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理解してもらうのは難しい。

理解してもらうことの難しさを最近よく感じる。

「本と寝床、ひととまる」ならびに「本のある場所、のほほん」がリニューアルオープンして10日ほどが経った。

ひととまるは簡潔に言えばゲストハウスなので、観光客向けだ。
地元の人に、喧嘩した時はぜひ泊まりに来てくださいとふざけて言うことはあっても、ほんとうに泊まりにくると思っていない。
地元の人も、ゲストハウスが何かをわかっていなくても、泊まるところだと知っている。
さらにリニューアルをしたことで、宿泊客さんの満足度は格段に上がった。


問題はのほほんの方だ。
誰のための、どんな空間なのか解釈がさまざまだ。

・本屋さんの調子はどうよ。
・お昼は何時からやっているの?
・入場料は取るの?
・お酒は飲めるの?
・宴会をしたいんだけど、いくらから?

のほほんを始めるにあたって、色々と思考を巡らせた。
その結果、あえて定義の曖昧なお店にすることにした。
当然賛否の否の方が多いのは予想もついていたし、地元の人に理解してもらえないことも覚悟していたけれど、ここにきて気持ちが揺らいでいる。
あまりにも説明が不足しているのではないかと自信がなくなってきた。

まず、誰向けなのかだが、以前のバーの時は地元の人もウェルカムだった。ただ、のほほんになってからメインは観光客(地元外)にした。
それでも地元の人でお店の雰囲気を理解してくれる人はぜひ来てくださいと思っている。ある種、傲慢だ。
でも、定義を曖昧にしたのも、はっきりと誰向けと言わないのも、言わないことで作られる空気感があると思っていたからだし、全てを言語化することで窮屈にしたくなかったからだ。

ただ、新しいお店は、好奇の目に良くも悪くもさらされる。
ありがたいことに、「住民」としての私はそれなりに認知してもらっているし、大変仲良くさせてもらっている。
だから、予想以上にたくさんの人に質問されているし、予想以上の期待と誤解を持たれていることにちょっと疲れてしまった。

もともと人に完全に理解してもらうのは無理だと思っている。
それはお店の話に限ったことではなく、個人的なことでも。
私の考え方や意見を、心を込めて丁寧に時間をかけて説明しても、正しく理解はされない。時には曲解もされる。それは諦念ではなく、そういうものだと割り切って受け入れている。

だから、のほほんのことも、各自が好きに解釈してくれればいいし、勝手に作られた期待を裏切ることになってもしょうがないと思っていた。

でも、あまりにも説明不足なのではないか。
地元をおそろかにしていいのかと自問自答する機会が圧倒的速度で増えている。

お店の雰囲気的に昼も開けた方がいい。それはわかっている。
地元の人に利用してもらうのなら、カフェ営業だ。
ランチを始めたら、さらにいい。
経営的視点で考えれば地元客を取り込む方が安定するのでいい。

やった方がいいことはたくさんある。
ただ、マンパワーに限界がある。
やることとやらないことを決めるのが私の仕事だ。

なんとなく自分の中で方向性は決まっている。
ただ、細部の設計がまだまだお粗末なので、もう少し考える時間が欲しい。
そして、結論が出たら地元の人にはちゃんと説明する。
それが受け入れられるかどうか、理解されるかはわからないけれど、できるだけ平易な言葉で何度も説明しようと思う。

こんなことを赤裸々に書いていいのだろうか。
悪宣伝になるのではないかと思うが、まぁそれはそれでいい。
こういう人間が必死に考えて作っているお店なのです。

正しくなくてもうれしい理解をしてもらいたいなぁ。

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