であり、とくに環境教育という文脈での教育者でもある私にとって、その両者のちがいの1つは
母親には見守る(承認する)視点が多く、教育者は介入する(変化する)視点が多いことだと認識しています。

自然のなかで思いっきり遊んだり、ぐちゃぐちゃアートで心が赴くままに絵の具と触れ合うことは、たしかに乳幼児期の発達にとって、なくてはならない大切なことです。
そんな体験を親子で一緒に楽しむことは、愛着形成につながり、子どもたちの自己肯定感を育む、まさに子育ての基本ともいえます。
実際にアート編では、そんな人生の土台を耕す時間を提供したいと思っている一方で
それでおわりでいいのかな?と思ってしまうところがあるのです。
これは職業病の一種だと思っています(笑)

そこには、アートをするかしないかにかかわらず
「自分ってこんなことが好きだから、とことんやってみよう!」
「この前は難しかったけど、今日はできた!」
教育者としてのメガネ(専門知識をもった眼差し)をかけて、子どもたちが自分では見つけられない多面的な個性を発見し
より高度な個性を伸ばす(子どもたちが変化を選ぶことができる)最適な介入をおこないたいという個人的な願いがあります。
(教育者としての介入については小学生対象の事業「島子屋」のnote記事で説明しています)

どんな自分でもいい。けれどちょっとチャレンジすることもできる。そんな「承認と変化の場」をつくりたいと思っています。

ワーク終了後のふりかえり。付せんをつかって、心の動きや関係性を見える化する試み

さいごに。アートをする意味ってなんですか?

みなさんは、アートというと何を思い浮かべるでしょうか。
美術館?それとも有名なアーティストの絵画?
それらはときに、自分たちの生活とは程遠いもののように思えるかもしれません。

ですが、私たちが提供したいのは、日常としてのアートです。
それを体現してくれているのが赤ちゃんだと思います。
赤ちゃんはよくものをさわって、ときにぐちゃぐちゃしたり、毎日の探索のなかで個性を発揮する、まさに天才アーティスト。
ただ、すくすくと育つにつれて、いろんな意味で学習がすすんでいきます。

「これを言ったらあの人は何て言うだろう・・」
「アイディアを思いついたけど、今はそれをやる時期じゃないんじゃ・・」
大人になって、こんなことを考えたことはありませんか?

つまり何が言いたいかというと、現代社会には、私たちの個性を阻むものが多すぎるのです。
それは社会を生きる私たちにとっては必要なことで、
大人になっても赤ちゃんのようにごはんをぐちゃぐちゃしていると確実に変人扱いです(笑)
でもその生きる術が、場合によって壁になり、人生をよりよくするための機会を失うことになってしまうこともある。
そして、その壁を越えるための道具≒個性を最大限に発揮するための説明書を見つけ、書き足していく機会が教育としてのアートなのだと感じています。

もしかしたら、その説明書が必要ない環境だってあるかもしれない。
それでも、必要となるそのときに、私は子どもたちにその紙を一枚でも多く持たせてあげていたいのです。
アート編がリニューアルしても、ここの軸だけは決して変わりません。

最後に、教育においてアートは目的ではありません。
あくまでも、子どもたちが、子どもたちの一番近くにいるお父さん・お母さんが、よりよい人生を送るための手段です。
そんな、個性をひらく自然×アートの場を、これから一緒に綴っていきませんか?
4月30日(土)、あたらしく生まれ変わったOYAKOLABOアート編でお待ちしています!

申し込みはコチラから
https://forms.gle/QG5yBhjKyhJQFpGP8

詳細は各SNSでもご覧いただけます^^
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