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【2/5~2/14】上映作品紹介!〜レストランをめぐる2本立てと、朝/夜には音楽と後悔を〜【あけましておめでとうございます!】

あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします!!!
パルシネマしんこうえんです!!!

「1月は居ない2月は逃げる3月は去る」なんて表現がありますが、1月はnote上に居ませんでした。違うんです。わかりやすくバタバタしていたんです。なにも違わないですね。とにもかくにも、本年もよろしくお願いします!!

1月は新年早々、今泉力哉監督大襲来による、当館初のオールナイト上映満席!なんてこともありました。その頃は、すみません。今泉監督関連の宣伝がどうしても厚くなってしまいましたが、そろそろ普段の上映作品も推さねば!取り急ぎ明後日から始まる新プログラム、ご紹介!


レストランをめぐる2本立て!意外な共通項も!?
『ザ・メニュー』&『デリシュ!』


まずは実話に基づく「レストラン」の誕生秘話。『デリシュ!』

「デリシュ」はフランス語でのおいしい!ですね。
「デリシャス」と同語源だそうで。

あらすじ:フランス革命前夜の18世紀フランス。宮廷料理人マンスロンは、創作料理にジャガイモを使用したことで貴族たちの反感を買い解雇される。そんな彼に料理を習いたいと訪ねてきたルイーズの熱意に負けて料理を教えることになったマンスロンは、失っていた料理への情熱を取り戻していく。

料理にお金を支払って食べにいくという習慣がヨーロッパになかった時代。そして貴族が絶大な力を持っていた時代。そして今以上にたくさんの偏見、固定概念が貴族社会を中心に蔓延っていた時代。そんな時代が背景になりつつ、とても今にも通じる物語になっていますよ!

そしてこの映画はフランス映画。さすがは市民革命の国フランスの映画。「貴族(上流)の驕り」という部分を切り口にしつつ、そこからさらに現代にも通じる女性への視線、食材を含めたさまざまなものへの偏見をひっくり返す。王道ながら確かな作り、そして実在した人々の物語。

フランスという国は、少なくとも映画の中では自らの恥部みたいなものを繰り返し触る姿勢が本当に強かだな!なんて思いを馳せつつ、美味しいそうな料理でお腹を空かせてどうぞ!なんですが。実は”相方”の映画は…!

素敵なレストラン誕生秘話だけではなく、ちょっと怪しいレストランのお話も一緒にどうぞ…。『ザ・メニュー』

えっ!サスペンスなの!?という方も意外と多いかも?

あらすじ:孤島の高級レストランにやってきたあるカップル。麗しい料理の数々にタイラーは感動しきりだったが、マーゴは違和感を覚える。レストランのメニューには想定外のサプライズが様々添えられていたが、やがて裏に隠された秘密や、ミステリアスな料理長の正体が明らかになっていき…。

きました。『ザ・メニュー』。ホラー映画、サスペンス映画好きな界隈では結構話題になっていたんですが、ポスタービジュアルなんかでは意外とどんな内容の映画なのか知らなかった、という方も多いかも?実はサスペンス映画なんです!ちょっとミステリー、ちょっとスリラーの入った。

超最先端の料理を出す、超高級レストラン。そこに招待されたゲストたち。はじめこそこだわりの料理、驚きの演出に喜んでいたが…?というヤツですね。この手映画というのは、中盤から終盤にかけて違和感から大異変の雰囲気作りが重要だと思うのですが、そういう意味で、お見事だったのでは!

直接的に激しい描写、しんどい描写というのが実はほとんどないのですが、まだ何も起きていない段階での落ち着かない雰囲気の作り方や、中盤で起こるある異変の描き方なんかは白眉といって良いかと思います。最後に向けての加速、そしてあのカルト映画なんかを彷彿とさせるラスト。おっかなびっくりご堪能いただければ…。

おまけ この2本立て実は…?

「レストラン」という括りの2本立てですが、実はこの面白い共通項があって。かたや驕り高ぶった貴族から、一般庶民へと食文化を取り戻した映画。そしてかたや時代がくだり、経済社会の発展、SNSの発達、"自由"の拡大によって肥大化した一市民の欲望。

異なる立場でありながらも同じレストランを舞台にして、共通する”醜さ”みたいなものもテーマに入り込んだ2本なのではないかと思っております。かなり雰囲気の違う2本ではありますが、見比べてみるとかなり面白い作品ですよ!


パルシネマは2本立てだけじゃないんだなあ。
朝/夜パル『リンダ リンダ リンダ』&『スワンソング』

届いた知らせは。黒い縁取りがありました。
最後の仕事は喧嘩別れした親友への死化粧!『スワンソング』

ついつい『喝采』を思い浮かべてしまいました。

あらすじ:実在の人物をモデルに描いたロードムービー。かつてヘアメイクドレッサーとして活躍したパットだが、現在は老人ホーム暮らし。そんな彼のもとに届いたのは、元顧客で親友でもあったリタの遺言で、彼女に死化粧を施してほしいというものだった。彼女のもとへ向かう旅の中で、わだかまりを残したまま他界したリタへの複雑な感情、そして自身の過去と現在についてなど、様々な思いを巡らせる。

♩あれは3年前、と思わず続けたくなりますが、実は実在したアーティストをモデルにした物語だそうで。タイトルの意味は、アーティストが最後に残す作品を「スワンソング」と表現するみたいですね。親友、最愛のパートナー、自ら。様々な死と向き合いながらのまさにスワンソング!

予告をみると明るい映画なような。あらすじをきくと暗い映画なような。そんな印象があるかもしれませんが、実際みた印象としてはちょうどその中間。主人公のキャラクターもありかなり明るい雰囲気もありつつ、否応なく目を向けさせられる過去や自らの老いを含めた死。そんな部分もありつつ。

それらをつなぐ実は音楽映画でもあるのが面白い。死を笑い飛ばすでもなく、重く見つめるでもなく。徐々に歩み寄っていく。そのパートナーとしての音楽、ファッション、それらを包み込む美意識。なんとも読後感の良い物語を半分朝パル、半分夜パルにもってきましたのでよろしければ!

「和製カウリスマキ」こと山下敦弘監督による青春ムービー!
『リンダ リンダ リンダ』!

素敵。素敵なんだよこの映画は。

あらすじ:とある地方都市の女子高校生たちの高校生活最後の夏を描く青春群像劇。バンドからギタリストが脱け、3日後に迫る文化祭で何を演奏するか困った響子、恵、望の3人は、オリジナル曲を断念。ブルーハーツのコピーをすることに決めて、韓国人留学生ソンをバンドに引き入れて練習を開始するが…。

これまたきました山下敦弘監督!先日の「今泉力哉オールナイト」ではまさかの初監督作『どんてん生活』を今泉監督のおすすめ作品として上映しましたが、今回は青春女子高生映画だ!随所に「らしさ」をちりばめつつ、青春映画らしい、眩しさ、そしてすこし切なさなんかも漂う傑作ですよ…!

主演の4人の描き分け、使い方はもちろんなのですが、脇役やなんならほぼワンシーンしか使われないような人物にまでしっかりと血が通って見えるのは、まさに山下メソッドなんて呼んでも良いのでは!?このあたりなんかは「和製カウリスマキ」なんて呼ばれることもある所以でもあるかも。

単純な話のようで、ちょっとした出会いの順序、物語が動き出すきっかけみたいな部分のさり気ない「巧さ」がちりばめられた映画でもあります。役者さんたちの魅力、そして山下敦弘監督の魅力が堪能できる1本です!こちらも半分朝パル/半分夜パルでお願いいたします!


以上4本でお届けする次回ラインナップ。よろしくお願いします!
また新たなラインナップ、イベントもまもなくお知らせできそうなので、またこのnote上などでお知らせもできればと思います!

それでは劇場で、お待ちしております!


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