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史学科卒業の図書館職員。経歴を活かし、ライフスタイルに馴染むような「専門情報」を楽しく発信中🌟いくつになっても学ぶことをやめない、スタイリッシュでシックな貴方を応援する記事を届けることが目標です。

マガジン

  • ようこそミュージアムへ

    学芸員の資格持ちによる、博物館・美術館を最大限に楽しむための知恵。体験レポもあります。

  • れきしサロン

    史学科卒が語る歴史のあれこれ。「歴史を学ぶ意味」「歴史から見えてくること」など、「歴史」そのものについて考察しています。

  • 新卒2ヶ月で退職した女の就活教室

    新卒2ヶ月で退職した女が「就活するときに知っておきたかった」こと、それから「これから社会人になる君が知っておくと役に立つこと」を書いています。 参考にして下さったら嬉しいし、何甘いこと言ってるんだこの負け犬は……と思いながら哀れみのいいねを飛ばして下さるのも嬉しいです。

  • 図書館事務室出張所

    図書館で働きながら考えたこと、有益な情報などを集めました。本好きさん集まれ!

  • 人生の覚え書き

    日常のなにげない一コマから深い考察が始まってしまうのが私の癖です。あなたの探してた、人生の答えが見つかるかも。

最近の記事

時間って何だろう?歴博の「陰陽師」展で得た不思議感覚

時間は一定ではない、と、最近耳にする機会が増えました。 今回私が訪れたのは、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館。開催中の特別展「陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-」が目的です。 私の中の「陰陽師」のイメージは占い師のような人かな?と何ともふわっとしたものでしたが、展示を見てびっくり。 陰陽道って、体系立てられた学問として存在していたのですね。 当時の教科書なども展示されていて、当時の人々には至極まっとうな知識として受け入れられていたことを感じまし

    • 知らなきゃもったいない!論文はまるで「宝の地図」だってこと

      論文って難しそう。そう思っていませんか? 確かに論文は、一般書に比べて難しいところもあります。でも避けるほどではないし、コツさえつかめば素人でも読めるのですよ!そして研究者でなくても、論文を読むメリットはたくさんあります。 今回は、 1.一般人でも論文を読むメリット 2.論文の探し方 3.論文に苦手意識がなくなる「お守りマインド」 を順にご紹介していきたいと思います。 論文を読む、大きすぎる3つのメリットとは?1つ目はズバリ、最新の情報が得られること。信頼のおける情

      • 歴史が好きなら京都?東京?それともほかの場所?場所×あなたの個性で答えは無限大!

        歴史にあふれる街は?と聞かれたら、まず「京都」と答える方が多いのではないでしょうか。 それなら、歴史を勉強するなら京都に住むのが一番いいのかしら? 私もそう思っていた人のひとり。でも4年間、東京の大学で歴史を勉強したあとに感じることは、意外と東京でも勉強しやすかったということ。しかし、京都で歴史を学んだ同級生の話を聞くと「やっぱり、京都っていいな」と羨ましく感じてしまうことも。 そこで今回は、歴史好きにとってのベストプレイスはどこか問題を、京都と東京をメインに紐解いてい

        • 21世紀の歴史学のあり方について~なぜ「異性装の日本史」展は若者受けがよかったのかを考えてみた~

          渋谷にある松濤美術館で開催された「異性装の日本史」展は若者からの人気が高いと、朝日新聞の記事で書かれていたことがあります。 日本史の展示に若者?実際に行ってみると、展示方法に大きな特徴がありました。歴史に興味のない層に、何が受けたのでしょうか。今回の記事では、「異性装の日本史」展が若者(歴史に興味のない層)に人気だった理由を2つ挙げるとともに、そこから考えた今後の歴史学のあり方について考察しました。 1.キャプションが少なかった私はよく博物館・美術館に足を運びますが、今回

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        • ようこそミュージアムへ
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        • れきしサロン
          10本
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        • 人生の覚え書き
          4本
        • 自己紹介
          7本

        記事

          この時代になぜ図書館?とにかく「行く」ってことが大事なのよ!

          「図書館に行きなさい」「紙の本を読みなさい」 なぜ大人は、やたらと紙の本を勧めてくるのでしょうか。正直中身は同じだし、軽いしスマホで読めた方がいいのに。 その気持ち、すごく分かります!なぜなら私も電子書籍の愛用者ですし、マンガなどは特に、アプリで気軽に読めたほうが嬉しいですよね。図書館職員とはいえ、紙の本ばかり読んでいるわけではありません。 しかしそれでもやはり、図書館に来た方が人生は豊かになると思うのです。 以前からそう思っていましたが、先日素敵な映画を見つけたこと

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          博物館・美術館は知識がなくても楽しめます!って声を大にして言いたい。

          博物館・美術館によく行く人、と聞いて、どんな印象を抱きますか? あまりなじみのない方からしたら「いったい何をしに行ってるんだろう」「勉強熱心だな」など、少なくとも親近感は湧かないという方も多いかもしれません。もしくは「歴史や美術に疎いから、自分には縁のない場所だ」なんて思ってしまうかも!? この記事は、そんなあなたのためのものです。 博物館・美術館は、勉強目的でなくても十分に楽しめる場所なのです! え、ほんとに?今回は、博物館・美術館をカジュアルに楽しむ手順を3段階に

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          「好きなモノ」ベースの職探し、あり?なし?

          突然ですが、「図書館職員」と聞いて、どんな人を思い浮かべるでしょうか。 人それぞれイメージはあると思いますが、共通するものとして、本が好きな人というイメージがあるのではないでしょうか。私自身、現在図書館で働いていますが、志望動機のひとつにやはり本が好きであるというものがありました。 では、本が好きなだけで図書館の仕事は務まるのでしょうか。お察しのとおり、NOです。どんな仕事でも、好きなだけではやっていけません。 では、好きなモノを基準に仕事を選ぶのは間違っているのでしょ

          「好きなモノ」ベースの職探し、あり?なし?

          図書館に本がやってくるまで

          図書館の「新着図書」のゾーンを覗いてみたことはありますか?多くの図書館にこのゾーンが用意され、新品でパリッとした本たちが誇らしげに並んでいます。 よく図書館に行くという方はお気づきかもしれませんが……このゾーン、入れ替わりが激しい。図書館って、そんなに本を買っているの?と思われている方も多いのではないでしょうか。 年間の図書購入数は館によって違うので今回は割愛しますが、それでも疑問は残りますよね。購入する本、しない本は、どのような基準で決めているのでしょうか。今回は、図書

          図書館に本がやってくるまで

          「おひとりさま」に優しい国【日本文化の考察その①】

          「日本人の若い人が全然恋愛しなくなったって本当?」 先日、ベルギー人のペンパル(文通相手)から来たメールの内容です。 なんとも鋭い質問を投げかけてくるなぁ、というのが本音でした。実は私も、恋人はいらない派。いや、いらないというより「いい人がいればお付き合いしたいけど、いなければ1人でもいいや」という考え、と言った方が正しいかもしれません。こういうタイプの人、確かに私の周りにも多い。メディアでも「恋愛をしない若者」のような内容を見たことがある気がします。 他人事ではないな

          「おひとりさま」に優しい国【日本文化の考察その①】

          歴史の勉強って、実はめちゃくちゃ「大ごと」だ

          「歴史を学ぶ」とは、どういうことでしょうか。 最近、既存のものがどんどん「なかったこと」にされている状況を目の当たりにしますね。 少し前は外国の銅像が「この人物が奴隷を所有していた」という理由から取り壊されたり、つい最近は東京ディズニーリゾートから「ジッパディードゥーダー」の音楽が消えると話題になりました。 (この歌は、黒人のあり方が歴史とはかけ離れている、との批判を受け、事実上の発禁状態になっているディズニー映画『南部の唄』の主題歌です。『スプラッシュマウンテン』の原作

          歴史の勉強って、実はめちゃくちゃ「大ごと」だ

          図書館にある、本を「読んでもらう」以外の役割とは?

          図書館と博物館、共通点は何でしょう? 静かなところ?頭がよくなりそうな雰囲気?意外と多く見つかりそうですね。 ここで、図書館勤務で博物館学芸員の資格を所持しているという立場から、この2つの共通点を述べてみますね。 それはズバリ、資料を保存する役割があるということ。 たとえば、博物館や美術館(美術館も大きなくくりでは「博物館」です)でレプリカが展示されていたり、撮影は可でもフラッシュは禁止だったりしますよね。理由は様々ですが、そのひとつに資料を保護するためというものがあ

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          博物館、美術館の攻略方法

          以前「博物館を最大限に楽しむコツ」という記事を書きましたが、この内容は我ながら正しかったと思います(自画自賛)。 この記事で、持ち物の欄に書いた鉛筆……なんと、本当に使う時がきたのです。 例えば、大きめの博物館や美術館で開催される企画展でしたら、事前にホームページで目録が手に入ることも多いですよね。 ですが、今回の事件は常設展で起こりました。常設展とはいえ、館によっては定期的に展示替えしているところもあるのです。来館者を飽きさせない、親切な行動です。しかし常設展の展示替

          博物館、美術館の攻略方法

          悩みはいっこ解決すれば芋づる式で解決するのかもしれない

          「歴史」「日本史」と聞いて、日本全国を飛び回る華やかな世界を想像する人はまずいないのでは? 「遠征」と聞くと、私はまずジャニオタが思い浮びます。おそらく身近にいるからでしょう。コンサートと聞けば遠方でも申し込み、CDを積み、ジャニショで写真を買ってかわいくファイリングなどしている姿は、とても輝いています。 さて、私はジャニーズ事情にまったく詳しくない歴史オタクです。ただ、全くジャンルが違くても、オタクはオタクというたった一つの共通点だけで仲良くなれてしまうものなのですね。

          悩みはいっこ解決すれば芋づる式で解決するのかもしれない

          まったく自由じゃない自由研究を提出していた件について

          あなたの自由研究は、ちゃんと「自由」でしたか? 夏休みの宿題として定番の自由研究ですが、先生から「自由研究とは何たるか」の説明をきちんと受けた試しがありません。選択肢を持てるほどの経験を積んでいない子どもにとって、まっさらの「自由」って辛いんですよね。困った末に進研ゼミを引っ張り出し、自由研究アイデアコーナーを参考にした(というか、実験の手法まで丸パクリした)人も多いでしょう。何を隠そう、私もその一人です。 ただ残念なことに、私は化学が好きではなかったんですよね。進研ゼミ

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          新卒2ヶ月で退職は間違っていたのか~正社員試験に落ちた話~

          「第二新卒は有利」と聞きますが、実際どうなのでしょうか。 何度か書いているように、私は新卒で就職した会社を2ヶ月で辞め、現在アルバイトとして図書館で働いています。 先日そこの正社員試験を受けましたが、残念無念の不採用でした。 私はいわゆる「第二新卒」です。そんな私が転職に失敗しているのを見ると「やっぱり第二新卒での転職は無理なんだ」と嘆きたくなるかもしれません。 新卒で得た職をすぐに手放してしまったら、お先真っ暗なのでしょうか。 今回はまず、前半部分で面接の経緯と一

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          人の心に残る文章って?

          文章を読んで、じんわりと涙が出てくる体験をしたことはありますか? 小説を読んでいて感動的な場面に出会ったら、もちろん視界が滲むこともあると思います。しかしそれが小説ではなく、普通の文章だとしたら……。 先日「ドナルド・キーン自伝」を読んでいて、まさにこの状態になりました。 (キーン先生のことをよく知らないという方のために、年譜のURLを載せておきますね。https://www.donaldkeene.org/history) この本には、キーン先生の従軍体験や日本での

          人の心に残る文章って?