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The Ancient: Echoes of Sound

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The Ancient: Echoes of Sound 「音の響き: プログレとハードロックの探求」 このセクションでは、プログレッシブロックやハードロックなど、いにしえの力強… もっと読む
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The Map of Oz - 1st impression

The Word of Oz のコンテンツの目次(サイトマップかな?)です。 Video ClipMusicA Alan Parsons Project / Eye in The Sky Anekdoten / Vemod (暗鬱) Arti + Mestieri / Tilt - Immagini Per Un Orecchio Art Zoyd / Musique Pour L'Odyssée A Triggering Myth / Between Cages B I

ピアノの詩人、ビル・エヴァンス:モントルーの夜に響く旋律

■Bill Evans / At The Montreux Jazz Festival ■収録曲:Side 1 - 1.One For Helen(4:03) 2.A Sleeping Bee(5:43) 3.Mother Of Earl(4:50) 4.Nardis(7:57) // Side 2 - 1.I Loves You Porgy(5:40) 2.The Touch Of Your Lips(4:26) 3.Embraceable You(6:18) 4.Some

1976年・モントルーの衝撃: 山下洋輔トリオが奏でるフリージャズの破壊力!

■ Yosuke Yamashita Trio / Montreux Afterglow ■ 収録曲:Side 1 - Ghosts(21:25) // Side 2 - Banslikana(22:48) ■ パーソネル:山下洋輔(p) 坂田明(as) 小山彰太(dr) ■ カバーアート:Photo - Takumi Uchida, Yosuke Yamashita ■ リリース:1976年  山下洋輔さんのアルバムを初めて買ったのは1981年。当時、バラエティ番組で、坂

『マリアブロン修道院からの旅』:ヘッセからKansasへの文学的旅路

「Journey from Mariabronn」という曲があります。 KansasのファーストアルバムのSide 1の最後の曲です。 この曲の邦題は「栄光への旅路」です。 ちなみに英和辞典には「Mariabronn」という単語はありません。 私は、ヘルマン・ヘッセを読むような子供ではなかったので、この曲の真意は相当長い間分かりませんでしたし、あろうことか、この邦題のおかげで、長年の間「Mariabronn」という単語は「栄光」のことなのかと思っていたほどでした。 1994

虹を翔ける覇者: Rainbow Risingの深層「Stargazer - 夢追い人の詩」

■Blackmore's Rainbow / Rainbow Rising ■収録曲:Side 1 - 1.Tarot Woman(5:58) 2.Run with the Wolf(3:48) 3.Starstruck(4:06) 4.Do You Close Your Eyes(2:58) // Side 2 - 1.Stargazer(8:26) 2.A Light in the Black(8:12) ■パーソネル:Ritchie Blackmore(g) Ronni

宮廷、宮殿、それとも法廷?キングクリムゾンの世界を解剖(伝説の歌詞を読み解く)

連休最終日、見過ごしてきた大物の歌詞に拘って、GPT4とチャットをしています。今回は、伝説的なアルバムのタイトル曲であり終曲「キングクリムゾンの宮殿」です! ピート・シンフィールドについて「キングクリムゾンの宮殿」の歌詞を書いたピート・シンフィールドは、主にイギリスのプログレッシブ・ロックバンド、King CrimsonやEmerson, Lake & Palmerの作詞家として知られています。シンフィールドは1943年に生まれ、音楽だけでなく、彼の作品は詩的な言葉遣いと豊

深遠なる歌詞:イエスの危機が語る人間の存在 ver1.1

危機のアルバムの紹介や感想については既に別記事に書いているので、今回は歌詞のお話です。(ver1.1では、チャットをやり直して、少々書き換えました。) イエスの危機がプログレッシヴ・ロックの最高峰である点について、異論のある方はいないと思います。 宮殿の方が上だとか下だとかいう議論は別としてです。 しかしながら、この歌詞は非常に難解です。 国内盤に訳詞が付けられていましたが、その日本語を読んでみても、なんのことやらという難解な言葉で埋め尽くされています。 ひょっとしたら、ジョ

探究と調和: Led Zeppelinの『天国への階段』の詩の意味を解き明かす

Locanda delle fateの歌詞の解説を載せてみて、ふと、洋楽をずっと聞いてきたとは言いながら、深く歌詞について考えたことがなかったということに思い当たりました。なんとなく、楽しい音楽の部分だけを半世紀にわたって楽しんできたわけですね。 今日取り上げる「天国への階段」については、すでにブログ等で多くの解説が書かれています。でも、それらは、いずれも素性不詳の、少しだけ英語が堪能な個人のフィルターがかかっています。せっかくAIが普及してきたので、膨大なデータに基づく、

Dream Theater / The Astonishing (完璧な演奏、完璧な暮らし:The Astonishingからの旅)

Dream Theater のThe Astonishingに関する記事ですが、内容は、音楽の消費行動の変化とそれに起因するコレクションの売却(要は、最近ハマりまくっている断捨離)のお話しです。 消費行動の変化(レコードからCD、CDからサブスクへ)2015年6月30日は、Apple Musicがサブスクリプション(定額制)サービスとして提供されるようになった日です。これ以降、新譜を買うことがほとんどなくなってしまいました。1970年代前後のレコードは、今でも時々買いますが

蛍たちの消えた愛―1977年のイタリアとLocanda Delle Fate

■Locanda Delle Fate / Forse Le Lucciole Non Si Amano più ■収録曲:1.A volte un istante di quiete(6:31) 2.Forse le lucciole non si amano più(9:48) 3.Profumo di colla bianca(8:25) 4.Cercando un nuovo confine(6:41) 5.Sogno di Estunno(4:41) 6.Non c

技巧と感情が交錯する:「Alive And Well In Paris」の深遠なジャズ世界

■Phil Woods And His European Rhythm Machine / Alive And Well In Paris ■収録曲:Side 1 - 1.And When We Are Young(13:55) 2.Alive And Well(3:34) // Side 2 - 1.Freedom Jazz Dance(7:36) 2.Stolen Moments(9:34) 3.Doxy(1:29) ■パーソネル:Phil Woods(as) Henri

クリア・エアー・タービュレンス:イアン・ギラン・バンドが織りなすジャンル越境の名盤

■Ian Gillan Band / Clear Air Turbulence ■収録曲:Side 1 - 1.Clear Air Turbulence(7:35) 2.Five Moons(7:30) 3.Money Lender(5:38) // Side 2 - 1.Over The Hill(7:14) 2.Goodhand Liza(5:24) 3.Angel Manchenio(7:17) ■パーソネル:Ian Gillan(vo) Colin Towns(key

プログレ大御所との距離感:ムーディー・ブルースの場合

 10連休で暇なので、なかなか馴染めない音楽を聞き返してみるかと思って、ムーディー・ブルースの童夢を回しています。(以下、やっぱり馴染めなかったというお話なので、ムーディーズ・ファンの方はスルーしてください。)  ムーディー・ブルースを初めて聴いたのは、イエス、ELP、クリムゾン、フロイド、ジェネシスを一通り聴いた後でした。最初のアルバムはセブンス・ソジャーンでしたが、この音に馴染めなかったんですよ。ただのロックン・ロール・シンガーさって言われても、ビートルズを歌っているダ

Joe Perry Project - 「Let The Music Do The Talking」

Joe Perry Projectです。 さて、前記事の続きで、「これがロックだ!」的なアルバムを聴こうかなぁということで、思いついたのがこれです! Draw the lineでAerosmithが分裂した際に、Joe Perry が結成したJoe Perry Projectのデビューアルバムです。リリースは1980年。プロデュースはJack DouglasとJoe Perry。レコーディングはニューヨークのThe Hit Factoryです。 参加メンバーは、Joe P