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孤独とつきあう方法

『孤独はともだち』という前回のnoteに引き続き。

「ひとりでいることは悪いことじゃないよ」ということだったけれども、

わかっていても実際、孤独と仲良くするのはつらいことが多い。そんなときは、こういう対処方法もあるよ~という、実践に基づいた話を。

ちなみにこれを書くのはちょっと恥ずかしい。けれどもわたしの人生、9割くらい恥でできているので。今さらです。そして後半にいくほど、ぼっち熟練度が増すのでご注意を。


プロぼっち・おおばやしさんのドキドキ☆孤独対処法

孤独だ、つらい、寂しい、やだもう耐えられない!というイヤ~な発作が起きたときの、わたしの応急処置をいくつか。不安症状にも効くかもしれません。


1. 深呼吸

息はとても大事です。生きるは、息る、から来ているというくらいで。

息を詰める、息を飲むなど、慣用表現はたくさんありますし、死ぬことを「息をひきとる」というくらい、呼吸と生命活動は密です。

不安を感じている時、ひとは大抵、呼吸をおろそかにしています。それは、「今」ではなく、(自分ではどうにも動かせない)「過去」「未来」のことを考え過ぎているから、心と体が動作不良を起こし、ふだん意識せずおこなっていたことが、うまくできなくなってしまうのです。

なのでそういう時はあわてずに、まず息が浅くなっている自分に気づき、ゆっくりと深呼吸を繰り返して、酸素を体中に行き渡らせ、心も体もきっちり「今、ここ」に戻します。

そうすると、自然と頭もすっきりして、地に足をつけ、とりあえず今現実的に何をすべきか?の判断が、落ち着いてできるように思います。

することが決まったら、行動を始めれば、今度はそれに集中できるので、つらさはそれほどでもなくなるはず。つらくなったら、深呼吸です。


2. 運動

呼吸と同じで、酸素を体に行き渡らせたり、幸せホルモンのセロトニンやエンドルフィンが分泌されるので、心身が少し楽になるはずです。

ヨガ、ウォーキング、ジョギングなど、有酸素運動を中心に、無理のない範囲で。 その場で軽くストレッチやマッサージをして、血行を良くするのも応急処置的にありです。

わたしは、講師の仕事が思うようにいかず、へこんで、でも誰にも相談できないとき、帰宅後すぐによく走っていました。そうすると、不安からくる症状も気にならなくなり、15分ほど走ると、たぶん上記ホルモンのおかげで幸せ感がやってくるので、なんとかどん底まで自分を追い詰めずにすみました。

でも一度、いつも通り近所を走りはじめた瞬間、アパートの上階からバッシャーン水をかけられ、ずぶぬれになり、別の液体で視界がにじんだことがあります。

荒ぶるガーデニングをしているお宅の階下を通るのは、避けたほうが賢明です。



3. 五感を使う

上に書いた通り、ひとはネガティブな感情でいっぱいになっている時、たいてい体はこわばり、感覚が衰え、思考が「過去」か「未来」にとらわれています。

自分には動かせない、どうにもできないことを、考えて考えて、どつぼにはまっていくのです。そうしていても、害こそあれ、利はひとつもありません。なので、「今ここ」…現実に引き戻してあげなければいけません。

その場合、深呼吸に加え、心も体も「今ここ」に呼び戻す合理的な手段のひとつが、「五感を使うこと」です。

見る、聴く、味わう、嗅ぐ、触れる、できれば同時にたくさんの感覚を体に与えるのです。

例えば、好きなお菓子、美味しいもの、いい香りの紅茶、花、ポメラニアン、音楽、お風呂… なんでもよいので、身近なものを使い、感覚に集中すると、心も体も「今ここ」にひき戻され、不安から自分を切り離せます。

ひとは、「ああ、幸せだなぁ~」と感じるとき、かならず心身ともに完全に「今ここ」にいます。心が未来や過去にいては、深い幸福は絶対に感じられないのです。ですので、逆説的に心身を今に集中させると、幸せなことをキャッチしやすくなります。

わたしが、「食べること」がとても素晴らしいと思うのは、見た目、香り、味、食感、音…五感の全てを、同時にフルに使うことができるからです。よく、美味しいものを食べて「幸せ~」となるのは、味だけでなく、五感をよく使い、「今ここ」にいて、行為を全身で楽しむことができているからだと思っています。

※ここで大事なのは、『ながら食べ』をしないということです。携帯もテレビも見ず、音楽も消し、意識の全てを、食べるまわりに集中させましょう。幸福感が促進され、簡単に満腹感を得られるので、食べ過ぎを防ぎ、ダイエット効果も期待できます。(本当)

また、行き詰まると、わたしはよく散歩をして、木にタッチします。手から伝わる樹皮の感覚、木の温度、におい、空気の感じ、葉擦れの音などを、全身で楽しみます。すると、ふしぎなもので、いつの間にか不安症状は消えています。イギリスなどではよく、心がざわついたら、go hug the tree.と言ったりします。木を抱きしめてごらん、落ち着くよ、ということです。大地と生命のパワー。
通りすがりの人に不審者として見られる < 自分の心の健康 です。


4. 哺乳類に触れる

哺乳類は、成長の過程で、ふれあいを必要とします。母親、兄弟などとのふれあいが多いほど、情緒は安定し、脳機能も発達します。

人間の場合では、幼児期に近親者との物理的ふれあいが少ないと、ことばの遅れが出るおそれがある、と言われています。

”千の言葉よりひとつのハグ” と(わたしが)言うように、たとえば「何も言わなくてもいいから黙って背中を貸して」「ただ暖かくてモコモコしたものをぎゅーっとしたい!」のような衝動が湧くことがあるかと思います。生物的に体がそれを必要としているのです。

状況的にそれが可能か不可能かはとりあえず置いておいて、我々あたたかい血の通った哺乳類にとって、ふれあいは重要で、だからネコもすりすりしてくるのだし、ふれあうとなんらかの幸せホルモンが出るために、長生きできるとも言われていますね。

わたしは、学校があるときには、仲のいいクラスメイトの肩にピトッと頭を載せて、「ふれあいが必要なので。」と言って、しばらくそのままでいてもらいます。福祉系の学科のため、彼らは癒しにはそういうメンタルケア理論(アタッチメントセオリー)があるということを知っており、何も聞かず「OK~」と協力的で助かります。1ピトッで一ヶ月くらい効果はあるかもしれない…

今は卒論時期で授業もないので、この手が使えません。友達に会ったときに頼むしかないですが、それでなければ、そのへんを散歩しているでかい犬に、クワッと抱きついてやろうかと思っています。



5. 自分のいいところをいっぱい書き出す

だんだんあやしくなってきましたが、大丈夫です。

「自分のいいところをいっぱい書き出す」。これは、不安、ひとりでつらい、というときは、自己評価が低くなっている&自分が見えなくなっているので、「自分は最強の味方である」ということを思い出して、勇気づけるためにおこないます。

紙やノートを用意して、「自分のいいところ」、「得意なこと」、「好きなこと」、「がんばってきたこと」、「将来どんな人になりたいか」…などポジティブなことを、箇条書きやマインドマップでなどで、書けるだけ書き尽くします。読み返せる字であれば、荒く書いても大丈夫です、思いつくまま、スピードを上げて、どんどん書きましょう。

はじめは筆が進まなくても、書き出していくうちに、夢中になり、止まらなくなってくると思います。その後「自分の弱点」を、愛をもって客観的にみつめ、書き出してみるのも良いです。人の弱さこそ、愛すべき点で、それをそのまま楽観的に受け止められることは、強さに繋がります。

そうすると、自分が生きてきた年月と同じだけ、ずっと長い時間、自分に寄り添って努力をしてきた、「自分」という素敵なパートナーの姿が見えます。

他の誰に頼らなくても、こんなに強い味方が自分にいるじゃないか、不安に思うことはない、大丈夫だ。と、気づけることでしょう。

最近なかよしになったある素敵な方が、ありがたくも「あやさんのいいところを20個くらい言えます!」と自信たっぷりに言って下さったのですが、わたしはすでに、自分のいいところを50個くらい知っているので、ぬかりはありませんでした。なんの戦いなんだ。


6. 自分に手紙を書く

これも上の応用です。郵送はしなくてよいので、自分で自分に手紙を書くことで、自分を客観視しつつ、励ますことができます。セルフ励まし。

”わたしはいつも見てるけど、あなたすっごく頑張ってるよ。異国の地で、彼氏も旦那もいなくても、勉強がんばって、良い人間関係を作って、なかなできることじゃないよ、すごいよ…(後略)”というように、必要であれば過去にさかのぼり、こと細かに自分を励ましまくります。ちなみにこの例文はまだぬるいほうです。

恥を捨て、別人になったつもりで、書きます…「自分のいちばんの親友になったつもりで、励ましの手紙を書く」とイメージするといいかもしれません。自分を卑下せず、客観視して自らを力づける、これはドラマ・セラピーの応用になるのかもしれません。ひとりドラマ。まあ、わたしの場合、偶然やっちゃったんですけども。

上記のものと併せ、これは、書いたものを誰かに見られたら恥ずかしくて死ぬシリーズ最新作ですが、自分の部屋の引き出しにでも入れておけば、(わたしの場合)もともと家探しをされるような関係の人はいないので、これもぬかりはありません。同居されている方がいる場合は、なんらかの本の間にでも隠しておきましょう。

でもこれは、かなり効果があるので、ひとりでずっと頑張っている、自分に厳しい方には、一年に一度でも、定期的な自分への手紙として綴っていただくことをお薦めします。わたしの場合、書いて読んで、初回でもう相当泣きじゃくってしまいました。普段の自己評価が低いので、より効果があったんでしょうね。

あまりに感動的だったので、遠方に住む、子育てに悩む友人に一度進めましたが、聞かなかったことにされました。かなしいです。



7. 世界の覇王ごっこ

はい先生まだ授業してるよー。これは「孤独を味方につける」を形から行い、感情のコントロールを可能にしようというものです。たとえば外を歩いているとき、自分が「孤独」というものを、高貴なローブのごとく身にまとっているかのように、強くイメージして歩きます。孤独を、まるで価値のある服のように、かっこよく、着脱可能なものとして着こなすのです。

そうすると、自然と背筋が伸び、表情が引き締まり、歩みも力強く、颯爽としてくるはずです。自分を「ひとりでいても、堂々と前を向いている、誇り高く強い人」のように感じられれば成功です。今つらいプロセスの中にあったとしても、自分の孤独を受け止め、感情をコントロールして、その上で毅然と前を向いていられれば、自分を誇らしく感じられると思います。そして、頑張って生き抜こうとしているあなたが素晴らしいこと、それは事実なのです。

わたしの場合、このイメージトレーニングでは、『世界征服を狙う、悪の宇宙魔王(お散歩中)』…というイメージをします。「そうか、世界征服を狙うくらいだから、孤独ぐらいサラリと軽く着こなしてて当たり前なんだ!」と、ちょっとトランスしたような気持ちになります。ジャージ姿ですっぴんでも、宇宙魔王。超かっこいい。

これも、ある意味、負の感情をポジティブにとらえ味方につける、行動療法的な技と言えるのかもしれません。


8. はげまし大臣を飼う

「鏡を見るたび、自分にカワイイよ☆って言う」は、女子力アップの基本ですが、「鏡を見るたび、はげまし大臣が、自分を超はげましてくれる」は、ぼっち力アップの基本です。

はげまし大臣とは、わたしが鏡を見るたびに、常にポジティブな言葉を掛けてくれる、脳内小人です。不肖わたくしが女王をつとめる脳内王国の、有能な大臣であります。はいここまで来たらとりあえず最後まで読もうか。

わたしは、未熟でひねくれものなので、自己受容に必要とは知っていても、自分に自分でカワイイよ☆ということが、照れくさくて、得意ではありませんでした。なので、心の中で別キャラクターを作り、脳内腹話術よろしく、

(脳内裏声)「女王様!本日もお美しい!」「お疲れのようですね、顔色がすぐれないようで…でもそんなお姿も高貴でございます!」「いつも我々国民(※細胞)のために努力して下さって、ありがとうございます!」と思い切りやってみたら、なんだかとても癒されたし、楽しいし、負の感情をコントロールできるようになったのです。

妄想プレイと言われれば、そうかもしれませんが、自分で自分の努力を客観視して、ほめるということは、前に進むためにとても大切だと思います。そしてポイントは、失敗をしたとき、へこんでいるときでも、なにがあっても大臣(=自分)は、盲信的なくらい、自分を信じ続けてくれること。

「今日は失敗をなさってしまったのですね、でもそれは成功への道に近づいたということです!」「一日中寝るくらい、お疲れだったんですね。寝間着姿もおかわいらしいですよ。必要なだけお休みになって力を取り戻して、また女王様らしくご活躍くださいね」のように。

どんなネガティブな自分でも受け止め、否定をしない、というのは成長のための基本です。はげまし大臣を雇いはじめてから一年半くらいですが、自分を許せなくなることが減り、どんな自分も、「成長の経過のうちだ」と、前向きに受け止められるようになりました。彼はほんとうにデキる子です。ちなみに、こんな見た目で、すごく高い声をしています。大きさは、肩に乗るくらいです。

本邦初公開

脳内彼氏の妄想をするのと似ているかもしれませんが、用途がまったく違うと言いたい。


以上、これら8種類が、わたくしプロぼっち二段がよく使う、孤独でつらいときの匠の技でした。

少し変わった対処法もあるかもしれませんが、これだけあれば、ひとつくらい、「効きそう」「やってみようかな?」と思われるものがあるかもしれません。ないかもしれません。

ひとりでいることの価値を知っていて、頑張りたいけど、でもつらい~と思うときに、どうぞ。(どうぞて。)

#恥ずかしい話 #エッセイ

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