人生を意識的に変える方法_

人生を意識的に変える方法 ~自分の望んだ人生を歩むために必要なこと~

はじめに

 本書を手に取ってくれてありがとうございます。あなたは、少なからず人生を意識的に変えたいと思っている。或いは、人生を意識的に変えられるなら方法を知りたいと思っているのだと思います。

 いま世界には様々な自己啓発本があります。代表的なもので言えばナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』やジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』などが有名です。それぞれに理論があり、実践することで人生がより良くなる方法を紹介しています。

 これらの本はベストセラーになりました。しかし実際に読んだ人の全てが上手くいった訳ではありません。もしそうなっていたら、世界は全員お金持ちになっていると思います。しかし、そんなことにはなりませんでした。

 同じように『意図的に思考する』というアプローチの本があります。エスター・ヒックス 、 ジェリー・ヒックスの『引き寄せの法則』や、それを紹介したロンダ・バーンの『ザ・シークレット』などです。

 引き寄せの法則に書いてあることも多くの人が実践し、実際に体験し、夢が叶った、思考が現実化した、という反響がありました。逆に、全く引き寄せられなかった、引き寄せの法則はインチキだ、宗教だ、といった批判的な意見も多数あります。

私は17年間にわたり小説を書いており、その執筆活動の取材において、このような様々な本を読み、実際に実践し、それを論理的に考察してきました。

 その考察の中で、私はある共通点があることに気づきました。

どの本でも、実践して上手くいく人、上手くいかない人がいます。

ある種の事柄に関しては上手くいくが、同じような方法をしているのに、全く上手くいかないことがありました。
 実際に私が体験した具体的な例をあげます。

 私は『引き寄せの法則』や『思考は現実化する』で紹介されている方法を実践していました。意図的に思考をするという方法です。これは多くの自己啓発本でも同じことが書かれていました。

 自分の望みをかき出し、それを毎日声に出して読む。目を閉じて自分が望んだ状態になっているのを具体的に想像する、このような方法です。

 私は、自分の望みを書き出し、実際にそうなった時のことを毎日想像しました。小説を書くくらいなので想像することは好きです。私は思考したことが現実化するのか、わくわくしている状態でした。
 私が望んだ状態として書き出したのは以下のような項目でした。

・妻との関係が改善されること
・10キロ痩せること。健康になること。
・1戸建てに住むこと。
・仕事のストレスがなくなること。
・家族との時間が増えること。
・自分の時間が増えること。
・小説が書けること。

 このような内容でした。逆に言えば、当時は妻との関係があまり良くない状態で、太っていて、賃貸暮らしで、仕事のストレスがあり、家族との時間も自分の時間もなく、小説も書けていませんでした。今見ると非常に悲しい状態ですね。

 項目を書き出すと、次に想像をしました、これはイメージトレーニングと同じです。スポーツの世界では常識と言われるほど取り入れられている方法です。

イチロー選手もダイビングキャッチや多くのスーパープレイを何度もイメージトレーニングしていたといいます。

水泳選手がイルカになって泳ぐのを毎日想像したらタイムが上がったなど、イメージトレーニングの効果が身体に影響を与えることは広く認知されています。

私はスポーツ選手がイメージトレーニングをするように、妻や子供たち、家族の笑顔を思い浮かべ、自分の中の幸せのイメージを具体的に想像しました。

痩せて健康な自分のイメージをおこない。1戸建てに住んでいるイメージをし、さらに仕事の量が減り、家族との時間が増えているイメージをしました。それを毎日、具体的になるように繰り返しました。

 私は日記をつけていたので、より具体的にするために、未来のストーリーを日記で書き始めました。この方法は私のオリジナルです。
 
 一人称の主観で、私は小説の主人公のように、自分の未来を書き出しました。書き出すと、それを覚えているうちにイメージしました。さっきストーリーとして書いているので想像するのは非常に簡単でした。文章に起こしたものを想像するという方法であれば、イメージが実にスムーズにいきました。

 結果だけ言いますと、この方法によって私は1年という期間で多くの事が現実化しました。現在は一戸建てに住み、妻との関係も改善し、子供たちとの時間も増え、自分の時間もしっかりと取ることができ、さらに10キロ痩せて、小説もほぼ書きあがり、ストレスのない仕事をしています。しかし、これだけの事が起こっても、私には疑問が残っていました。いつものように客観的に自分の身に起こったことを分析し、論理的に考察してみました。

 なぜ上手くいくことがあり、いかないことがあるのか。

 私は多くのことを実現しました。しかし逆に多くのことは実現しませんでした。例えば宝くじです。

 私は自分の望みが現実化するのに、特に経済的なことが現実化するためには、お金が入ってくるのが一番手っ取り早い、それなら宝くじに当たれば早い、と望んでいました。

 誰でも思いつくことですよね。思考が現実化するなら、誰もが実践すると思います。
 私は多くの人と同じように、宝くじに当たった瞬間を思い描き、具体的に想像し、実際に当たったときのように感激している自分をありありと思い浮かべることができました。

 しかし、それは現実化しませんでした。私は客観的に見て、論理的に考えて疑問が沸きました。やっていることは同じです。

一戸建てに住んでいるイメージをしたのと、宝くじに当たるイメージをしたのは、全く同じ方法です。しかし、片方はおよそ半年で現実化したのに、宝くじは一ミリも現実化しませんでした。

 なぜでしょうか。
私は理由が知りたい、仕組みが知りたいと強くそう思いました。

実際に現実化したということは、現実化したイメージと現実化しなかったイメージには、何か違いがあるはずです。

引き寄せの法則を実践しても上手くいく人といかない人がいる。それは沢山の自己啓発本に書かれている方法でもアファメーショでも、イメージトレーニングでも同じです。上手くいく人といかない人がいます。または上手くいく項目といかない項目があります。

 この違いはなんでしょうか。

 私はこの疑問に立ち向かうために自分に起こったことを徹底的に考察しました。何か気づいていないことがあるはずです。本の中で説明されていないピースがあるはずです。

上手くいくことがある、多くの人が成功しているということは、その実践方法に本質的なことが書かれているということです。しかしその成功には条件があります。

上手くいかない人には『上手くいかない理由がある』ということです。私はその『上手くいかない理由』を探るべく、考察を繰り返しました。

 結論から申し上げますと、私はその『上手くいかない理由』を発見しました。それが本書で解説される『人生を意識的に変える方法』です。

 考え方を変えれば人生が変わる。

 私が発見した真実は非常にシンプルなものでした。しかしこの真実には大きな落とし穴がありました。それは『引き寄せの法則』や『思考は現実化する』でもしっかりと説明されていない重要なピースでした。

 本書は、その仕組みの解説をおこなう解説編と、その仕組みを解説したうえでの、実践編に分かれております。


解説編 第一章
 思考はなぜ現実化したのか

 私の人生は思考することによって好転していきました。なぜ思考は現実化したのでしょうか。

思考とは思い考えることです。私は理想の自分の人生を具体的に考えることを行いました。最初に行ったのはそれだけです。

私はビジネスを思いついたわけでもなければ、宝くじの1等を引き当てたわけでもありません。ただ思考しただけです。

 思考した後に何が起こったのか。それは沢山のきっかけでした。それが私の元にやってきました。もう一度、私が何を思考したのかを見てみましょう。

・妻との関係が改善されること
・10キロ痩せること。健康になること。
・1戸建てに住むこと。
・仕事のストレスがなくなること。
・家族との時間が増えること。
・自分の時間が増えること。
・小説が書けること。

 私はこのような状態をそれぞれ具体的に想像し、「こうなりたい」ではなく「こうなっている」と思えるように想像しました。理想的な状態になっていく自分のストーリーを書くことによって、実際に体験と言えるレベルまでイメージすることができました。

私は未来の理想の生活を台本に書き、それを頭の中で演じ体験していました。自分が体験しているように意識してイメージを行いました。

 一戸建てに住んでいるイメージを行うときは、仕事から帰ってくることから想像し、玄関に入り、リビングを思い描き、キッチンで夕食を作っている妻の姿を思い浮かべました。

 2階にあがり、寝室にカバンを置き、着替える。お風呂が沸いていて子供たちが先に入っている。そこに合流して楽しくお風呂に入る。風呂から上がってみんなで食卓を囲む。

 まずこのような文章を書き、それを具体的にイメージしていきました。初めから具体的に台本を書けたわけではありません。毎日台本を更新し、より具体的なイメージを構築していきました。

イメージしていると細部が明確になっていき、次の日はより明確に台本を修正することができました。そして現在、イメージした通りの家に住んでいます。イメージした通りの毎日が起きています。

何が起こったのでしょうか。どのような仕組みで思考は現実化したのでしょうか。

・思考が現実になるプロセスとは

 思考が現実になると聞くとどうイメージするでしょうか。意図的に思考した次の日に願いが叶っていた。そう考える人も多いはずです。しかしそんなことは勿論ありません。

思考が現実化するという事は、ドラえもんの『もしもボックス』のようなものではありません。思考が現実化するには現実化するまでのプロセスがあります。私が思考してから現実化するまでに起こった、そのプロセスを紹介しましょう。

 一戸建てを購入するまでのプロセス

 先ほど紹介したように、私は具体的に一戸建てに住んでいるイメージを行いました。その後何が起こったのでしょうか。その時の状況をもう少し詳しくお伝えします。

私は当時、ドライブ中に見つけた、ここは住みたいと思っている場所がすでにありました。大阪から始まり石垣島、香川県、愛知県、そして沖縄本島(那覇)と色々な場所に住んできましたが、ここに永住したいと思える場所は初めてでした。

 しかしその場所は人気が出ていて土地が高騰し、すでに私の収入では土地を購入して一戸建てを建てることは難しいように思っていました。

しかし意図的に思考すること。一戸建てを具体的に思考することで、その考え方が変化していきました。きっかけは不動産会社のチラシでした。

 私が住みたいと思っていたその場所に、建売住宅の完成見学会が開催されるという、不動産屋のチラシが入っていました。

それは具体的に思考してから1週間くらいのことだったと思います。完成見学会に行き、実際に物件を見て驚きました。イメージしていた家とほぼ同じだったからです。玄関に入るところからイメージしていましたが、そのイメージに非常に近い玄関でした。

 私は家を見て回っている最中に、すでにここに住むだろうな、と思っていました。まだローンの審査も降りていなければ契約もしていない段階でした。実際に担当者からは収入がギリギリでかなり厳しいと言われました。

 しかし結果的にローンの審査は降りて、完成していたこともあり、購入は非常にスムーズに行き、3ヵ月後にはすでに私たちは、その家に引っ越していました。
 意図的に一戸建てに住むこと思考をしてから3か月後のことでした。

・考え方を変える何か

 きっかけは不動産屋のチラシでした。私は沢山の意図的な思考によって、思考を現実化してきましたが、思考したあとに、かならずきっかけになる『考え方を変えるなにか』を見つけていました。私はこれをファクターと呼んでいます。日本語にすると要素です。それは様々なきっかけです。人生を変える要素です。
それは人であったり、物であったり情報であったりしました。景色や芸術作品、音楽やライブイベントだったこともあります。

 視力回復を思考したときは、次の日に視力回復を特集するテレビ番組がやっていました。10キロ痩せた自分をイメージしたら、無理のない断食や腸内改善の梅流しの方法などの記事を見かけました。
 それらのきっかけになることを選択し実行することによって、私の思考は現実になりました。それはいつも同じプロセスでした。

① 意図的に思考する。
② ファクターを見つける。
③ ファクターを認識する。選択する。
④ ファクターをきっかけに行動する
⑤ 思考が現実になる。

 いつもこのプロセスです。例外はありませんでした。ファクターはいつも私の考え方を望んだ未来になるための考え方に変えてくれるものでした。

 不動産屋のチラシを見た私は「憧れの場所に住めるかもしれない」と諦めていた考え方が変化しました。実際に見学会に行き「ここに住みたい」と考え方がさらに変化していき、ローンの審査を申し込んでいる段階では「絶対に大丈夫、住める」と考えていました。

 視力回復も同じです。視力回復を特集する番組を見て「この方法ならできるかもしれない」と考え方が変化しました。そしてその方法を実行することで「視力が回復する」と考え方が変化していきました。

断食の記事も同じです。記事を読んで「これはダイエットにいい」と直感的に思い実行しました。腸内のゴミを掃除することで一気に痩せ、その後も体調がよくなって、運動や食事制限をスムーズに行えました。結果的に私は2か月もかからずに10キロ痩せることに成功しました。

このようにファクターによっていつも考え方が変化していました。自分の望みを思考し、その望んだ自分になるための考え方に変わるためのファクター(要素)を見つけ、それを実行することで、自分の望んだ自分の考え方に変わっていきました。

それは思考が現実になるときに必ず変わっていました。私は思考が現実化するとき、必ず考え方が変わっているという事実を発見しました。そしてその結論を持って過去を振り返ってみました。

私の人生が劇的に変わったときも同じでした。私の人生がその前後で大きく変化していくとき、必ず考え方が変化していました。

人生が変わるとき考え方が変わっていました。

・思考が現実化するプロセス
① 思考が現実化するとき、望んだ考え方になる為に必要な『考え方を変える何か』を見つける。
② 『考え方を変える何か』を受け入れると考え方が変わる。
③ 考え方が変わると選択が変わる。
④ 選択が変わると行動が変わる。
⑤ 行動が変わると人生が変わる。
⑥ 人生が変わるとき、必ず考え方が変わっている。

意図的に思考し、人生が変わるとき、必ず考え方が変わっていました。ファクターによって考え方が変わるきっかけがあり、それを受け入れる(選択する)ことによって考え方が完全に変化しました。

一戸建てに住んでいなかった私の考え方と、一戸建てに住んでいる私の考え方は違います。望んだ思考が達成されたとき、考え方が『一戸建てに住んでいる』に変化しました。これは私がイメージしていた、台本の中の私の考え方でした。


解説編 第二章
 考え方が変われば人生は変わる

 人生が変わるとき、必ず考え方が変わっている。本当にそうでしょうか。一般的な例をあげて見てみましょう。

① 結婚して人生が変わった。
② 子供が生まれて人生が変わった。
③ 転校して人生が変わった。
④ 旅行に行って人生が変わった。
⑤ 職場が変わって人生が変わった。
⑥ ある本に出会って人生が変わった。
⑦ ある映画を見て人生が変わった。

 これらは全て決定的な事が起きています。結婚や出産、転校、旅行、転職など人生の転機となる一般的な出来事です。しかし、逆に考えてみてください。結婚しても出産しても人生がそれほど変わらない人もいます。生活に変化がない人もいます。転校しても、環境があまり変わらない人がいます。旅行に行っても何も変わらない人は多いですよね。

 本や映画はより顕著です。人生が変わるようなことのほうが稀です。では本や映画を見て人生が変わった人と、変わらなかった人の違いは何でしょうか。

 答えはもう出ていますよね。そうです。考え方です。考え方が変化しました。自分の人生が変わった時のことを思い出してみてください。その時に考え方が変わっていないでしょうか。

 私は子供ができて、その後の人生が180度変わりました。
 それまでの私は自分のことを最優先にしていました。私は誰にも必要とされていないのではないか、という考え方を常に持っていました。

しかし、子供が生まれると、その考え方が一変します。その小さな掌を見た瞬間に、考え方が全て変わりました。

「私がいないとこいつは死んでしまう。私はこの子に100%必要とされている」

 誰にも必要とされていないのではないか、その考え方が消え去りました。私たちが助けないと何もできない長男を見て、一瞬で考え方が変わりました。

 そして、私の人生は変わりました。子供が産まれ、考え方が変わったことによって、自分の為ではなく、家族を優先して考えるようになりました。

考え方が変わると選択がかわります。選択が変わると行動も変わります。

子供の時間に合わせて睡眠をとり、子供と妻、家族の為に仕事を選択してきました。子供ができることによって基準が変わりました。価値観が変わりました。固定観念が変わりました。考え方が変わり人生が変わりました。 

 しかし子供が出来ても考え方が変わらない人もいます。それが悪いと言っているわけではありません。

考え方が変わると人生は大きく変わる、考え方が変わらないと変わらない。その事実だけを伝えたいのです。

・考え方が変わらないと人生は変わらない。

考え方が変わらなければ人生は変わらない。本当にそうでしょうか。それを検証していきましょう。

多くの自己啓発本が『まず行動せよ』と言っています。よく目にする言葉ですよね。考える前に行動しなさい。そう言っている人は多くいます。それを否定はしません。実際に行動して考え方が変わることも多いです。

私は旅がそうでした。一人旅に出て、人生が変わりました。考え方が大きく変わりました。重要なのは行動して考え方が変わるかどうかです。考え方が変わらなければ、人生は変わりません。顕著な例はダイエットです。

 ダイエットは『痩せる』から『痩せられた』に考え方が変わることで達成されます。しかし『痩せられない』『私は痩せにくい』『運動してもすぐに食べて太る』こういった考え方を持っていたらどうでしょうか。この考えのままダイエットを始めたらどうでしょうか。

 想像はできますよね。行動してもどうなるか誰でも予測できます。体重計に乗って「ほら、やっぱり痩せてない。やるだけ無駄なんだ」と言っている姿が想像できます。これでは人生は変わりません。

「ダイエットするぞ」と行動し「この方法なら痩せられる」と考え方が変わるのであれば『まず行動せよ』という言葉は正解のように思います。行動することで考え方が変わりました。

しかしダイエットを始めても「こんなことしても痩せるわけがない」と考え方が変わらなければどうでしょうか。そんな考え方ではダイエットは続きませんよね。

 重要なのは考え方が変わるかどうかです。これはあらゆることに当てはまります。英会話を始めても「私は英語が喋れない、覚えられない」と考え方が変わらなければ上達しません。

「この方法なら喋れるかもしれない、これを続ければ喋れるようになりそうだ」と考え方が変われば、いずれ喋れるようになります。

当然のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、真理や本質とは常に当然のことの中にあります。

 ダイエットに成功してもまた考え方が変われば元の体重に戻ってしまいます。これをリバウンドと言います。

リバウンドの仕組みも同じです。せっかく痩せたのに、考え方が変化することによってリバウンドが現実になります。痩せる仕組みと、リバウンドの仕組みを合わせて見てみましょう。

痩せる仕組み
① 痩せたいと望み。痩せた自分をイメージする。
② ダイエット方法(ファクター)を見つける。
③ ダイエット方法を実行する。
④ 痩せる。

 沢山のダイエット方法がありますが方法が違うだけでプロセスは同じです。このような順序で痩せることができます。このとき考え方はどう変わっていったのでしょうか。

① 痩せている自分をイメージした。
② ランニングと運動、食事制限が思い浮かんだ。「それなら出来る」と考え方が変わった。
③ 運動と食事制限を続ける。「イケるぞ。痩せられるぞ」と考え方が変わった。
④ 実際に目標の体重にまで痩せた。「痩せた」という考え方に変わった。

 思い浮かんだ『運動と食事制限』がファクターです。『考え方を変える何か』ですね。いけそうだな、と思うから実践しようとなります。

テレビ番組やダイエット方法を紹介する雑誌など、イメージをすると、その方法がファクターとして思い浮かんだり、目についたりします。その中からダイエット方法を選択し実行しました。

それを続けていくうちに「痩せられるかな」という考え方が「絶対に痩せられるぞ」に変化していきました。そして目標に達成することによって「痩せた」に考え方が変化しました。

思考が現実になりました。これが『思考が現実になる仕組み』です。全てこのプロセスで現実になります。リバウンドのプロセスも同じように見てみましょう。

リバウンドの仕組み
リバウンドも考え方の変化です。
「痩せたけど、また食べたら太るだろうな」「運動しないと太るだろうな」「運動を継続するのは難しいな」「痩せたらリバウンドするよな」

痩せた後に、このような考え方を持っている人は多いのではないでしょうか。
思考したのと同じように、この考え方になるためのファクターを見つけます。

① 『ダイエットに成功してもリバウンドする』と思考する。
② その思考を達成するためのファクターが目につく。(例:ハイカロリーな食事、飲み会や外食、運動を継続しないなど)「これをしたらリバウンドしてしまうな」と考え方が変わる。
③ ファクターを選択し実行する。「確実にリバウンドするな。太るな」と考え方が変わる。
④ 体重が元に戻る。「ダイエットに成功してもリバウンドする」という思考が現実になった。

 全く同じプロセスです。仕組みは一緒です。しかし『ダイエットに成功した思考』と『リバウンドした思考』には決定的な違いがあります。

・意識していない思考もファクターを見つける。

「リバウンドしよう」と意図的に思考したわけではありませんよね。しかし同じプロセス、同じ仕組みで思考が現実になりました。このことが非常に重要な事実です。

 思考が現実化するプロセスは意識して思考したことだけに当てはまるわけではありません。私たちが普段から意識しないで行っている思考にも同じように働きます。同じように思考が現実化しています。

 意識していない思考がある、ということは無意識という言葉が常用化していることからも、誰もが認識していることだと思います。

そもそも人は意図して思考するということを普段していません。多くの人は意図的に思考せず、無意識に思考をしています。

ここもポイントです。意図して思考をしていないとき、思考をしていない訳ではないのです。つまり私たちの脳の中に、意思を通さずに思考をしている存在がいます。

 そう言われるとちょっと怖いですね。しかし事実です。その意思を通さずに思考をしている存在は、私たちの意思と同じように思考を現実化しています。

 意識していない思考でも、思考が現実化するプロセスは同じです。意識したときと同じように人生を変えるファクターを無意識に見つけています。
 
『引き寄せの法則』や『思考が現実化する』が最も説明不足だと思うのが、この部分です。多くの人が「今の状況を引き寄せているのは、あなたの考え方や思考だ」というと、そんなことはあり得ないと反発します。私もそうでした。

 私は妻との関係があまりよくないときに「妻との関係が悪くなるかもしれない、離婚するかもしれない」と自分から意識して考えていた訳ではありませんでした。

ですから「そんなことは思考していない」と反発しました。しかし、今ならわかります。私は「妻との関係が悪くなるかもしれない」と意識せずに考えていました。
 
私は自分でそう考えていることを認識していませんでした。自覚していませんでした。しかし意識せずに思考していました。『認識していない場所』で思考していました。

『認識していない場所』とはどこでしょうか。私たちは何を認識していないのでしょうか。


解説編 第三章
 認識していない場所

 結論から言ってしまうと『認識していない場所』とは潜在意識のことです。潜在意識とは心理学の用語です。辞書で調べてみましょう。

せん ざいいしき 【潜在意識】
自覚されることなく、行動や考え方に影響を与える意識。心の奥深い層にひそんだ意識。weblio参照

 辞書に書かれている通りです。私たちは自覚することなく行動や考え方に影響を与える意識を持っています。

意識していないもう一人の自分がいるようなものです。自覚されることなく思考する『認識していない場所』にいる意識です。無意識とも呼ばれます。

意識しないでついついしてしまう事はこの潜在意識が原因と言われています。私は考察を繰り返していくうちにある考えが浮かびました。
それは『潜在意識と呼ばれるものが、固定観念と強く結びついている』ということです。
 
・潜在意識と固定観念

私たちは普段、意図して意識していません。無意識に思考しています。私は妻との関係が悪かったころ、無意識に「妻との関係が悪くなるかもしれない、離婚するかもしれない」と考えていました。意図して考えていたわけではありません。意図せず、意識せず、そう考えていました。こういったことは一般的によくありますよね。

・無意識に昨日のことを思い出していた。
・無意識に晩御飯の献立を考えていた。
・無意識に仕事のことを考えていた。

 あげればきりがありません。何故なら普段、我々は無意識に思考しているからです。意図して思考するほうが圧倒的に少ないのです。

つまり日常のほとんどを私たちは潜在意識に預けています。これが認識していない場所いるもう一人のわたしです。ではなぜその潜在意識と固定観念が結びつくのでしょうか。

 潜在意識は意識を通さずに思考しています。ダイエットのリバウンドの例を思い出してください。リバウンドするかもしれないと意識せずに思考していましたよね。では潜在意識は何を思考しているのでしょうか。先ほどの私の例で考えてみましょう。

 私は「妻との関係が悪くなるかもしれない」と無意識に思考していました。この『妻との関係が悪くなるかもしれない』とは何でしょうか。これは思考ですよね。ではこの思考の前にはなにがあるでしょうか。文章を遡ってみましょう。

「出張が続き子供の運動会にも出られなかった、仕事ばかりで妻と話す機会もない、このままでは妻との関係が悪くなるかもしれない、最悪の場合は離婚になるかもしれない。仕事が忙しくてすれ違い、会話がなくなり離婚するというのはよく聞く話だ」

 私の当時の考えを全て書き出すとこうなります。面白いですね。原因となっている考え方が顔を出しました。

「仕事が忙しくてすれ違い、会話がなくなり離婚するというのはよく聞く話だ」

これです。これが妻との関係が悪くなるかもしれない、という思考の原因になっている考え方です。

 もうお分かりですね。これが固定観念です。

『仕事が忙しくてすれ違い、会話がなくなると離婚する』という考え方が固定されています。潜在意識はこの固定観念を元にして「妻との関係が悪くなるかもしれない、離婚するかもしれない」と自動で思考していました。

つまり固定観念を元に潜在意識が思考をしていたのです。

・潜在意識が固定観念を思考している
 
潜在意識とは自動運転システムのようなものです。意識しなくても、目的地まで私たちを運んでくれます。では固定観念はなんでしょうか。

それはナビシステムです。

自動運転システムがどこに向かうのかを設定しています。固定された考え方をもとに潜在意識が思考し、自動で人生を進めています。ではその目的地を決める固定観念はどのようにして作られるのでしょうか。

・固定観念はどのようにして出来るのか。

・ゴミをゴミ箱に捨てる。
・家族で食事を一緒に食べる。
・朝起きて夜眠る。
・残さず食べる。
・毎日お風呂に入る。
・毎日歯を磨く。
・朝昼晩、三食食べる。

 この記述の前に『普通は』や最後に『それが常識』と足してみてください。

・普通はゴミをゴミ箱に捨てる。
・普通は家族で食事を一緒に食べる。
・普通は朝起きて夜眠る。
・普通は残さず食べる。
・毎日お風呂に入る、それが常識。
・毎日歯を磨く、それが常識。
・朝昼晩、三食食べる、それが常識。

 どうでしょうか。当てはまるものもあれば、当てはまらないものもありませんか。普通や常識と言われているものがいかに人によって違うのかが、お分かりいただけると思います。

これらは全て固定観念です。そうである人もそうでない人もいます。人は誰でも固定観念を持っています。それを総合して価値観と言います。

 潜在意識は固定観念を知らず知らずのうちに思考しています。つまり意識しないで実行していることには必ず固定観念があります。

ゴミをゴミ箱に捨てるというのが固定観念になっている人は、意識しなくても自然にゴミ箱を探します「ゴミをゴミ箱に捨てなくちゃ」と意識しているわけではありませんよね。

 毎日お風呂に入るのも「毎日お風呂にはいらなきゃ」と意識して入っているわけではありません。しかし、毎日お風呂に入るという考え方が固定されていることによって、それは潜在意識によって思考されます。意識しなくてもお風呂に入ります。

私たちは毎日、固定された考え方を思考し続けています。潜在意識が思考して毎日を進めています。

ではどのようにして考え方は固定されたのでしょうか。これはスポーツの練習を例にすると非常にわかりやすいです。

 スポーツの世界では、潜在意識に刷り込む、意識しなくてもできるようになる為に、何度も同じ練習を行います。

 何度も何度も同じ動きをするうちに、それを意識しなくても出来るようになります。ダンスがいい例ですね。同じ振り付けを何度も踊ることによって振り付けを考えなくても実行できるようになります。

フィギュアスケートの選手も、4回転などの大技を何度も何度も練習します。複雑な動きを身体に覚えさせるために何度も練習します。どのように体を動かせば4回転して着地することができるのか。その考え方、体の動かし方が潜在意識に刷り込まれ、身体が動きます。

 同じことは沢山ありますよね。例えば算数の授業で習った九九です。私たちは何度も何度も九九を暗唱します。全部言えるまで合格できません。

 九九も潜在意識に考え方を刷り込ませています。自転車に乗ることや何度も繰り返し歌った歌も忘れません。昨日の晩御飯をすぐに忘れてしまうのに、30年前に小学校でならった歌を今でも歌えます。

躾も同じですね。何度も何度も「ゴミをゴミ箱に捨てる」と言われてその考え方が潜在意識に刷り込まれ、意識しなくてもできるようになります。

 つまり固定観念とは潜在意識に刷り込まれた考え方です。そして潜在意識は意識を通さずに固定観念を思考しています。

 重要なことは、その潜在意識の思考もファクター、つまり『考え方を変える何か』を見つけ自動で実行しているということです。

 私が意図的に思考して、人生が変わるファクターを見つけたのと全く同じことが、この固定された考え方、潜在意識に刷り込まれた考え方によって日々実行されています。

 ここで問題です。あなたの固定観念はなんですか?

 こう聞かれてすぐに答えられるでしょうか。私は答えられません。自分がどんな固定観念を持っているのか把握していません。今もそうです。私は問題の原因となる自分の固定観念を探すのに苦労しています。人は固定観念を認識していません。何故かというと、固定観念を固定させた出来事を忘れるからです。

 子供の頃に親や先生、環境によって多くの固定観念があなたの潜在意識に刷り込まれています。

潜在意識に刷り込まれることで固定観念は記憶されますが、その潜在意識に刷り込まれた出来事やプロセスの多くは記憶されていないのです。

勿論それを覚えていることもあります。九九の練習や歌などはいつ覚えたのか、いつ潜在意識に刷り込まれたのか覚えています。しかし割合で言いますと、ほとんどの固定観念を私たちは認識していません。

 この忘れるという誰もが当たり前に持っている脳の機能によって、自分が何を自動で思考しているかわからない、と言った状況が起きています。

普段何となく行っていること、何となく選択し行動していることはありませんか? 

スーパーに行ったら考えなくてもお酒のコーナーに向かいませんか? 
コンビニに行ったら意識せずに買っているものはありませんか? 

そこには必ず潜在意識と固定観念があります。そして考え方を固定したことを忘れ、意識していないことで「どうして私はいつもこうなんだ」と人は悩んでいます。

 この意識していない思考が、思考は現実化するや、引き寄せの法則、あらゆる自己啓発本に足らないピースです。多くの誤解を生んでいる不足している説明です。

 そして人生を意識的に変える方法にとっても、もっとも重要なピースです。この意識していな思考、つまり潜在意識と固定観念があらゆる問題を生んでいます。

逆に言えば人間関係、親との確執や職場の環境、いじめや貧困、格差まで、ほとんどの問題は潜在意識を認識し固定観念を発見することで解決することができます。

何故なら潜在意識は制御することができるからです。正確に言えば固定観念は手放すこともできるし、作り変えることもできます。新しく作ることもできます。

つまり潜在意識の自動運転システムの行き先は制御することができます。

仕組みは非常にシンプルです。
 あなたの人生を作っているのは潜在意識と今あなたが認識している自己、この2つです。2つあります。まずはこの事実を知ってください。

全く同じことが書かれている心理学の本があります。ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』という本です。

心理学も同じ答えにたどり着いています。同じ事実が書かれていました。本質的なことは同じです。誰もが同じ仕組みで人生を進めています。自動運転システムは同じです。あとはそれを制御できるかどうかです。

解説編 第四章
 潜在意識と固定観念の作用

あなたを形成しているのは、意識している思考と、固定観念を元に思考する潜在意識の2つがあります。

そして非常に重要な事実なのですが、潜在意識は思考しているだけではありません。
潜在意識は体を動かしています。

わかりやすいように例をあげましょう。

私は幼少の頃から床をドンドンと鳴らさない。飛び跳ねたり走ったりしない、と何度も注意され『床をドンドンしてはいけない』という強い固定観念がありました。

子供ができ、幼少の頃と同じようにアパートで生活することになりました。子供は床をドンドンと鳴らします。すると意識を通り越して頭に血が上ります「ドンドンするな!」と私は気づいたら叫んでいました。

わたしは本心では子供を怒りたくはありません。意識して意図して「ドンドンするな!」と形相を変えて叫ぼうと思ったわけではありませんでした。
しかし、私は子供が床をドンドンと鳴らした瞬間に、意識せずに叫んでいました。

これが潜在意識と固定観念の作用です。意識しないで潜在意識が身体を動かしました。重要なことは本心では床をドンドンしてもそれほど怒る事ではない、と思っていることです。

 固定観念に本心が同調しているのならわかります。しかし私はそこまで怒るほどのことではないと思っています。しかし身体は意識しないで動き、私は怒鳴りました。

 もう一つ例を出しましょう。

 ある主婦の女性は子供が夜になっても寝ないことに悩んでいました。悩んでいたのは子供が寝ないことではなく、自分が豹変してしまうことでした。ある時間になっても子供が寝ようとしないと、普段の自分では考えられないほど乱暴な口調になります。

イライラし、子供が寝ないとそのイライラが収まりません。旦那もそこまで怒らなくてもいい、どうしたの? と聞いてきます。自分でもよくわかりません。子供が寝ないと感情が抑えられなくなり、叫んでしまいます。制御ができません。

 この女性と私のドンドンは、全く同じプロセスです。親にドンドンしないと何度も注意され、それが固定観念になり、その固定観念が達成されないことにストレスがありました。

なんとしても達成しようと潜在意識が働きました。これは固定観念に支配されるような感覚です。

 女性も子供の頃にこの時間に子供は寝る、と強く注意されてきたのではないでしょうか。その固定観念が達成されないことでイライラし、それを達成しようと潜在意識が身体を支配します。

 女性も同じですよね。本心では怒りたくない、そこまで怒るほどのことではないと思っています。だから豹変してしまう自分に悩んでいました。

本心と潜在意識の2つがある。潜在意識も本心と同じように身体を動かすことができる。この事実が非常に重要です。

 そしてこの固定観念と本心は相反することがあります。本心では全く望んでいないことを達成しようと行動することがよくあります。

 私も例に挙げた女性も、子供に叫びたい、怒鳴りたいと思っていません。しかし実際にとった行動は本心とは相反する動きでした。

 この2つの自分、意識していないもう一人の自分がいる、その自分は身体を支配することがある。この事実を伝えたいのです。この事実を知らないことによって、多くの人が悩んでいます。

「なぜ私はこんなことをしてしまった」
「なぜ、私は大事なところでいつも失敗する」
「どうして私は怒りたくもないのに怒ってしまうのだろう」
「どうして私は殴りたくないのに手が出てしまうのか」
「どうして私は食べたくないのに食べてしまうのか」

 よくある悩みですよね。私も同じ悩みを持っていました。長男にそうしたくないのにきつく当たる自分がいました。すぐに手が出てしまいます。本心ではそんなことはしたくないと思っていました。そこには『長男はこういうものだ』『長男に対する父親の態度とはこういうものだ』という強い固定観念がありました。

 食べたくないのに食べてしまう。これも同じ悩みがありました。『残さず食べなさい』という何度も植え付けられた固定観念が、私を支配し突き動かします。

お腹が満腹でも皿に食べ物が残っていると食べずにはいられません。子供の食べ残しが気になります。本心ではラップをして冷蔵庫に入れればいいと思っています。食べる必要はありません。太るだけです。

・『潜在意識』も『意識』も私である

 この例文には同じ共通点があります。すべてに『私は』がつきます。つまり潜在意識がおこなった行動も私(自己)として認識しているということです。

 この潜在意識がしている行動と、本心の自分を一緒にして自己として認識していること。このことに多くの人がストレスを抱えています。

 望んでいない人生が繰り返し形成されているのも同じプロセスです。

「ストレスのない仕事などない」
 こういった固定観念を持っている人は多いと思います。しかし本心はどうでしょうか。
「ストレスのない仕事がしたい」そう思いますよね。ストレスのある仕事が大好き、という人も世の中にはいるかもしれませんが、多くの人はストレスのない仕事がしたいと望んでいます。

 ストレスのない仕事などない。この固定観念も潜在意識によって思考され、現実化するように働きます。ストレスのない仕事などない、という固定観念は

①「ストレスのない仕事などない」と意識せずに思考され。
② ストレスのある仕事や状況をファクターとして見つけます。
③ あなたはストレスのある仕事を自動で実行します。
④ ストレスのない仕事などない、という思考が現実になります。

 
思考が現実化するプロセスはいつも同じです。

 重要なのは、本心では「ストレスのない仕事がしたい」と望んでいるということです。
 そして「ストレスのない仕事がしたい」という本心と「ストレスのない仕事などない」という固定観念が相反しています。

 人生が上手くいかないプロセスはこのような仕組みになっています。
 ストレスのない仕事を思考し望んだとしても「ストレスのない仕事などない」という固定観念を実現するために、潜在意識がブレーキを踏んでいます。

 潜在意識が目標や思考、望みにブレーキを踏んでいます。固定観念が強ければ強いほど、そのブレーキは強いように思います。

 ブレーキを踏んでいるのは、あなたの潜在意識です。本心とは別の場所で思考し、意識しないで常に実行されています。思い出してください。潜在意識は体を動かしているのです。

 では、どうすればいいのでしょうか。潜在意識が身体を支配するのを、本心は指をくわえて見ていなければならないのでしょうか。

 安心してください。そんなことはありません。仕組みを知ればしっかりと対処することができます。潜在意識が身体を動かすのに、どう対処していいかわからないのは、その仕組みを理解していないからです。

 仕組みさえわかれば対処することができます。

 子供が倒れていて意識がないと普通はパニックになりますが、もし看護師の資格を持っていて、知識があり、どのように対処すればいいのかがわかっていればどうでしょうか。しっかりと対処することができますよね。

 大事なのは仕組みを理解し、どう対処すればいいかわかっていることです。私が今まで説明していたのは仕組みの部分です。それをまずまとめましょう。

固定観念と潜在意識の作用 まとめ
・自己には2つの思考する意識がある。
・意識(本心)と潜在意識(無意識)
・潜在意識は固定観念を元に思考している。
・固定観念は潜在意識に刷り込まれた考え方。
・潜在意識は身体を支配する。意識しないで体を動かす。
・潜在意識は意識を通さずに固定観念を元に行動している。
・潜在意識が思考すると、意識した時と同じようにファクターを見つける。
・潜在意識がファクターを選択し自動で実行している。
・本心と潜在意識は相違することがある。本心で思っていないことを思考し実行する。
・多くの固定観念が、本心の望みにブレーキを踏んでいる。

 私がこのことに気づいてから、引き寄せの法則で上手くいくこと、いかないことの差がよくわかるようになりました。

 宝くじが当たることを引き寄せの法則で、達成しようとしましたが、1000円や2000円は当たりましたが、10億円は当たりませんでした。これも理由がわかりますよね。

 宝くじは当たらない。10億円は当たらない。雷が頭に当たるよりも確率が低い。当たった人を見たことがない。こういった強い固定観念があります。これを覆すのは簡単ではありません。

 私がどれだけ当たった瞬間を思考し、具体的にイメージしてもそれは達成されませんでした。

私は全力でアクセルを全開にしましたが、そのアクセル全開よりも強いブレーキを踏んでいたということです。
 
滑稽ですが、事実です。多くの人がアクセルとブレーキを同時に踏んでいます。正確に言えば本心でアクセルを踏んで潜在意識がブレーキを踏んでいます。

 結婚したいと望み、婚活を積極的にしているのに「この歳では結婚できない」「まともな恋愛ができる歳じゃない」「私にぴったりの人など現れない」と固定観念を持っている人が多いように思います。

 アクセルを踏みながら、ブレーキも踏んでいます。結婚したくてもできない人は、本心の望んだ思考(アクセル)よりも固定観念を元にした潜在意識の思考(ブレーキ)のほうがより強いように思います。

 引き寄せの法則の、お金がないお金がない、と言っている人はお金がない。というのも固定観念をしっかりと理解していると、シンプルに仕組みがわかります。

 お金がない、というのは固定観念です。お金がないという固定観念を元に潜在意識が、日々それを達成するためにファクターを見つけます。お金がないという考え方になるように、物事や状況や人を見つけ選択し、自動で実行します。思考が現実になり、お金がない状態になります。

 この見えない思考、意識できない思考が、あなたの人生を作っています。

 ここで人生を意識的に変える方法の本質を思い出してみてください。随分違って見えるはずです。

考え方が変われば人生は変わる。

 どうでしょうか。本心の考えと、固定観念という潜在意識に刷り込まれた考え方。私たちは2つの考え方を常に持っています。

この2つの考え方を変えなければ人生は変わらないということです。

 本心の考え方を変えても、それに反する固定観念があれば、潜在意識がブレーキを踏みます。いくら意図的に思考しても、強い固定観念があると、それが邪魔をして上手くいきません。

 マインドが大事だという自己啓発本、意図的に思考すれば望みを引き寄せることができるという引き寄せの法則。思考は現実化するといったナポレオン・ヒル。それを実践しても上手くいく人といかない人がいる。その理由は潜在意識と固定観念にありました。

 私も同じでした。引き寄せの法則を読んで、様々な問題が解決することを思考しました。

妻や家族との関係は同じ方法で劇的に改善しました。しかし経済的な状況が劇的に改善するようなことはありませんでした。

 引き寄せの法則を論理的に考察し、この固定観念と潜在意識の作用を見つけるまで、私はその違いがわかりませんでした。

 なぜ、家族との関係を改善する思考は達成され、なぜ経済的な解放という思考は1年たっても達成されないのか。その違いがわかりませんでした。

 全ての原因は、私の中にありました。私が意識できない領域にある固定観念にありました。
固定観念を元に潜在意識がブレーキ踏んでいるか、踏んでいないか。たったそれだけのシンプルな理由だったのです。

 そしてそれは、日本の首相でも、アメリカ大統領でも、どんな有名人でも同じという事です。誰でも同じです。普遍的な作用です。固定観念と潜在意識の仕組みは、全ての人が同じように当てはまります。

解説編 第五章
 潜在意識が日常を支配している

 潜在意識は常に思考している。こう聞いて「そんなことはあり得ない」と反射的に思う人も多いはずです。まるで自分以外の別の生き物が頭の中に住んでいるようにすら思えます。

 思考しているのは意識できている『私』だけである、そう思っている人が大半のように思います。しかし本当にそうでしょうか。常にあなたは意識して思考しているでしょうか。

思考とはなにか。それは読んで字のごとく『頭の中で思い、考えること』です。
意識しないで思考している一般的な例を紹介しましょう。

 道を歩いていると、何処からかカレーの匂いがします。あなたはカレーが食べたいなと思いました。

 日常的な状況ですよね。この『このカレーが食べたいな』は思考です。『カレーを食べる』という考えを思っています。
 この『カレーが食べたいな』という思考は意識したでしょうか。していませんよね。

 このように日常的に意識しないであなたは思考しています。気づいたら思考していると言ってもいいほど、人は常に思考しています。

 もう一つ例をあげましょう。

 とても可愛い女の子が転校してきました。私は彼女の姿を一目見てから、彼女のことを考えずにはいられません。気づくと彼女のことばかり考えています。

 文章を客観的に見ればわかりますよね。恋をしている私は、意識せず彼女のことを考えています。彼女のことを考えずにはいられない、気づくと彼女のことばかり考えている。

 このように人は意識せずに思考しています。歩くときに『右足を前に出して、左足を引く、左足を出して右足を引く』と頭で考えていないのと同じです。

 思考もプログラムされ、素敵な女性や男性を見たら、それぞれの価値観、つまり固定観念を元に自動で思考しています。

自分が一日の中で意識的に思考している時間はどれだけあるでしょうか。朝起きて意識せずに顔を洗い、歯を磨き、朝食を食べ、シャワーを浴び、髪型を整え、着替える。トイレに行き、仕事に向かう。

 この中で意識して思考したことがあるでしょうか。職場についたら昨日の仕事の続きを自然に思考していないでしょうか。気づいたら仕事のことを考えていることはないでしょうか。気づいたら好きな異性のことばかりを考えていることはないでしょうか。
 
そうなんです。1日を通して意識せず思考している時間のほうが圧倒的に多いのです。意識して意図的に思考するという動作のほうが少ないんですね。日常は固定観念に支配されているといっても過言ではありません。

 意識していない思考は固定観念が作っています。固定観念とは潜在意識に刷り込まれた考え方でしたよね。私はカレーが好き、カレーは美味しい。こういった考えが潜在意識に刷り込まれ固定されています。

 意識していない思考が変化していく様子も、このカレーを食べたいな、という思考になったプロセスを見れば、意識して思考したときと同じであることがわかります。
 時間を少し巻き戻して見てみましょう。

私はお腹がすいてきました。何を食べようか自然と考えていました。その時どこからかカレーの匂いがしてきました。私はカレーを食べようと思いました。

『カレーを食べたいな』これもカレーの匂いを嗅ぐというファクターによって、今日は何を食べようかという思考が、カレーを食べようという思考に変化しています。そして、どの思考も意識していません。

 このように思考というのは常に発生し変化し続けています。この日常的な一幕にもこれだけの思考の変化が起こっています。プロセスは全て同じです。

①思考する。
②思考が変化するファクターを見つける。
③思考が変化する。

 思考することによって思考を達成するためのファクターを見つけ、そのファクターによって思考が変化する。

 日常はこの連続です。意識していないだけで、思考が現実化するプロセスは常に働いています。

 思考は必ず変化しているわけではありません。むしろ変化が見えないことのほうが多いです。
 ?(はてなマーク)がつきますよね。急に何を言い出すんだと思うかもしれません。

 先ほどの例は全て変化するときの例でした。しかし意識しない思考は同じような毎日を過ごすとき、もちろん同じような思考を自然にし、同じようなファクターを引き寄せ、ほとんど変化することがないんです。

 プロセスは全く同じです

①歯を磨くことを自動で思考する。
②歯を磨くのを達成するためのファクターは揃っている。(考えは変化しない)
③歯を磨いて、思考が達成される。

 変化のない日常の思考のプロセスはこのようになっています。

 思考し、思考を達成するファクターを選択し、思考が達成される。このプロセスは同じです。しかし思考したのが現在の自分の固定観念と同じ、つまり変化のない思考も多くあります。

朝起きて歯を磨く。潜在意識に刷り込まれた『朝起きたら歯を磨く』という思考を達成するために潜在意識は体を動かします。

歯を磨くのに必要な要素は揃っているので、ファクターは必要ありません。つまり変化するための物も状況も揃っています。朝起きたら歯を磨くためのファクターは維持されています。だから変化が起きていないように見えます。

 この場合はファクターが非常にわかりにくい、つまり意識的に認識しづらいと言えます。
 小難しい話に聞こえるかもしれませんが、何が言いたいかと言うと、思考のプロセスは変化がないときにも作用しているということです。

 この思考のプロセスは変化がないときにも作用しているということを知っておくことが重要です。自分の望んだ人生にブレーキを踏んでいる固定観念を探すときに、一番厄介な存在だからです。

・変化のない日常は固定観念による思考によって出来ている

 潜在意識と固定観念によって日常が支配されている、といっても大袈裟な話ではないというのがお分かりいただけたと思います。

 私たちは潜在意識と固定観念がなければ生きていけません。毎日意識的に「さあ顔を洗うぞ、次は歯磨きだ」と意識的に思考しなければならないとしたら大変ですよね。

 潜在意識が固定観念を実行することによって、私たちは様々なことを自動化しています。潜在意識がなければ車の運転すらできないでしょう。自転車にも乗れません。歌も覚えられませんし、本を書くことも難しいと思います。

しかしこの潜在意識と固定観念の作用を知らないことで多くの問題が起きているのも事実です。

前章でも述べたように、本心とは全く別の行動を潜在意識は取るからです。それには忘れるという脳の機能が深く関わっています。

潜在意識に刷り込まれた情報は何年経っても機能し続けるのに、私たちはその機能し続ける固定観念を潜在意識にインプットしたことを忘れてしまうのです。
そして日常は何故固定したのかを忘れてしまった多くの考え方に支配されています。

あなたの置かれている状況が見えてきたのではないでしょうか。

 人は1日の大半を意識せず思考し、その意識しない思考によって見つけたファクターを選択し、自動で行動しています。前述した通り、ファクターはすでに揃っているとそれを維持するだけなので変化も見えません。

 多くの人が今の状況や環境は自分の思考の結果だ、というと反発します。しかしどうでしょうか。見え方が変わってきたのではないでしょうか。

反発する理由もお分かりいただけたと思います。意識していない思考、潜在意識による思考。それを認識していないからです。

いかに意識しないで思考しているか、それを認識することが大事です。私たちはほとんど意識して思考していません。

意識して思考していないとき、潜在意識が固定観念を思考しています。

この仕組みを理解することが重要です。仕組みを理解すれば対処できます。

望んだ人生にブレーキを踏んでいるのは潜在意識でした。そして潜在意識が日常を支配しています。

 あなたは自分の人生を知らず知らずのうちに潜在意識に預けています。人生の自動運転システムに乗って暮らしています。

自動運転システムは意識しなくても自動で思考してくれます。思考し行動してくれます。

大事なことは人生の自動運転システムに乗っていることをまず知ること、そして人生の自動運転システムがどのような仕組みなのかを知ること。ここまではもう問題ありませんよね。

そして人生の自動運転システムを制御することです。

 私たちは人生の自動運転システムがなければ生きていけません。しかし仕組みを知っていれば制御することができます。制御することができれば、より自分の望みを叶えるために味方につけることができます。

 その方法が『人生を意識的に変える方法』です。

 解説編はここまでです。どうでしょうか。潜在意識と固定観念の仕組み、人生を変えるには2つの考え方を変えること。それを理解していただけたと思います。

 実践編では『人生を意識的に変える方法』を具体的に紹介していきます。


実践編 第六章
 イライラしている固定観念を見つける

 人生を意識的に変えるには、意識していない思考を生み出す固定観念を認識する必要があります。前述した通り、固定観念は私たちが意図して潜在意識に刷り込ませたものよりも、教育や環境によって刷り込まれた考え方、つまり認識していない固定観念が多くあります。

 固定観念が日常を支配しているのに、私たちはその固定観念を潜在意識に刷り込ませたのを忘れています。その固定観念を持っているということを認識していません。この認識していないという事実があらゆる問題を引き起こしています。

妻や子供との衝突や職場での上司や同僚との衝突。他人の行動に対するイライラ。居心地の悪さ。これらの原因は固定観念にあります。

それらの原因を認識していないからこそ、それが継続します。考え方を変えない限り、達成するのに必要なファクターを潜在意識が見つけ、自動で実行し続けています。

ではどう対処すればいいのか。簡単ですよね。認識すればいいんです。自分の日常を作っている固定観念、望んだ自分の思考にブレーキを踏んでいる固定観念を知ること。これが重要なステップです。

 しかし固定観念は数えきれないほどあります。あなたが生きてきた中でインプットしたあらゆる考えが固定されています。そこには揺るぎない固定観念もあれば、すぐに変化してしまうような考え方まで様々です。

 それを一つ一つ確認していては非効率ですよね。もちろんそんな必要はありません。もっと確実な方法があります。自分にとって有害な固定観念を探すことがまず重要です。そこで役立つのがイライラです。

イライラするということはイライラを発生させている何らかの原因、つまり固定観念があります。

いつもの手順ですね。まずは仕組みを知ることです。イライラの仕組みを知りましょう。イライラとはなんでしょうか。

イライラの仕組み

 誰でもイライラすることはありますよね。日常的に人はイライラします。しかしイライラの原因やその仕組みを理解している人は少ないと思います。

 結論だけ先に言ってしまうと固定観念の意識しない思考がイライラの原因です。

 今までの例にいくつもありますよね。子供が寝ないと豹変してしまう女性や、私の子供が床をドンドンとすると怒鳴ってしまうことです。

 潜在意識は固定観念を思考します。意識しないで思考しています。意識して思考したときと同じようにそれは働きます。つまりファクターを見つけ、達成しようとする力が発生します。

イライラするプロセスとはどういったものでしょうか。例を挙げて考察してみましょう。

・子供が床をドンドンするとイライラする。

 私の『床をドンドンしてはいけない』という固定観念は、普段は誰も床をドンドンとしないことで達成されています。

しかし子供が床を鳴らすことで、その固定観念が達成されていない状態になります。固定観念の思考が達成されるように力が発生します。その力は思考が達成されるために必要な要素を見つけ実行します。

 私は子供に「ドンドンしない!」と怒鳴ります。子供はドンドンするのを止め、固定観念の思考は達成されました。

 このようなプロセスで、固定観念の思考は達成されます。ではイライラはどこで発生したのでしょうか。

『思考が達成されるために必要な要素を見つけます』ここですよね。このタイミングです。
 
固定観念を達成するために『子供を怒鳴るとドンドンするのをやめる』という思考が選択されます。そして自動でそれを実行しました。

子供を怒鳴るにはストレスが必要です。脳は怒鳴る為に必要なストレス物質を出します。そして私は無意識に怒鳴ります。怒鳴ることで『床をどんどんとしてはいけない』という固定観念が達成され、私の状態は元に戻りました。
 
原因は何でしょうか。子供たちでしょうか。表面的にはそう見えますよね。子供たちがトリガーになっています。しかし真の原因は自分の固定観念にありました。

私が伝えたいのはこの事実です。多くの人がストレスの原因が対象や環境にあると思っています。

 私もうそうでした。原因は床を鳴らす子供だと思っていました。自分がイライラするときのことを思い出して見てください。その原因が自分の思考、自分の中の固定観念の思考にあると思うでしょうか。

「イライラするな。いい加減にしろよ、あいつら」このように思わないでしょうか。そう思いますよね。私もそうでした。しかし、ここで考え方を変えることで人生が劇的に変わります。イライラしない考え方を身につければ人生を良い方向に進めることができます。

 イライラの原因は環境や対象(床を鳴らす子供)ではなく自分の固定観念にある。

 私はこの事実を発見することで、その後の日常が劇的に良くなっていきました。私がこの本で達成したいと思っていることはそれです。考え方を変えることで人生を良い方向に転換してほしいと思っています。

 イライラする原因が固定観念にあるということ、その仕組みを理解すれば、そこに焦点を当てることが出来ます。

今まで原因だと思っていた対象が変わります。あなたはイライラするときに、反射的に対象に焦点を向けていると思います。しかし仕組みを知ることで考え方を変えるチャンスが生まれます。
 
 私はイライラを発見するたびに「イライラしている原因の固定観念はなんだろうか」と考えるようにしています。意識的にそれを行っています。逆に意識していないと、状況や対象に対して意識が向きます。

プログラムされた固定観念がいつも通り、自動で対象に注意を向けます。意識してそのプロセスにブレーキを踏まない限り勝手に達成まで動こうとします。思考も行動も自動で進行します。その実行速度は非常に早いです。反射的です。

 私は子供が床をドンドンと鳴らすと反射的に怒鳴っていました。この『子供が床をドンドンと鳴らすと怒鳴る』というプロセスも何度も行うことで固定された考え方になっているからです。

 ダンスの振り付けと同じです。音楽が鳴ると歌詞が思い浮かぶのと同じです。何度も何度も繰り返すと、意識しなくても身体が勝手に反応しますよね。

 『床をドンドンと鳴らしてはいけない』という固定観念が、床を鳴らすと体をイライラさせ、子供を怒鳴る。

それを繰り返すことで『子供が床を鳴らすと怒鳴る、すると子供は黙る』という考え方が固定され、あらたな固定観念が潜在意識に刷り込まれます。

 このようにして固定観念が意識しない場所で増えていきます。この『意識しない場所で増えていく』ということが重要です。なぜなら意識することでブレーキを踏むことができます。さらにいうと別の考え方に意識的に変えることができます。

 イライラをセンサーにして固定観念を発見する。

 これがどのような行動なのかがお分かりいただけたかと思います。イライラをセンサーにして固定観念を発見するという事は『ストレスを出す原因である固定観念を探す方法』です。

 これを繰り返すことでイライラすることが必然的に減っていきます。ストレスを出す原因である固定観念を発見し、それを手放すことで日常からストレスが消えていきます。

実践編 第七章
 ステップ1 自分の望みを明確にする

 人生を意識的に変える方法は至ってシンプルです。

人生を意識的に変える方法
① 自分の望みを明確にする。
② その望みを邪魔している、望みにブレーキを踏んでいる固定観念を見つける。
③ 見つけた固定観念を手放す。
④ 別の固定観念に置き換える。

この4つだけです。どこかで見覚えがありますよね。はじめに私が行った意図的に思考するという方法に似ています。

① 自分の望みを書きだす。
② その望んでいる状態をイメージする。

 この二つでした。

『意図的に思考する』という方法は、④の『別の固定観念に置き換える』と同じことです。つまり①と④です。②と③が抜けています。多くの自己啓発本で抜けているのは②と③です。

意図的な思考をしても上手くいかない原因は②と③にあります。その違いはブレーキを踏んでいる固定観念を認識しているかどうかです。

 多くの自己啓発本でも、読んで実践しても上手くいく人といかない人がいます。その原因は固定観念にあります。

・望みを明確にする

 自分が何を望んでいるのかを明確にすること。これは『人生を意識的に変える方法』でも全く同じです。それが明確でなければ基準がありません。自分がどういった人生を歩みたいかを明確にする必要があります。

 あなたがどういった人生に変えたいのか。どういった人生を望むのか。それがまず重要です。それによって全ての答えが決まります。それをまず明確にしましょう。

 実践としては簡単です。私が行った方法もその一つです。望みを書きだすことです。
 私の望む基準を参考までに紹介します。

・楽しいこと、嬉しいこと、癒されること、気持ちがいいこと、幸せなこと、落ち着くこと

 これを基準に具体的なことを思い浮かべていきます。

 私の場合はそのほとんどが家族に集約していました。家族と調和していること、妻や子供たちと仲が良く、一緒に遊んだり、食事をしたりお風呂に入ったりすること。みんなが幸せなこと、みんなが落ち着いて安心して暮らしていること。それが私の望みでした。

 その他にも、健康であることや自分のやりたいこと、興味があることをしていること、時間に余裕があること、金銭的に余裕があることなどです。

 それをさらに細分化していくと、望みが明確になっていきます。自分が望んでいる人生が明確になっていきます。

 この望むときに大事なのは「でも~だから無理だな、できないな」という否定的な感情を排除することです。出来る出来ない、可能不可能、常識非常識などは排除してください。

 仕事をしていない状態で金銭的に余裕がある→そんなことは不可能だから考えないし望まない。

この『そんなことは不可能だ』が固定観念です。望みを考えることにすらブレーキを踏んでいる状態です。

 お分かりかと思いますが、出来ない、不可能、非常識も固定観念です。これは強力なブレーキとなってあなたに作用し続けています。最初にまずこのブレーキを外すことが重要になってきます。

 意識的にブレーキを外してみてください。それには練習がいります。固定された考え方が反射的にブレーキを踏みます。意識的にブレーキをそっと離してみましょう。望みを書きだすだけです。出来ない、不可能、非常識を外して書きだしてみてください。

「そりゃあ、可能なのであれば、仕事はしたくないし、遊んで暮らしたい。じゃぶじゃぶ金を使って世界中を旅したい、美味しいものを毎日食べたいし、健康でいたい。モテたいし、歳をとりたくない。老けたくない」

 でも不可能じゃん、と反射的に思ってしまいますよね。しかし、ここで諦めたら試合終了です。

私の具体的なコツとしては、一つ一つをしっかりと書きだすことです。先ほどのように「健康もお金も時間も」とまとめて考えてしまうとハードルが高く見えますが、一つ一つを書きだし、まとめて考えないで処理していきます。

一番初めの『仕事をしないこと』この仕事をしないで生活できるとはどういった望みなのでしょうか。

自分の望んでいる状態を想像することが重要です。何故なら自分の望みであるにも関わらずしっかりと認識していないこと、つまり固定観念に任せていることが多いからです。

 仕事をしたくない、というのは現在している仕事、抱えている仕事が単純に面倒でしんどいのでしたくない、という意味なのか。働くというのをしないという意味なのか。

 私の場合は『仕事をしない』というのは、自分が望んでいない仕事をしない、という意味でした。

決してお金を稼ぐことを否定しいるわけではありません。自分の興味のあること、自分が望むこと、本を書くことや、アフィリエイトなど、自分の興味のあることでお金を稼げるのであれば、それが仕事(責任が発生すること)であったとしてもいい、と思っていました。

 毎日パチンコに行って、やりたいことが何もなく、時間とお金を持て余している。この状態も『仕事をしないこと』に当てはまりますが、同じ仕事をしないことでも、望んでいる状況が全く違います。

 仕事をしたくない、といった感情が今の仕事の反発からくるだけの望みであれば、仕事の内容が自分の望んでいることや得意なこと、人から評価されることであれば良いのかを自分に確認してみてください。

 本当に一日中なにもしない、お金を稼ぐ行為はしたくない、と望んでいる人は意外と少ないと思います。それよりも充実や社会との関係、必要とされていること、人から評価されていること、などを望んでいる人が圧倒的に多いように思います。

その望みが仕事をすることによって満たされていることを自分で認識していない、というのが仕事を辞めた後に思う人が多いです。

 以前の職場でシルバー人材センターのかたを多く雇用していたのですが定年退職したあとも何でもいいので『働きたい』という人が多くおられました。

人に必要とされること、社会の中で自分が必要とされていると感じられること、これは非常に重要なことのように思いました。

 話が少しそれていますが、言いたいことは『自分がどのような状態を望んでいるか』ということをいつもより深く考えてほしい、ということです。

自分が何を望んでいるのか。どういう状態でありたいのか。それを深く考えていくこと。

『働きたくない』と望んでいると認識したら「では働いていない状態とはどういう毎日なのか」と実際にその状態になった時のことを考えてみてください。

その状態の日常とはどういった日常なのかを想像してみてください。その想像した毎日が「最高だな」と思えるなら、それは新の望みであると思います。

しかし「実際に考えてみたら仕事しないとなると結構暇だな、特にやりたいこともないし、毎日ゲームして外にもでないってそれ完全に引きこもりだな」と思ったら、それは今の仕事への不満から、仕事をしたくない、と思っているだけのように思います。

 あなたのしたいことは何でしょうか。あなたはどういった人生を送りたいのでしょうか。この後の人生が何年あるかわかりませんが、どんな人生も想像できるとして、どんな人生にしたいですか?

 それを真剣に考えてみてください。ステップ1は『自分の望みを真剣に考えること』です。紙にやりたい事を全部書きだすのでもいいですし、こうなったら最高だな、素敵だなというワクワクする、ときめく想像をするだけでもいいです。
 
 私の場合は、そこには家族がいました。
「毎日ゲームをして、映画を見て、漫画を読んで、小説も書いて、旅行もして、美味しいものもいっぱい食べて」
 でも、それを一人でしたいのか。そうは思いませんでした。

 家族を優先するなら、家族を一番に考えるのであれば、家族を悲しませるようなことは選択したくありません。

 もちろん、家族を悲しませずに、浮気をしまくって、欲求のままに生きる、女にモテることは輝いている証拠だ。妻も子供もそれを望んでいる、という往年の銀幕スターのような考え方ができればいいのですが、私の固定観念をそのように覆すことはできないように思いました。何故なら私がそのような自分になることを望んでいないからです。

 考え方は無限にあるように思います。実際に家族を一切悲しませず、複数の女性と関係を持ち、葬式には家族と数十人の愛人がともに悲しんだ、という実際のエピソードを読んだことがあります。

 本質としてはどんな考え方も可能なように思います、あとはそれを自分が本当に望むのかどうか。その状態になりたいと思えるか、潜在意識に刷り込ませるほど、それが当然と思えるように自分を変えたいと思うかどうかです。


実践編 第八章
 ステップ2 固定観念を見つける

固定観念を変えるのは根気のいる作業です。何度も『ゴミをゴミ箱に捨てなさい』と言われたのと同じことを自分にしなければいけません。あるいはそのような状況に自分を置かなければなりません。

それが毎日の意識的な想像という作業です。意図的に思考し想像するというのは、自分に「ゴミをゴミ箱に捨てる」と刷り込ませる作業です。意識していなくても潜在意識がそれを思考するほど繰り返すことです。

 潜在意識と固定観念の仕組みを理解し、自分の人生が固定観念の投影であることに気づいたあと、その固定観念を知り、その固定観念と向き合う作業に入ります。

簡単に考え方を変えられることもありますが、自分の人生を決定的にしている固定観念を変えることは非常に大きな労力が必要になります。

 少なくとも私は自由自在に固定観念を変化させることはできませんでした。仕組みを知り、原因の固定観念を発見しても、それを変化させることには多くの労力と時間を割いています。

 人生を意識的に変える方法はとてもシンプルなものですが、人それぞれ、固定観念を持っています。私には私の強力な固定観念があります。あなたにはあなたの、今までの人生で培った固定観念があります。

 もし発見した固定観念が自分の根底を作っているような固定観念であったとき、自分が自分でなくなるような、別人になるような考え方の変更が必要になります。逆に意識したその瞬間から変わることができる固定観念も多くあります。

 言いたいことは人によって固定観念は違うので、それを変化させる労力が大変なのか、そうでないのかはケースバイケースである、ということです。

 アプローチは色々とあると思います。私が着目しているのは『日常で繰り返していることを知ること』です。

毎日繰り返し行っていること。これには必ず固定観念があります。固定観念ができるプロセスにはこの『繰り返し同じことをする』『同じことを言われる』「同じことを聞く」など何度も繰り返すことが多くあります。

一瞬の衝撃的な出来事で固定観念が作られることもありますが、多くの固定観念は繰り返すことによって作られています。

 このプロセスを知っておくと、望みにブレーキを踏んでいる固定観念を探すときのヒントになります。何故なら日常のほとんどは、何らかの思考と、その思考による行動によって繰り返しているからです。

多くの宗教が実施していることも、そのアプローチの一つです。
 何度も同じ言葉を唱えることや、決まった行動を毎日繰り返すこと、多くの宗教には習慣があります。決められた考え方にそって行動を繰り返すことが多いですよね。

 宗教だけではありません。教育も同じです。職場も同じです。誤解を恐れずに言えば刑務所だって同じです。決められたこと、ルールを守り、同じ行動を繰り返します。

 実は日常と言うのは決まったことの繰り返しでほぼ出来ています。世界中を飛び回っているお金持ちや、毎日仕事内容の違う芸能人、冒険家や旅人、その日暮らしのバックパッカーなど、例外的な人もいますが、ほとんどの人はどこかの組織や集団に属しています。

学校や職場などの組織や集団には必ずルールがあり、そのルールに沿って日常を繰り返しています。国や地域などにももちろんルールがあります。法律も一つのルールです。

 自分が何を繰り返してきたか。それを考えることが固定観念を探求する第一歩です。今まで繰り返してきたことは、あなたの固定観念を必ず作っています。

あなたが『望んだ人生を送っていない』と思うということは、望んでいない繰り返しが日々行われているということです。

 前述した通り、潜在意識は意識せずに思考しています。そしてその思考がファクターを見つけ、選択、実行し日常を作っています。

 あなたが変化を望んでいるということは『あなたの固定観念が日々作りだしている現実をあなたは望んでいない』ということです。つまり日常を生み出している固定観念の中に、あなたが望んでいない毎日を作り出している原因があるということです。

 私が何を言いたいかお分かりいただけたと思います。あなたの望んでいない日常を作りだしている固定観念を発見すること。これがステップ2です。

 望みを明確にしないとステップ2にはいけません。そしてここからは人によって違います。ここからは私が発見した、私のブレーキを紹介しながら、実践的な考え方を紹介していきます。

 意識して固定観念の思考に注意を払っていると、自分が四六時中、自動で思考していることに気づくと思います。例をあげてみましょう。

 テレビを見ていると火事のニュースがやっていました。私は「そろそろ乾燥する時期になってきたな、気を付けないと」と反射的に思考しました。そして「火事になったら怖いな」「火事になったらどうしよう」と徐々に火事のことを自分事のように考えていきました。

 これは火事のニュースを起点とした自動思考の連続です。思考がファクターとなる次の思考を見つけ、どんどんと思考の力が強まっていきます。
 思考が止まらなくなるというのはこの現象です。あの子の事ばかり考えてしまう、も同じです。思考が思考を見つけ、その力が増していく潜在意識の自動思考でよく起こる現象です。

 この潜在意識の自動思考の連続は『自動運転システムのアクセルの力』だと思ってください。繰り返すほどに速度があがります。私たちの目的はこの自動運転システムにブレーキを踏むことです。

速度が上がるとそれだけ自潜在意識の動思考にブレーキを踏むことが難しくなります。強いブレーキが必要になってきます。よって早めに気づくことが非常に重要になってきます。ではどうすればいいのか。

 まずは自分が望んでいない思考を生む、元になっているファクターを知っておくことです。
 先ほどの例ですと、火事や泥棒、交通事故や殺人など、起こってほしくないことがどういう情報なのかを認識することです。『これは望まない情報である』ということを認識することです。

 ステップ1の自分の望んでいる状態が基準です。それを基準にして、自分が望まない状態、望まない状態を想像させる情報を認識すること、知ることです。

自分が望んでいない未来を想像させるファクターは必ずあります。何故ならそのファクターの先にある固定観念が、あなたの望んでいない日常を作っているからです。

 しかし、何のヒントもなく固定観念にたどり着くことは難しいです。自分の望まないことを想像させているファクターを見つける。これが固定観念を見つけるヒントになります。

 私は基本的にニュースを見なくなりました。理由はわかりますよね。ニュースの内容で気持ちが明るくなるようなことはあるでしょうか。

殺人や詐欺、事故や火事、放火、意識していないのに、それらのニュースによって自動で思考しています。それを一々、止める作業をするのは面倒だし疲れますよね。よって見ないのが一番簡単です。

 見なくなって何かに困ることがあったか。はっきり言って何も困りません。考えてみてください。殺人や放火や事故を知る必要があるでしょうか。なぜそんなニュースを毎日見る必要があるのでしょうか。その情報が何か自分の為に必要でしょうか。

 ハッキリ言ってなんの必要性もない情報です。ワイドショーも同じです。不倫や浮気のニュースがあなたに何を連想させるのかを考えてみてください。それをきっかけにした潜在意識の自動思考によって何を選択し実行するのか。

『妻がこの芸能人と同じように浮気していたらどうしよう』と思うこともあります。
「旦那も同じような行動をとっていたことがあったから不倫しているかもしれない」

このような思考が連続して思考を呼び寄せ、アクセルの力が強くなった時、それは強い力でその思考を達成するためのファクターを見つけ実行します。潜在意識が身体を動かします。

 潜在意識が何を自動思考しているかを知ること、それを意識して見つけること、それがいかに大事かお分かりいただけたと思います。

 意識して望んだ未来を思考する。これも確かに大事ですが、それだけでは望んだ思考は現実になりません。その理由は潜在意識の自動思考にあります。

 潜在意識の自動思考は気づかないうちにアクセルを全開に踏んでいます。「旦那が浮気したらどうしよう、妻が浮気していたらどうしよう」と心配している人は、アクセル全開でパートナーが浮気するためのファクターを潜在意識が探しています。
 
まず潜在意識の自動思考に気づくことです。

「浮気していたら嫌だな」

この後に浮気している相手のことを思い浮かべている自分に気づくことです。自分が何を想像しているかに注意を払うこと、それをまず行ってみてください。

 見つけたら、次がステップ3です。潜在意識の自動思考にブレーキを踏みます。


実践編 第九章
 ステップ3 潜在意識の自動思考にブレーキを踏む

潜在意識の思考を制御するために、まず自動思考を見つけること、そして次にブレーキを踏むこと。つまりそれは潜在意識の思考を意識的に止めることです。

 なぜ潜在意識の思考を意識的に止める必要があるのか。

それは簡単な理由です。潜在意識の思考が望んでいない日常を作り出しているからです。それを特定し、意図的にブレーキを踏むことで望んでいない日常の進行が止まります。

 人生の自動運転システムにもブレーキはあるんです。私はこの事実を知るまでブレーキがあることに気づいていませんでした。しかし気づいてしまえば難しいことはありません。ブレーキを踏むだけです。ではブレーキを踏むとはどのような行動なのでしょうか。

 潜在意識は自動で思考しています。潜在意識に注意を向ければいつも何らかの思考をしていることが分かると思います。

 潜在意識の自動思考にブレーキを踏む。その方法は簡単です。思考していることに気づいたら、それを意図的にやめることです。もう一度固定観念を発見するところから例をあげてみましょう。

 あなたはテレビを見ていて凄惨な事故の映像を見ます。潜在意識の自動思考が『怖いな、自分もあんな事故にあったらどうしよう』と思考していました。まずはそれに気づくことです。気づいたら、それを意図的にやめます。
「いま事故のことを想像しそうになっていたな」と意識して気づくことです。潜在意識の自動思考に気づく、これがステップ2の固定観念の発見です。

 潜在意識の自動思考に気づいたら、まずその想像を意図的にやめてください。
「事故のことは考えない。想像しない」と自分の中で潜在意識の思考にNOと言います。これがブレーキを踏むという行動です。慣れてくると頭の中で言葉を発しなくても、思考を止めることができるようになります。

 この行動を習慣化していくと、いかに潜在意識が自分の望んでいない未来を想像しているかが分かります。

 例えば、職場で上司に「君には来週からノルマのある外回りをやってもらうからね」と言われたとします。

あなたはそんなことを望んでいません。しかし潜在意識の自動思考は想像します。来週の『ノルマのある外回りをしている自分』を自動で想像してしまいます。

この自動思考による想像はファクターの探索スイッチだと思ってください。スイッチはデフォルトでオンになっています。想像することにより、自動で実現のためのファクターを探し始めます。

「なんてことをするんだ」と思うかもしれませんが事実です。デフォルトではオンになっています。

 そこで意図的なブレーキを踏みます。
『ノルマのある外回りをしている自分」を自動思考していることに気づいたら「そんな未来は望んでいない。だから想像しない」と潜在意識にNOと言いましょう。

潜在意識の自動運転システムは非常に機械的に動いています。言われたことにはしっかりと従ってくれます。

「いやいや。そうはいっても想像したほうがいいですよ、旦那」と言って断ったりしません。NOと言ったら思考は弱まります。

さらに追い打ちをかけるように想像します。そのノルマのある外回りをしている自分に手を振ります『さようなら。そんな未来は必要ない』と言って手放します。

 あなたの日常はすでに望んでいない潜在意識の自動思考と、それによるファクターで溢れています。まずはそれを否定していくことです。一つ一つの自動思考にブレーキを踏むことです。

 この自動思考にブレーキを踏むという作業を行って、実際に「ノルマのある外回りがなくなるわけがない」と思う方も多いと思います。それも固定観念です、と言ってしまえば身も蓋もないので、私の実体験を紹介します。

 私の勤務していた事務所が閉鎖になりました。受注していた仕事がオーナーとクライアントの喧嘩で破断になり、次の日から仕事がなくなってしまったからです。

私は在宅ワークとなりましたが、もちろん今までやっていた仕事はありません。私のところに会社から「以前やっていたカスタマーサポートの管理職をやってもらうことになると思う」と事前に言われていました。

 私は当時、意図的に思考をするということを実践していました。そして意識せず思考してしまったこと、つまり固定観念の自動思考に気づいたら、それ以上想像しない、手放す、ということを実践していました。

 今までの私であれば、その『カスタマーサポートの管理職』をしている自分をすぐに想像していたと思います。私はまず、その未来が私の望む未来であるかを判断しました。

即答で望んでいないと回答しました。

私は意識して意図的に『カスタマーサポートの管理職を想像しない、望んでいない。さようなら』とその思考に手を振りました。手放し離れていくイメージでその思考に手を振りました。

 すると数日後に「やっぱり今カスタマーサポートは人が足りているし回っているから以前研修してもらった本社の仕事で考えている」と連絡がありました。

 やることは同じでした。その本社の仕事を望んでいるか、答えはNOでした。私は同じように本社の仕事を望んでいない、さようなら、とNOと言って手放し思考に手を振りました。

 すると数日後に「本社の仕事も人員は足りているから、少し待ってほしい」と言われ、私は小説が書きたかったので2週間の有給休暇を申請しました。そしてその有給休暇中にTopマネージメントの方々が沖縄でMTGを行うということで、そこに呼ばれました。

 私は自分の望みを明確にしていました。仕事をするのであれば今興味のあること、自分の経験やスキルになることをしたい、と望んでいました。

私の中には明確なイメージがありました、それは勉強していたアフィリエイトを自社で行うことはできないか、ということでした。私はTopマネージメントに正直にその気持ちを伝えました。

「今ちょうどマーケティング部でSNSを使ったマーケティングに苦戦している。SNSを使ったアフィリエイトやマーケティングに関して調査する、実際に行ってSNSマーケティングの仕組みなどをレポートするのであれば、ぜひやってほしい。ついでに自社の商品も売ってくれればアフィリエイト報酬もちゃんと払うよ」という回答をいただきました。
 私は潜在意識の自動思考にブレーキを踏むことによって、自分の望んでいた思考を実現しました。

 このエピソードでお気づきになったかもしれません。自動思考にブレーキを踏むことによって、望んだ思考を達成しています。
 望んでいない未来を想像しない。望んでいない未来にブレーキを踏む。この行為は『望んでいる未来』を強烈にサポートします。

 当然といえば当然ですよね。望んでいない未来を作り出しているのが潜在意識と固定観念による自動思考です。

その望んでいない自動思考にブレーキを踏むことによって『望んでいない未来』が減速します、うまくやれば止まります。残るのはなんでしょうか。そうなんです。『望んだ未来』なんです。

 望んでいない未来を消去していけば望んだ未来が残ります。

『あなたの望んでいる未来にブレーキを踏んでいる固定観念を探してください』と言われると難しく聞こえるかもしれません。でも『望んでいない未来の思考を見つけて、手放してください』と言われたら思考に注意を払うだけでいいので難しくありません。

 探す必要はないんです。日々の自動思考に注意を払えばいいだけなんです。望んだ未来を明確にして思考し、望んでいない未来にブレーキを踏めば。望んだ未来が進みます。

 第五章の説明で「あなたはアクセルとブレーキを同時に踏んでいます」と言いましたよね。

「結婚したい」と望みながら、固定観念では「この年齢で理想の結婚は難しい」と自動思考していました。

「どうせ婚活パーティーにいっても理想の人はいないんだろうな」という望まない未来を自動で思考していないでしょうか。その自動思考を見つけたらブレーキを踏んでください。

がっかりしている自分を想像しないでください。その思考にNOと言って手を振って手放してください。そして望んだ未来、素敵な人と巡り合っている自分を想像してください。

 この『素敵な人と巡り合っている自分を想像する』というのがステップ4、固定観念の変換です。


実践編 第十章
 ステップ4 固定観念を置き換える

 固定観念を置き換える。この方法は実に簡単です。望んでいる自分を想像するだけです。私の方法として望みを書き出しました。そして、その望んだ状態を想像しました。その想像を毎日繰り返し行いました。

 毎日繰り返し想像する。ここがポイントです。固定観念の説明を思い出してみてください。何度も繰り返し言われ、潜在意識に刷り込まれた考え方によって、固定観念が生まれていました。

 毎日、自分の望んだ未来を想像する。そうなることが当然と思えるほど、何度も想像する。つまり毎日望んだ未来を想像する、ということは新たな考え方を潜在意識に刷り込ませているんです。

 ダイエットの考え方の変化をもう一度思い出してみましょう。
 『痩せるぞ』→『この方法なら痩せられるかもしれない』→『このまま続ければ絶対痩せられるぞ』→『痩せられた』

 考え方がこのように変化していきました。望んだ未来を実現するプロセスも全く同じです。

『望んだ未来になる』→『この方法ならなれるかもしれない』→『これをすれば絶対になれる』→『望んだ未来になれた』

 私が望んだ未来を想像する、と言っているのは最初の『望んだ未来になる』この部分です。この発端の思考を明確にし、強い気持ちで望むために毎日想像をする、ということです。

 つまり望んだからと言って次の日に叶っているというようなことではありません。望んだことによってファクターが明確になります。その望んだ未来になるためのファクターをしっかりと認識し、選択して実行することです。

 考え方が変わればファクターが変わります。固定観念によって日常が生み出されています。その日常を望んでいないから、それを変化させたいと望んでいるわけです。

 今現在の日常が満足いくもので、何も変わって欲しくない、というのであれば、考え方を変える必要性は一切ありません。

 今の日常を望んでいない。もっとこうなりたい、こうありたいという日常に変化させたい、よって考え方を変える必要性がある、ということを伝えたいのです。

 考え方が変われば人生は変わります。

 そして考え方は潜在意識に刷り込まれています。その刷り込まれたいくつもの考え方が自動思考し、その思考がファクターを認識し、現実化しています。
 あなたは、その自動思考を把握していません。

「何故いつもこうなるのか」
「私は何故かこういうことが本当に多いんです」
「どの職場にいっても何故か同じタイプの人がいる」
「まただ、何故いつも私ばかり」
「あいつはいつも何故か上手くいく」
「あの子は何故かいつも物をもらう」

 何故でしょうか。答えはわかりますよね。自動思考です。潜在意識の自動思考によって自動でファクターが実行されているからです。

 あなたが現在の日常に満足していない、その毎日を望んでいないのであれば、その毎日の日常を生み出している固定観念を知ることです。潜在意識の自動思考が何を思考しているのかを認識することです。

 あなたの価値観を客観的に見てください。

 経済的な状況を変化させたいのであれば、それを作り出している自分の考え方を知ることです。
 
 固定観念を知るときに便利なのは、『普通』や『常識』という言葉です。あなたが普通や常識と思っていることをカテゴリーに分けて書き出してみてください。

・普通は就職してサラリーマンになる。
・普通は社長にはなれない。
・普通は豪邸には住めない。
・普通はミュージシャンでは食べていけない。
・売れるのは千人に一人だ、それが常識だ。
・常識的に考えて難しい

 これは全部考え方です。その考え方があなたの世界を作っています。その考え方になるためのファクターをいつも実行しています。

 あなたの考える普通や常識とはなんでしょうか。それを知ることによって、自分を知ることができます。

現状を作っている固定観念を客観的に見ることができます。勿論それが全てではありません。固定観念はあらゆる場所に潜んでいます。意外な固定観念がブレーキを踏んでいることもあります。私が発見した意外な例をあげてみましょう。

 それは私の良い父親という考え方のイメージでした。

・サラリーマンで一戸建ての家に住み、子供と一緒に遊び、みんな仲が良い。収入が安定していて心にゆとりがある。

 私が作り上げていた理想の父親像はこのようなものでした。私は『良い父親になる』という人生の目標を持っていました。

 この『良い父親はこうだ』という考え方が、今の私を作っています。マンションを購入することは頭の隅にもありませんでした。買うなら一戸建てでした。それは幼少期に見た友人宅への憧れでした。

 『良い父親はサラリーマン』というのは、どこの家庭もそうだったからです。ここであこがれていた友人の父親がサラリーマンではなく、芸能人や、特殊な職業をしていたら、私の固定観念も変わっていたかもしれません。しかし私の知っている理想の父親はみなサラリーマンでした。

 子供が三人生まれ、私は私のイメージしていた、私の考え方による『良い父親』を達成しました。私の『父親とはこういうものだ』という固定観念が生み出した世界です。私にとっての普通です。

 ここで重要なのが、私の第二の目標であった『ベストセラー作家になる』という目標です。これはまだ達成されていません。私はベストセラー作家になる、というイメージを繰り返し行いました。

しかし、ベストセラー作家になる、という思考はほかの思考よりもあきらかに進行が遅かったのです。私は知らず知らずのうちにブレーキを踏んでいました。

 ベストセラー作家になる私の望みにブレーキを踏んでいる固定観念がありました。
それは『良い父親はサラリーマンで安定収入がある』というこの考え方です。この考え方がブレーキを踏んでいることを、私は発見しました。

 そうなんです。望んでいる未来の想像が、別の望んだ未来にブレーキを踏んでいました。私の良い父親になりたい、という思考は具体的でより強い思考でした。それに比べて『ベストセラー作家になる』というイメージは具体的な想像が難しい思考でした。

ただブレーキを発見すればなんてことはありません。私はサラリーマンにこだわっているわけではないからです。

私の『良い父親はサラリーマンで安定収入』という固定観念ができたころ、私は知らなかったのです。今なら様々な職業があり、良い父親はサラリーマンでなくてもいい。というのを知っています。しかし私の潜在意識に刷り込まれているのは『良い父親はサラリーマン』のままだったのです。

 私の現状を作り出しているのは、私の固定観念、つまり考え方である。

 私は自分の『良い父親はサラリーマンで安定収入』という固定観念に気づいたときに、この事実を痛烈に実感しました。

 確かにそのような固定観念が根強くありました。今も完全に手放すことはできていません。妻も子供もいるのに安定したサラリーマンという考え方を手放すことは難しいのはご理解いただけると思います。しかしそれが固定観念であることもまたわかっています。

 私は考え方を変えることを実行しました。いきなり仕事を辞める必要はないのです。考え方を変化させていけば、それに必要なファクターが見つかります。まず他のより良い考え方を探します。

『良い父親は自分のしたいことで稼いでいる、生活のための仕事をしていない』

私はこのような考え方になるように、頭の中でこの考え方を唱えました。何度も瞑想の時に呪文のように唱えてみました。

そして「何故なら自分のしたいことで稼いでいる人は輝いているし充実している、教えられることも多い、子供がしたいことをするのを強力に後押しできるし、子供たちもしたいことをしている父親をみて、それが可能であること、できることを考え方としてもてる」という理由付けをしました。

 この理由付けする、という作業は想像のクオリティーを上げる方法です。理由付けをすることによって、自分の望んだ考え方に納得することができるからです。

これが自信を確信に変える方法です。


実践編 第十一章
 ステップ5 自信を確信に変える方法

 自信が確信に変わった場面はありますか?

自分のエピソードでも他人のエピソードでも構いません。それを思い出してみてください。

 スポーツが非常にわかりやすいですね。
 毎日の練習によって「私は誰よりも練習している」と自信がつきます。この段階では確信には変わっていません。ではどこで自信が確信に変わるのでしょうか。
 自信が確信に変わる友人のエピソードをご紹介します。

 彼はバスケ部でした。彼の高校は試合に出られる部員を集めるのもギリギリな弱小チームでした。しかし毎日の練習量は非常に多く、それぞれのレベルが高いこともわかっていました。

みんな仲が良く、練習が終わってもバスケットボールのことで頭が一杯でした。戦術や連携などをみんなで考え、練習メニューもそれに合わせて変化させていました。
 自信がありました。自分たちは強いという自信がありました。

 インター杯の予選が始まりました。ギリギリでエントリーができました。目標は全国制覇です。誰も目標を馬鹿にする者はいませんでした。

 一回戦の相手は県大会二位の実力校でした。部員も五十名はいます。応援の数も全然違います。しかし、そんなことは気になりませんでした。

 試合が始まると自分たちのスキルや戦術が通用することがすぐにわかりました。部員たちの表情で同じように感じていることがわかります。

「いけるぞ」
 そういうと全員が頷きました。逆に相手は下唇を噛んでいました。試合は二十点差で友人のチームが勝利しました。(スラムダンクのような話ですが史実です)

 自信が確信に変わった瞬間はどこでしょうか。
「いけるぞ」こう思った瞬間ですよね。

自信とは練習や努力によって、通用するはずだ。これだけやったのだから勝てるはずだ。という予測です。実際には不確定な状態です。それが相手の反応によって確定的な状態になったときに確信に変わります。

 勝負事では思考が常に変化していきますよね。
「勝てると思うけどな」
「いけるぞ」
「勝てる、絶対に勝てる」
 
自信が確信に変わるとき、思考の中で何が起こっているのでしょうか。
「勝てると思うんだけどな」
 でもわからないな。実際に戦ってみないとわからない。
「いけるぞ」
 実際にやってみて、通用している。このまま相手が変わらなければ、そのまま試合が終わる。
「勝てる、絶対に勝てる」
 試合もあと少しで終わりだ、相手の交代要員のレベルも変わらなかった。負ける要素がない。

 実際にやってみて通用した。この時に確信に変わっています。つまり「これなら問題ない」と自分自身が納得している、ということです。

 実際に試合をするまで絶対に確信に変わらないのでしょうか。そんなことはありません。
 相手が幼稚園児のチームだったらどうでしょうか。

「勝てると思うんだけどな」となるでしょうか。絶対に勝てますよね。負ける要素がありません。それは確信です。

自信と確信の違いは、『未来がわかっている』か『未来がわかっていない』かの違いです。

 それはあくまで自分の中での話です。実際に未来が予知できるわけではもちろんありません。自分の中で『わかっている』つまり納得しているということです。

 幼稚園児がサイキックで、ボールを持った途端に空を飛んでダンクシュートする可能性もゼロとは言い切れません。しかし自分の中では負ける可能性はゼロです。

 自信が確信に変わる、ということは、自分の中で『不確定要素がある状態」』から『不確定要素がない状態』に変わるということです。

 では、意図的に自信を確信に変える方法とはどういったものでしょうか。

 それは不確定要素を意図的に減らすことです。これは実は日々の練習も同じです。勝てるかわからないといった不確定要素を練習によって減らしています。

 私たちは不確定要素があると「でも~だから、難しいよな」と思ってしまいます。

 おや、どこかで見たことがありますね。そうです。ステップ1の望みを書き出す作業の解説で同じことを言いました。

 潜在意識の自動思考によって自分の望みにブレーキを踏んでいました。常識的に無理、不可能だ、普通はできない。これらは固定観念のブレーキでした。

 実は不確定要素を意図的に外す作業と、望みにブレーキを踏んでいる固定観念を手放す作業は同じです。より詳細で具体的な方法というだけです。

 私はインター杯で全国制覇をする。

 この望みを想像しても、自分の中の不確定要素、つまり固定観念がまだブレーキを踏んでいる状態です。それを意図的に減らしていきます。

 私はインター杯で全国制覇をする。何故なら自分たちのチームは他のどのチームよりも練習してきた。戦術も学んで実践に取り入れてきた。チームの意識も高い。そして仲が良い。
 
 ここで自信になります。そして次は確信に変える方法です。これは想像です。イメージの力です。スポーツの例えなので、わかりやすく言うとイメージトレーニングです。

 試合の日を想像する。自分たちのスキルが相手に通用している。みんな顔を見ると同じ事を感じているのがわかる。勝てる、いけるぞ。そう顔に書いてある。スコアボードの点差がみるみるうちに開いていく。そして試合終了のホイッスルだ。

 目を開けると頷いていました。絶対に勝てるという確信がありました。

 一流のプロスポーツ選手の中で、イメージトレーニングを行っていない人はいないのではないでしょうか。それほど重要なトレーニングです。
 イメージトレーニングとは自分の中で自信を確信に変える方法です。

 イメージトレーニングを繰り返すことによって、固定観念が変化します。そして新たな固定観念が刷り込まれます。その固定観念が思考しファクターを見つけ、身体を動かします。

 人生を意識的に変える方法も全く同じです。

 望んだ人生をイメージトレーニングしています。引き寄せの法則や思考は現実化する、で行っている『意図的な思考による想像』とはイメージトレーニングと同じことなんですね。

 対象がスポーツではなく、人生全般において行っているというだけで、やっていることはなにも変わりません。

 スポーツで成功した人がビジネスや他の分野でも成功をしていることが多いのは、イメージトレーニングが実際の人生においても有効である、ということをわかっているからだと思います。

 意図的に不確定要素を減らす。ここがポイントです。イメージトレーニングでも、ただイメージするのではなく、そのイメージに対して理由や根拠を持っているだけで、随分と違います。確信に変えるために、まずはそのイメージに自信をつけることが大事です。

 自信がなくてもイメージすることができます。大金持ちになった自分を想像することは誰でもできます。しかしそのイメージに自信があるでしょうか。根拠があるでしょうか。
 ここが重要なポイントです。

 ダイエットも同じです。痩せた姿をイメージすることは誰でもできます。しかしそのイメージに自信があるか、根拠があるかが大事になってきます。

 私は痩せる。何故なら運動もしているし食事制限もしているからだ。

 理由付けをすることによって、自分で自分を納得させることができます。この自分を納得させるというプロセスが抜けていると、ただの想像で終わってしまいます。

 自信に変わらなければ、その先の未来のイメージが弱くなってしまいます。確信に変えるという作業が難しくなります。

 私は瘦せる。何故なら運動もしているし食事制限もしているからだ。運動と食事制限を続けると脂肪は燃焼し、体重計の数字が日に日に目標に近づいていく。鏡を見ると引き締まった身体の自分が見える。表情も明るい。健康的な体だ。みんなに痩せたね、と言われる。

 確信に変わっていきます。イメージトレーニングが有効なことは誰もが知っていることですが、人生においてもそれが同じように有効であることは知られていません。不思議と言えば不思議ですね。

 その理由は恐らく、固定観念のブレーキにあります。スポーツと同じようにイメージトレーニングをしても、お金や結婚などの固定観念のブレーキが強いと、スポーツの時のようにうまくいかないからではないでしょうか。

 スポーツに対する固定観念はスポーツをして初めて芽生えます。それに比べて人生の固定観念は生まれてから蓄積された強いものが多いです。

「こんなこともできないと結婚できないよ」
「無駄遣いをしてたら貧乏になるよ」
「一番安いやつでいい」
「高いから買いません」
「あなたは太りやすい体質だよ」

 親や周りの人に言われた言葉が蓄積し固定観念になり、イメージトレーニングにブレーキを踏んでいます。

 望んだ人生を思考しても、実現しないときはブレーキを探してみてください。そして望んだ人生を思考するときは理由付けをしてみてください。

 次章は固定観念を変換するときも、新たに作り出すときにも有効な最強のテクニック。
習慣化をご紹介します。

実践編 第十二章
 習慣化とはなにか

 習慣とはなんでしょうか。改めて考えてみましょう。

しゅう かん【習慣】
① 長い間繰り返し行われていて、そうすることが決まりのようになっている事柄。また、繰り返し行うこと。 「早寝・早起きの-をつける」 「悪い-」 「この目にて-せしことは、憶(おも)ひ出して/西国立志編 正直」
② ならわし。しきたり。風習。慣習。
③ 〘心〙 学習により後天的に獲得され、繰り返し行われた結果、比較的固定化するに至った反応様式
                                weblio参照

 辞書ではこのように書かれています。つまり同じ事を繰り返すこと、習慣化する、というのは同じ事を繰り返し、そうすることが決まり事のようになるということです。

 今まで解説してきた固定観念でも同じことを何度も言ってきました。固定観念は繰り返すことで固定されています。つまり習慣により、多くの固定観念が生まれています。

 意図的に習慣化する、ということは固定観念を意図的に作り出す、ということなんですね。
 さらに今行っている、無意識にしてしまっている習慣を見直し、新たな習慣に変えることが人生を意識的に変えることに直結してきます。
 
 私は習慣化のことを『潜在意識と固定観念を味方につける方法』だと思っています。
 自分の望んだ人生を達成するためには、習慣化するのが最適だと思っています。
 習慣化する前には今まで解説してきた工程が非常に重要になってきます。

① 望みを明確にする。
② 望みにブレーキを踏んでいる固定観念を見つける。
③ 見つけた固定観念を手放す(固定観念の自動思考にブレーキを踏む。意識的に止める)
④ 固定観念を変換する。どのように変換するかを考える
⑤ 意図的な思考をする
⑥ その根拠となる行動を習慣化する。

具体的な例をあげてみましょう。わかりやすいのでダイエットにします。

① 痩せることを望んでいる。
② 瘦せることにブレーキを踏んでいる固定観念がないかを確認する。
「痩せたいな、でも

・自分は太りやすい体質だしな。
・痩せるのは難しいよな。
・運動はしんどいし、続かないんだよな。
・食べるのを我慢するのは辛いな。

 私は痩せるのにブレーキを踏んでいるいくつかの固定観念を発見しました。

③ 自動思考にブレーキを踏む。

意識して「そんなことはない」と思考にブレーキを踏む。それ以上、できない、難しい、無理だと思う理由を想像しないように意識しました。

④ 固定観念を変換する。

 自分は痩せようと思えば痩せられる。痩せようとしていないだけだ。私と同じくらい太っている人でも、太る体質の人でもダイエットで成功している人は絶対にいる。
 ダイエットで成功している人は山ほどいる、難しいわけではない。難しいと決めつけているだけだ。私の固定観念だ。
 しんどくない運動から始めればいい、歩くことも運動だ。辛いと思う運動をするから辛いんだ。辛くない運動もある。それに運動をしっかりしていれば、それほど食べるのを我慢しなくってもいい。それに調べれば低カロリーで美味しいものは沢山ある。私が好きなものの中にも低カロリーなものはいっぱいある。
(固定観念を変換する段階ですでに、行動のファクターがいくつも出てきます)

⑤ 意図的な思考をする。イメージしてみる。

 目を閉じて想像する。

私はしっかりと運動をしている。最初は歩くことから始めた、何もしんどいことはなかった。歩くだけで汗をあんなにもかくと思わなかった。毎日歩いて汗をかくと血行がよくなっていった。それによく眠れるようになった。歩いて帰ってくると、まだ体が元気で運動する気力がある。軽い柔軟体操から始めた。体を伸ばすだけでも十分に汗をかく。
食事は食事制限というほど制限していない。好きなものの中で低カロリーなものを選んで食べている。それに運動の量が増えてくると食べても体重が増えない。美味しいものを食べた次の日はしっかりと運動するようにしたら、食べたいときに我慢する必要もなくなった。体重計に乗るのが楽しくなった。体重計に乗るのも気分が乗るときだけにしている。食べた直後や増えている可能性があるとわかっているときに体重計にはのらない。減っているのがわかっているときにのる。
鏡を見るのが楽しい。皆に痩せたねと言われるのが嬉しい。目標は10キロだ。このままいけばすぐに達成できそうだ。

 目を開いて未来の想像に頷く。

⑥ ファクターを選択し、それを習慣化する。

 思考しているうちに、アイデアがいくつもでた。辛いと思わない運動から始める。まずは毎日歩いてみよう。汗をかきやすい服装をして歩くことから始める。
 無理のない時間を探す。1日の中で無理なく歩けそうなのは夕方だった。まず初めてみる。そして食事制限だ。自分の好きな食べ物の中から低カロリーなものを探す。
 私は納豆や豆腐などの大豆製品が好きだ。冷やっこなどは毎日食べても飽きない。それにキムチやヨーグルトなどの発酵食品も好きだ。晩御飯の前に冷やっこに納豆をかけて食べることにした。キムチも少し上に乗せる。意外にボリュームがあるがカロリーは少ない。
 お酒の代わりにレモン風味の炭酸水を飲むようにした。運動のあとに炭酸水を飲んですきになった。お酒の代わりにしても全然問題がなかった。私はアルコールが欲しいのではなく、炭酸の喉ごしが欲しいという事実に気づいてしまった。友人が来たときには飲むが毎晩飲むことはなくなった。お酒を飲まないと食べないという事実にも気づいた。
 お酒を習慣化していたことが肥満の大きな原因だったようだ。

 意図的な思考も習慣化している。運動をしたあとに、目を閉じて痩せた自分を想像するようにしている。その理想の自分にも理由付けできるようになってきた。

(ここからは運動や食事制限を始めたあとのイメージトレーニングです)
 私は痩せている。鏡を見たらポッコリとしたお腹が随分と凹んだ。顔もすっきりしてきた。運動の量も徐々に増えてきた。まさか私がランニングができるようになるとは思わなかった。食事制限も全く苦にならない。ヘルシーなメニューを考えるのが結構楽しい。低カロリーなもので美味しいものを見つけるとハッピーな気持ちになる。
 運動も食事制限も続けられる。実際に体重は減っている。美味しいものも我慢していない。友達とランチにいったときはパスタだって食べる。しっかりと運動をしているし、何もない日は食事制限もできている。なにも我慢する必要はない。

 うん。大丈夫だ。痩せられる。私は痩せられる。

 どうでしょうか。とても自然にダイエットで成功しているように見えませんか。実際のところはそんなうまくいかない、とすでに否定している人は、強い固定観念があります。最初の段階で固定観念が強力にブレーキを踏んでいます。

 私が一番大事だと思っているのは、まさにその固定観念です。

ダイエットで成功できない人、行動に移れない人の原因は自動思考によるブレーキです。

 太りやすいからできないのではありません。太りやすいと思っているからできないんです。

 あなたの人生は固定観念が作っています。あなたが100キロだろうが200キロだろが関係ありません。

 私は100キロあるから痩せられない。という固定観念を手放さなければ変わらないということです。

 逆に50キロの人でも100キロの人でも考え方が変われば痩せられます。

あなたが人生を変えたいのであれば、それを変換するしかありません。考え方が変わらなければ人生は変わりません。

 考え方が変われば人生は変わります。

人生を変えたいのであれば自分の固定観念を発見して、考え方を変えてください。行動が先ではありません。考え方が変わらなければ行動しても続きません。それに元に戻ります。以前解説したリバウンドです。

 せっかくダイエットで成功しても「リバウンドするんだよな」という固定観念があれば、同じようにリバウンドするファクターを潜在意識が見つけます。そういった自動思考のブレーキに気づいたら、同じように思考を止めて、変換していってください。

・習慣をより良くする

 習慣化で大事なのは、習慣を更新していくことです。
 習慣化を続けるには目標や目的が必要になります。目的や目標がないとそこに向かっていく達成の力が発生しないので、習慣化がうまくいきません。

 10キロやせる。健康になる。運動不足を解消する。などの目標設定が大事になります。目標を設定することによって何をするのかが明確になってきます。

自動思考が「10キロやせるためには何が必要か」を勝手に考え、ファクターを探してくれます。必要な情報を過去の記憶や外の情報から自動で探してくれます。

 脳は自動で必要な情報を選別しています。その選別の基準になっているのが固定観念や潜在意識にあります。沢山の人が話しているショッピングモールで妻や子供の声が聞き取れるのは、脳が必要な情報を自動で選別してくれているからです。
 
 意図的な思考をしている最中に『低カロリーな食事は、好きなものの中にもある、』という考え方が出てきたのも、自動思考によるものです。
『辛くない運動もある』この考え方も自動思考によるものです。

 これが何かはもうわかりますよね。そうです。ファクターです。望みを達成するためのファクターです。痩せるという思考が、痩せるために必要なファクターとして、新たな思考を見つけました。ファクターが明確になれば、あとはそれを選択し実行、つまり行動すればいいだけです。

 自動思考は味方につけると非常に強力に、望んだ人生をアシストしてくれます。望んだ人生の自動運転システムへと変化していってくれます。

 豊かな人生を送っている人、望んだ人生を送っている人は、この固定観念の自動思考を味方につけ、望んだ人生の自動運転システムを手に入れている人だと思います。

 考え方を変えなければ、自動運転システムは、あなたを望んでいない目的地に連れていきます。多くの人が、自分の自動運転システムのプログラムを知らず、ただ助手席に載っている状態です。

そして「なんで自分の人生はこうなんだ」と文句を言っているのです。しかしあなたはもう違います。

 何故なんだ? ということはもうありません。あなたはこの本を読んで、仕組みを知っているからです。

 望んだ人生を歩む方法は難しくはありません。自分の人生を振り返り、自分がどのような思考をしているのかを認識する。それがわかれば、あとは意図的に思考するだけです。

 自分の望んだ未来を明確にし、それを想像すれば、自分の望んだ自分になるための考え方。その考え方になるためのファクターが必ず見つかります。見つけたら後は行動するだけです。

 これを読んだあなたは、もう潜在意識の自動運転システムが味方についています。あなたの望んだ未来を探しています。

 この本があなたの望んだ人生をこれからもアシストすることができればと思います。


 おわりに

 人生を意識的に変える方法はシンプルです。難しく考える必要はありません。大事なのは知ることです。仕組みを知っているだけで、対処方法はわかってきます。

 問題に直面したとき、悩んでいるとき、固定観念の仕組みを理解しているだけで、まず問題の原因を探ることができます。

 問題を相手や環境の中から探すのではなく、自分の固定観念の中から探してみてください。

 自分の考え方が変われば、問題の見え方が変わります。見え方が変わるだけで問題でなくなることも多いです。
 とても他愛のない固定観念が問題の原因であることも非常に多いです。

 私は妻との関係に悩んでいました。妻がある種の事柄に関して過剰に反応し、断固として譲らない。それを変えさせようとすると喧嘩になる、このようなことが多くありました。

 そのようなことは一般的に非常に多いように思います。

・テレビを点けたまま寝る。
・真っ暗にして寝る。
・テレビを見ながら食事をしない。
・日曜日は家族ででかける。

 このような固定観念が誰にも少なからずあります。そして、それは時に調和し、時に反発します。私はこの中で耐えられない事柄がいくつかあります。しかし逆にそれをしないと落ち着かない人もいます。

 そしてそれを変えようとすると反発します。こちらにもこちらの固定観念があるので、喧嘩になります。
 しかし仕組みを知ってから、私はほとんど喧嘩をしなくなりました。

何故でしょうか。それは仕組みを知っているからです。

 以前の私は潜在意識と固定観念が人を強く突き動かしていることを知りませんでした。しかし今はそれを知っています。

妻が自分の固定観念を認識して手放し、別の固定観念に変えたわけではありません。その固定観念は強く、今も彼女の中にあります。
 
 しかし私の考え方が変わりました。私は固定観念の仕組みを知っています。彼女の固定観念がどのように形成されたのかを考察することができます。

 多くは親の影響を受けています。私はそれを特定することができました。そして彼女の本心ではないこともわかっています。

 私はこう思っています。
「彼女は親から言われたことが固定観念として強くあり、それはとても強い固定観念になっている。それを私が否定するから反発している。私自身の固定観念も本心としてはどうでもいいことだった。私はどうでもいい固定観念を貫くために喧嘩をしていた」

 私は自分の反発していた固定観念を探しました。自分の中の何らかの固定観念が彼女の固定観念と反発しているのがわかっていたからです。
 私はその固定観念を発見し手放しました。

 さっきまでイライラしていたのがウソのように平常心に戻りました。そしてそれ以来、同様のことで喧嘩することもなくなりました。

 相手は変わっていません。私が変わりました。

 そして私が変わることによって、相手も変わってくれます。固定観念の反発は、喧嘩や不協和音を生みます。固定観念の調和が平和を運んでくれます。

 どんな人にも合わせて変わろう、と言っているわけでは決してありません。自分を変える必要がない。自分の固定観念を変える必要がない、と思ったら離れればいいんです。

 自分が何を望んでいるか。結局この問いに帰ってきます。

 家族と離れたくない。そういう強い望みがあり、私は自分を変えるという選択肢をしました。望みが明確になれば、選択も明確になります。理由もあるので自分も納得しています。

・嫌な自分を手放す

「自分のこういうところが嫌だ」

 それは自分の潜在意識の中に「嫌だ」と思う固定観念がある、ということです。私は沢山ありました。

 私が伝えたいことは。その嫌な自分を変えることができるということです。

嫌な自分がいる。嫌な固定観念を持っている、ということは、その嫌な固定観念が、嫌な現実を生んでいる、嫌なファクターを自動で選択している、ということです。

 人生は意識的に変えられます。
 考え方が変われば人生が変わります。

 沢山のアプローチがあると思います。私が紹介したのは、その中のごく僅かです。考え方が変わるようなことであれば何でもいいと思います。自分の望みがはっきりしていれば、何も問題はありません。その望みを実現するために必要な考え方を探していけばいいんです。

・旅に出る。
・映画をみる
・音楽を聴く。
・本を読む。
・沢山の人に会う、話す。友達を増やす。
・環境を変える。仕事を変える。隣のクラスに行く。

 一例ですが、私が今までの人生の中で考え方が大きく変わったことを並べてみました。

 この中でも旅は人生の転換として大きかったように思います。カルチャーショックというやつですね。まさにパラダイムシフトでした。

 石垣島に移住したことも大きかったです。その間に沢山の人に出会いました。その後も沢山の人に出会いました。人生を変えてくれた人も多くいます。

 自分が何を望んでいるのかを明確にし、その望んだ未来を想像していれば、それに必要なファクターは潜在意識が見つけてくれます。引き寄せの法則のいうように、あっちからやってきたと思えることも多いです。

 ファクターが見つからないと思ったらブレーキを探してみてください。ブレーキを踏んでいるのはあなたの固定観念です。

 固定観念の仕組みを知ると、人と会ったとき、相手の固定観念もよく見えるようになります。素敵な固定観念を持っている人は調和しますし、嫌な固定観念を持っている人は反発します。本当にシンプルです。

 見ただけでイライラする人は、あなたの固定観念を元に潜在意識が見ただけで反発しています。何らかの固定観念が反発しています。

 逆に見ただけで「この人好きだな」と思える人は、あなたの固定観念が調和しています。あなたの求めているものを持っていたり、あなたと同じ固定観念を持っていたりします。

 自分の固定観念を知ることによって、自分自身が明確になります。自分の固定観念を知ることによって、自分が求めているものも明確になります。嫌な自分の原因も見えてきます。

 固定観念とは固定された考え方です。

 何度も同じ事を言いますが、これは固定観念という言葉のイメージが独り歩きしているように思うからです。

 とても硬くて動かせない岩のようなイメージがあるからです。しかし『固定された考え方』と言われると『考え方かえればいいじゃん』と思えないでしょうか。私は思いました。

 考え方は変わります。変えられます。手放せます。

 固定観念は固定されているだけです。何度も何度も言われて、固定されているだけです。そして固定されたことを忘れているだけです。

 人は忘れる生き物です。固定観念はプログラムされたとおりに律義にずっと自動思考をしているだけです。非常に機械的です。でも人はプログラムしたのを忘れてしまいます。

「ああ、そんなこと昔あったな」
 というようなことが固定観念を作り、今でもその固定観念が自動で思考しています。

 親の躾や方針、教育や環境などがいかに大事か、お分かりいただけると思います。
 私はこの仕組みを知ってから長男に謝りました。
 私が長男の多くの部分を作ってしまったことに気づいたからです。

私は「お前は意地悪だな」と何度も長男に言っていました。

「意地悪って何度も言ってごめんな。お前は意地悪じゃない。良いお兄ちゃんだよ。いつも弟と妹とちゃんと遊んでくれるし、手伝いも一番やってくれる。パパは知らなかったんだ。自分の言葉の力を知らなかったんだ。本当にごめんな。お前は意地悪じゃない」

 長男はボロボロと泣きました。それから長男の弟妹に対する意地悪がほとんどなくなりました。

 親は本当に子供の固定観念を多く作っています。自分の固定観念を多く押し付けています。子供が親に似るのはシンプルな話です。

親の固定観念を受け継ぐからです。虐待された子供が自分の子供を虐待してしまうのもそのせいです。

 私は自分の代で悪しき固定観念を排除する、と心に誓いました。子供には渡しません。嫌な自分を手放していきます。子供にはその嫌なバトンは渡しません。良いバトンだけ渡したいと思っています。

 最後までこの本を読んでくれてありがとうございます。Twitterのフォロワーさんやアメブロの段階から記事を読んでくれている方々、応援してくれている方々、いいね、をつけてくれた沢山の方々に感謝いたします。

 またアドバイスをくれた兄や多くの事例を提供してくれた両親、妻の両親、親戚の方々、職場の人々、友人たちに感謝します。

そして最後に愛する妻と子供たちに感謝します。本当にありがとう。

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