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アビーと楽しい仲間たち

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シドニーの西郊外の町にある3軒のグループホームで自立支援をしている筆者です。クライアント達は皆さん「精神障害」を持っております。そんな筆者の心の内を、グルホ猫のアビーと共に綴って… もっと読む
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2019年5月の記事一覧

色彩が司るもうひとつの彼女の世界

色彩が司るもうひとつの彼女の世界

彼女の表情がみるみる曇り始め、眼差しが鋭さを増していく。

宙を睨みながら、低く野太い声で、まるで天井あたりに浮遊している何者かに反論しているかのような彼女。

彼女の世界が「怒り」という色彩に変わった瞬間だ。

「怒りの色彩」で世界を染め上げた彼女には、もうこちら側からの言葉はまるで届かない。

彼女の意識は、彼女の内側から聞こえてくる「その声」に押さえつけられているかのよう。

怒りに頬を

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色彩が司る彼女の世界

色彩が司る彼女の世界

オーストラリア、シドニーで障がいを持つ方々のサポート活動をしています。

私が通う二軒のグループホームは、「男女混合」のグループホームと「男性のみが住む」グループホーム。

私のクライアント達はみんな「精神障害」を持っている40代から70代の男女です。

そしてこのネコが、私が通う男性4人のグループホームに住む紅一点のアビーです。

今日は、「男女混合グループホーム」に住む、ある女性クライアントの

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コミュニケーションという宝探し

コミュニケーションという宝探し

Support worker として、オーストラリア、シドニーのグループホームで活動をしています。

私のクライアント達は皆さん、「精神障害」を持っています。

そんな私のクライアント達は、個性豊かな楽しい私の仲間たち。

スタッフとおしゃべりするのが大好きなクライアント、

自分の部屋で一人の時間を楽しむのが好きなクライアント、

寡黙なクライアント、

スタッフの注目を引きたいクライアント、

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Support worker という活動

Support worker という活動

オーストラリア、シドニーのグループホームで、Support worker として活動を始めて一年が過ぎました。

日本では金融OLとして20年の月日を費やし、

シドニーに移り住んでから7年間、調理師の仕事に携わり、

その後、デパートの販売員としてほんの数ヶ月働きました。

障がい者サポートに携わることになったきっかけは前回に書きましたが、

正直言って、この「私」が障がい者サポートの活動に携

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