ケルト学のためのオンラインデータベース "CODECS" を使えばケルト神話について調べるのが5000兆倍楽になる

1.CODECSって何だ

今回は便利なサービスの紹介記事です。有料サービスに誘導して裏で報酬をもらうとかはしないのでご安心ください。

ご紹介するのは、"CODECS" というデータベースです(注:英語です)。

これは、ケルト学のためのオンラインデータベースで、一次、二次問わないケルト学関係の膨大な量の文献が集積されています。私も普段お世話になっています。とても便利なので、皆さんにも知ってもらいたいと思いました。

どんなことができるか知るために、とりあえず実例を眺めてみましょう。私が普段やっている、アイルランド神話関係の調べものの仕方を実践形式で説明します。(なおウェールズの神話についても同様に調べられますが、オンラインで公開されているものは少ないようです)


2.物語を探す

アクセスして、右上の検索窓に検索ワードを入れるとデータベース内の項目がヒットします。例として、今回は私が先日翻訳した「エウェルへの求婚」の原題 "Tochmarc Emire" を検索してみましょう。すると直接Tochmarc Emireの個別ページに飛び、以下のように表示されるはずです(もちろん原題でなく英題でも検索にはヒットします)。

スクロールしていくと色々書いてありますが、今回特に知ってもらいたいのは "Primary sources" の項です。ここにリストアップされているのは、この「エウェルへの求婚」を校訂・編集した原文、そしてその翻訳といったものが出版・公開された文献です。この欄の一番上に表示されているのは '[ed.] [tr.] Meyer, Kuno [ed. and tr.], “The oldest version of Tochmarc Emire”, Revue Celtique 11 (1890): 433–457.' ですね(下の画像参照)。

ed.は編集、tr.は翻訳の略ですね。これは、Kuno Meyerが編集と翻訳をして、“The oldest version of Tochmarc Emire”という題名の論文として、Revue Celtiqueという雑誌の第11号(1890年刊)の433ページから457ページに掲載されてます、という書誌情報です。大学で教わりますね(引用するときはこれをそのままコピペすればOKです)。なお、この左の紙と虫眼鏡みたいなアイコンをクリックすると、この文献自体の個別ページに飛びます。

そしてその下の行には、"🌎 CELT – edition: <LINK> 🌎 Internet Archive: <LINK>, <LINK>" とありますね。この<LINK>からは、オンラインで公開されているこの文献を見ることができます。著作権は切れているので無料です。私もとてもお世話になってます。アイルランドの伝承は100年以上前から英訳がされてきたので、英訳ならばかなりの割合で存在します。

なお、ここでリンクが張られているCELT: The Corpus of Electronic Textsというサイトは、アイルランドのコーク大学が運営しているアイルランド・ケルト関係の文献を無料公開しているサイトで、こちらにも大変お世話になっています。これについては過去の記事で少し触れているので、そちらをご参照ください。


3.人物を探す

個別ページがあるのはお話だけでなく、人物ごとにもあります。例えばコンホヴァル (Conchobar mac Nessa) を検索してみると、以下のページに飛びます。

下のタブを "Textual Resources" に切り替えると、コンホヴァルが登場する話がずらりと並んでいます。ここから個別ページに飛んで、さらに利用可能な文献を探すこともできてしまいます。

また、上の方を見ると、関連人物も並んでいます。マウスオーバーするとポップアップが出るので、"See more" のリンクをクリックするとその人物のページに移ります。


4.サイクル

今度は検索欄に "Ulster Cycle" と入力してみましょう。するとアルスターサイクルの個別ページになります。そこに表示される "≡ Texts" というボタンをクリックすると、以下のように表示されるはずです。

これはアルスターサイクルに含まれる話のページの一覧です。"Work in Progress" とあるので、恐らくこれで全てではないでしょうが、主要なものは揃っていると思います。フィアナサイクルも同様に "Finn Cycle" で出ます。神話サイクルは "Category:Mythological Cycle" というタイトルのページになっているようです。「王たちのサイクル」も同様に "Category:Cycles of the Kings" で一覧が出ます。こいつぁすごいぜ!みんなもぜひ使ってくれよな!以上!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

記事を面白いと思っていただけたらサポートをお願いします。サポートしていただいた分だけ私が元気になり、資料購入費用になったり、翻訳・調査・記事の執筆が捗ったりします。

ありがとうございます!
16

戦神の星から

ケルト神話やケルト文化の話をします。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。