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恋人/夫/妻の「そんなことないよ」に腹が立つ・落ち込む精神障害の人々

オリジナル記事掲載日:2020年5月11日

精神障害
(主に境界性パーソナリティ障害)
を患っている方のパートナーさんから
ご相談を受けることが多々あります。

大体みなさん、知らないうちに
「そんなことないよ」で
相手の心に負担を
かけているんですよね。

* * *

「元々は明るくて
優しい人だったのに、
急に激怒する人に
なってしまったんです」

「元はすごく
穏やかな人なんですが、
何かのきっかけで
異常なまでに怒るんです」


という話を

めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ

よく聞きます。

一人じゃないです。
めっちゃよく聞きます。

「うーん、たぶん、相手の話を
何かしら否定しているので、
そのストレスが溜まって
爆発するんだと思うのですが」

「いえ、相手の話を
否定なんてしていません」

「自分なんて死んだ方が
いいと思うとか、
どうせみんな
自分から離れていくとか、
そういう言葉に対して
『そんなことないよ』
って言ってません?」

「言ってます。
『そんなことないよ、
私はあなたに生きて
そばにいてほしいよ』
って言ってます」

「それが『否定』ですね」

「えっ!?」

みたいな会話を、もう
何回も何回も
繰り返してきました。

そうなんです。
あなたの愛の言葉を、
相手は『否定』として
心に蓄積するんです。

これ、境界性パーソナリティ障害の
方だけじゃなくて、
他の精神障害の方でも聞きます。

* * *

たとえば、精神障害の
当事者さんが
何かやらかした時。

当「こんなに怒る自分のこと、
もう嫌いになったでしょ」

「そんなことないよ、
いつもの優しいあなたが
私は大好きだよ」

(良い時の自分しか
好きじゃないんだ。
ダメな時の自分は
受け入れてくれないんだ…)


って自己否定に
変換しちゃうんですよね。

上記の例はまだ
「自覚がある」からマシな方で、
知らないうちに相手の言葉を
「自覚なし」で
悪く受け取る方もいます。

「僕なんて
死んだ方がいいって
みんな思ってる」
 ↓
「そんなことないよ。
私は生きていてほしいよ
 ↓
「ありがとう…」
(この人は、
僕のつらい気持ちを
受け止めてくれない)

みたいな感じで。

* * *

精神障害を持つ
当事者さんが求めているのは、
基本的に
「気持ちを受け止めてもらう」
「気持ちに共感してもらう」

ことです。

「愛してる」とか
「ずっとそばにいる」とかは
二の次なんですね。

しかも、そういう言葉を
信じられないんですよ。
永遠の愛がほしいけど、
永遠の愛が信じられないの。

今までさんざん傷ついてきたから。

「自分は愛されない人間だ」
「自分は嫌われて当然だ」

って思い込んじゃってるから。

だからね、
あなたの“優しい”面の皮を
はがしてやろうと思って
「試し行為(行動)」を
するんですよね。

「ここまでやったら
嫌いになるだろう!」
「ここまでやったら離れるよな!
どうだ! どうせお前も
他の奴と一緒だろう!!」

って、エスカレートしていく訳です。

試し行動については別の記事で
詳しく書いているので、
そちらをご覧ください。
 ↓

さて、じゃあそんな困った
当事者さんに返せる
「そんなことないよ」
以外の言葉は何かというと。

「あなたは〇〇って
思ったんだね」


です。以上。

「自分なんか死ねばいい」
 ↓
「死ねばいいって
思っちゃうんだね…」

みたいな感じ。

そんな風に言われると
悲しいとか
生きててほしいよとか
あなたの感情は
その後に言ってください。

まず相手の心を受け止める。

* * *

この時NGなのが

・嘘で同調すること
・相手の言葉に張り合うこと


です。

「その気持ちわかるよ」とか
嘘で言わないでください。
バレます。

「自分も〇〇ってひどいことがあって
死にたいって思ったことあるよ」
とか張り合わないでください。

「ウルセーーーーーーーー!!!!」

「じゃあおめえ風邪薬大量に飲んで
死にかけたことあんのかよ!!!」

「おめえ死にたくて
号泣しながら
手首切ったことあんのかよ!!」


ってなっちゃいます。

本気で死のうとした人以外は
軽々しく
「私も死のうと思ったことあるよ」
なんて言っちゃダメなんですよ。

だったらもうハッキリ
「死にたい気持ちは全然わからない」
って言った方がいい。

わたしは実際、友人に言われた
「死にたい気持ちは
全然わからないけど、
今あなたはそう思うくらい
すごく苦しいんだね」
っていう言葉で
安心できたことがあります。

* * *

なんで精神障害当事者さんが
わたしのところへ
カウンセリングを受けに来るかというと、

わたしが
「マジで病気だった」
「マジで手首切った」
「マジで死にかけた」
からだと思うんですね。

でもわたしなんて所詮
赤の他人ですから、
わたしがどれだけ同調しても
結局「夫の同調」
「彼女の同調」などには
かなわん訳です。

カウンセラーさんに
同調してもらえるのもいいけど、
やっぱり一番欲しいのは
身近な人間の同調・共感なんですよね。

ということで、
精神障害に苦しむパートナーを
どうにか支えていきたい方は
「嘘」とか「張り合い」ナシで
相手の気持ちを受け止めて
あげてください。

「あなたはそう思うんだ」って。

「そんなことないよ」は禁句です。

ごきげんよう、さようなら。

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