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東京で家を買えない

長崎生まれ長崎育ちの私の実家は、部屋面積100㎡近い、南向きの日当たりのいいマンションだ。

4LDKの角部屋、すべての部屋に大きな窓がある。
高台の閑静な住宅街にありながら、中心街まで20分もあれば出られる利便性。
最上階の一個下の階。見晴らしのいい窓から見えるのは、大きな空と長崎の街並み、稲佐山。
この条件で5000万円しなかったそうだ。

かたや2024年の東京。新築マンション。
3LDK、窓はリビングにあるだけ、LDK13畳に洋室は5畳程度。
部屋面積は広くて75㎡。大体60㎡台。9000万。

戸建てはというと、土地だけで1億超えて手が出ないどころの話じゃない。かといって土地20坪3階建ての建売住宅はイメージと違う。

中古マンションを見てみる。
駅近で利便性のいいところは目の前が線路。
築古をリノベしようと思ったら、熱海の海風でさびれたホテルか?という見た目の昭和の団地。
安くていいなと思ったら幹線道路沿いで排気ガスがすごい。
じゃあ閑静な住宅街でというと、急坂を上って下りて25分。

東京の家なんて買えるわけがない。買えたもんじゃない。
どんな富豪になったら満足のいく家に住めるんだろうと思うけど、
東京一極集中が進みきっている今、そもそもいい土地や物件が残っていないらしい。

長崎の実家と比べて理想を並べ立てても仕方ないことはわかっていても、
内見に行く度に、ここじゃない、これはどうしても嫌だ、一生の家というには違う・・・と文句しか出てこない。

「100点の物件はないですから」と言いながらも、とても親身に提案してくれる担当者さんには本当に感謝している。
してるんだけど、提案物件は70点どころか、全部50点未満なのだ。
もちろん、担当者さんが悪いんじゃない。

子供が小学校に上がるまでに家を買いたい、という同世代のみんな、どこに住んでるんだろう。


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