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【よみか】映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」 ~蜷川実花・渾身のデカダン・ホラー?

昭和初期に活躍し、日本文学界きっての有名人といっていい太宰治の映画化。妻と愛人二人とドロドロ愛憎劇という設定だけれど、蜷川実花にかかると太宰の世界観がさらにデカダン(耽美的)に描かれ、もはやホラーの領域。

ある意味、期待を裏切らない太宰治観だけど期待を裏切ってほしかったなという思いが強い。
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  (ネタバレあり)
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もともと太宰治は好きじゃないし、彼の著作はひとつも読んでないし(なんと!毛嫌い状態)、それでも見に行ったのは蜷川実花が太宰をどこまでオサイケに描いてくれるかを見たかったのだけれど、その点は期待通りに。とはいえ、そのてんではもっとやってもよかったかなーと。特に太宰の筆が載っているときの描写や、アル中太宰の描写など。

没落貴族の伊豆の女の自宅の描写はさすが蜷川節だった。

ただ、デカダンス(耽美)より、おどろおどろしいホラーっぽさのほうが前面に出てしまうシーンがけっこう多くて(結核で血みどろになっても生きているところとか)、どうせならもっと夢想的な太宰を描いてほしかったかな。この映画に太宰の生涯を忠実に描く必要があったんだろか?

ということでちょっと消化不良な太宰映画だった。

3人の女たちだけど、やはりここでも二階堂ふみ、よかったなー。沢尻エリカも期待したけど、確かによかったけど、二階堂ふみのエロさには勝てない。もっとも、二階堂ふみももっとエロくなってほしかった。太宰が死の淵に引き込まれていくぐらい、エロくて死のにおいに満ちていてほしかった。エロは死の対極にあるものだから。

太宰役の小栗旬はいまいちだったかな。ってか、小栗旬という俳優が嫌いなんだと思った。

「君の膵臓をたべたい」
「響」
「人間失格」

と見てきたけど。

ということで、まあそれほどオススメではないけど、けっこうお客は入ってたなー。

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