結局、何もかも、『この世』の全ては終わりがあるから美しいのだ。

なんて悲しく残酷な事実。
美しさには、最初からそんなどうしようもない悲しい事実が内包されているのだ。

だから、おそらく一点の悲しみもない美しさなんてないのだと思う。
だってこの世のすべてに終わりはあるから。
そういうものだから。

だから悲しみのない美しさは、存在しないのだと思う。そう見えたとしてもまやかしだ。

悲しみを腐らせることもできる。
でもその悲しみが深ければ深いほど、昇華された時の美しさは、とてつもないのだろう。

この世の美しさに悲しみは不可欠なのだ。

すべてのことがいずれ終わる。
人生は幻想のようなもの。
その悲しい事実から目を逸らさず、だからこそ今ある美しさを感じつくしたい。