過去ってうざい

過去ってうざい。
最近昔を振り返っても、いい思い出がなかなか思い出せない。
良い思い出が無いはずはない。楽しかったこと嬉しかった体験は
これまでいくらかしてきたはずなのに、いざ思い返すと、
嫌だったこと、苛立ったこと、恥ずかしいことが真っ先に出てきて、そのことで頭がいっぱいになる。たいていそんなときは、「あ゛ぁ゛っ!うざい!」と言って(周りに人がいたら、心の中で言って)考えを振り払っている。
やはり嫌な思い出ほど記憶に残ってしまうのだろうか。
「過去」のうざいところは身近に感じるものなのに、絶対に触れられないというところだ。バイト先で先輩に言われた的外れの罵倒には
今でも新鮮にイラつけるのに、そのときのその瞬間の彼を今となってはぶん殴ることも、論破し直すことも、もう出来ないのである。
嫌だった体験は、簡単に思い出せるのに改変ができない。
透明で非常に頑丈な窓ガラスの向こう側から煽られているようなものだ。イラついても煽ってくるやつらにこちらからは何もできない。
仮にそれからその先輩と話し合って、仲直りし、月日が経って今ではとても仲良くなっていたとしても、それと関係なく当時の罵倒を思い出せば一瞬でも簡単にムカつけてしまうのだ。
だから過去はうざい。
逆に良い体験を思い出した場合、
「あれは良い体験だったなぁ」としみじみ思ったとしても、良い体験をしている最中に比べて、そこまで幸福感があるわけではない。
良い思い出というのは良い思いをしている最中がピークだ。
過去は幸福をそんなにもたらさない。
もちろんこれは極論だが、こういった側面が「過去」にはある。
私が過去をうざいと思う理由をつらつらと述べても何にもならないが
過去ってうざいという話だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?