未熟であるがゆえの美しさ - 雪の結晶パン
世間はどこもかしこもクリスマス一色。
お菓子作り界隈は当然のことながら、パン作り界隈でもみなさんクリスマスにちなんだパンを作っていらっしゃるよう。せっかくなので私もとネットを物色していて見つけたのが「雪の結晶パン」。
初めて知りました、こんなパンがあること。見た目からクリスマスっぽいのがウケが良さそうなので、今回はこいつを作ってみることにした。
レシピを調べていた時からなんとなく感じていたことがあったのだけれど、実際に目の前にしてみたら改めて強く感じたことがあった。
それはパン作りの工程のちょうど半ばごろ、パン生地を仕上がりの形に整える「成形」という段階に差しかかった時。
"このパン、この状態の時が一番美しいな"
白い生地とその合間に顔をのぞかせている色付きの生地とのコントラスト、エッジのシャープさ。焼いてしまうと、1枚目の画像のようにそのコントラストは薄まり、全体的にふんわりした締まりのない形になってしまう。パンだから当たり前だけど。
もちろんこの段階ではパンとして食べられるわけではなくて、パンとしての完成形はちゃんと焼き上がってこそだけれども、「造形」としての美しさはこの段階が一番だなあ、と思わずほれぼれしてしまった。
これ、人間だって同じだよね。
歳を重ねて成熟した人間が何事においても優れていて、若造よりもえらい、なんてことはない。
「お肌のハリ」なら20代後半?
「油が乗っている」のは30代後半から40代後半?
「無謀なチャレンジ」がほめられるのは20代から30代?
年齢で一律に区切るのはどうかとは思うものの、人生のステージごとに、その時期だからこその輝き方が明らかに存在する。人生のステージではなく物事への習熟度でも同じことがいえる。
それを、まだ未熟だからと認めることを放棄したり、評価しなかったりするのはとてももったいないことだなと思う。
余計な先入観や固定観念を持たずに、そこにあるがままを受け入れて評価できること、それが大事なんだなと、クリスマスのパン作りを通して改めて認識するなんて、ひょっとしてこれはサンタクロースからのプレゼントだったのかな。
※できあがったパンは、中にはさみこんだシナモンシュガーがアクセントになってとてもおいしいと、皆さんにほめていただきました。ありがたや。
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