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「行動」ではなく「目的」を伝える。


嫌がられるリーダーがやってしまうこと

一つのプロジェクトを進めていく、組織として成果を出すためにチームで動いていく。そんな時、とても大切になるのは、チームを引っ張っていく「リーダー」の存在です。

「うまくいっていないなぁ」と感じるチームを調べると、チームメンバーを取りまとめるリーダーに課題があるケースが多く見受けられます。例えば、リーダーとメンバーの関係性はどうなのか?メンバーのチームに対するエンゲージメントはどのような状態なのか?といったことに目を向けていかなければなりません。

さて、メンバーから嫌がられるリーダーの典型の一つには、

「マイクロマネージメントをするリーダー」ということがあげられます。

*マイクロマネージメント:上司が部下の行動、発言等を注意深く監督、干渉し、意思決定権を部下に持たせずに管理していく方法のことです。

これをやると、各メンバーの個性が消えてしまい、言われたことをただやっているだけ、メンバーが「管理されている感」を抱いてしまうのです。
こういったマネジメント方法を続けて行った先に待っているのは、メンバーが仕事のしづらさを感じてしまい、モチベーションが低下する、チームに活力がなくなる、最悪の場合、チームを退くものが増えてくるということまで起きかねません。

もちろん、私はマイクロマネージメントを否定したいわけではありません。そういったやり方が合っているチームも多く存在すると思っております。
大切なのは、チームメンバーにどんなマインドで仕事をしてほしいか?というリーダーの価値観だと思いますので、

「従業員にイキイキと仕事をしてほしい!」
「チームメンバーが活気づいてほしい!」

と考えるリーダーの皆さんは、この先の文章に目を通してみてください。

では、どのようにしていく?

マイクロマネージメントを行うとなると、リーダーからの指示命令系統がかなり一方的になりそうですよね。
「〇〇を■■までにやってください。」
「〇〇を▲▲さんと一緒に進めてください。」
そういった言葉がリーダーの口から出てくることが日常茶飯事な印象です。

では、上記のように指示を出すことがいけないのか?命令をすることがいけないのか?

私は、そうは思いません。やってほしいこと、進めてほしいことを伝える際にも、伝える側ができる工夫はいくらでもあると思うのです。

その具体的な工夫として挙げられるのが、
「行動」ではなく「目的」を伝える ”   です。

プロジェクトメンバーに対して何かをお願いする際、
「何をするか。」ということではなく「何を達成したいか。」を伝えること。

その上で、方法はなんでもOK!というスタンスが大切です。
この場合、プロジェクト、仕事のフィードバックは、目的が達成されたか否か?が重要になります。

もちろん、この指示はある程度力量の見込めるメンバーでなければ難しいというところもありますが、力量が十分にあると感じられたメンバーには「目的」のみを共有して手法は任せるというスタンスを取った方が、メンバーの仕事に対するコミットメント、組織に対するエンゲージメントは大幅に上がります。

まさに、P2M Academy でもよく紹介している、Self-Determination Theory(自己決定理論)でいうところの Autonomy(自律性)ですね!


まだ力量の足りていないメンバーには?

入社して間もない、新卒1年目、転職したばかり、

このようなメンバーは他のメンバーに比べて仕事における経験が少ないこともあります。ゆえにまだ慣れていないことやスキルとして劣る部分は出てきて当然です。

そんなメンバーに対して、「目的」を伝えて「行動」を任せると、、、
プロジェクトに大ゴケして自信を喪失してしまいます。

そこでそのメンバーから上がってくる心の声はこうです。

「何も教えてもらってないのに。」

このようなことを避けるために力量の足りていないメンバーには「行動」の部分を伝えていくことも必要になってきます。

ちょっと待った!

ただし、注意してください。

「行動」だけで伝えることはまずありえません。

必ず、「目的」と「行動」をセットで伝えましょう。

「お客さまにこのように感じてもらうために、こうするといいかもね!」
「次この場所を使う人がこんな想いになると思うから、ここにこれを置いておこうよ!」

そうした伝え方をすることで、「やらされてる感」は全く感じなくなります。
また、「目的から考えて行動する」という思考プロセスをリーダーと一緒に確認できるため、成長の速度も倍になります。

今後は「行動」について何も言及しなくても、
「目的」を伝えることでメンバーが自分で「行動」を探し出せるようになります。

メンバーの力量と状況を踏まえた上で、できるだけ任せる。

具体的な行動だけではなく、具体的な目的・目標を伝えて人を動かせるチーム、組織になれたら、素敵ですね!


まとめ

今回は、メンバーのエンゲージメントが高く、モチベーションが高いチームはどのように形成されていくのか?そのヒントをお伝えいたしました。

単に行動・タスクを伝えるだけではなく、なぜそのタスクを遂行してほしいのか?遂行した先に得られことにはどんなものがあるのか?を伝えていくということが、リーダーのあり方として、重要になってくるかもしれません。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

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