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表現モンスター①

Coucou! ぱれすぅ〜です。
今回は、ゆるっとぬるっと回です。

ぱれすぅ〜は現在フランスで舞踊の理論と実践を多角的に学んでいる学生なのですが、実践をする上で以前から戦ってきた相手がおりまして。

それが、「表現モンスター」。

すなわち、承認欲求や自己顕示欲のようなものです。
誰かに見られたい、認められたいという感情は誰しも持っているもの。その方向性は個人差があります(例えば恋愛だったり社会的な地位だったり)。

ぱれすぅ〜はかつて「踊り」に自分の居場所があると感じ、それがきっかけでバレエ少女化していました。
これも承認欲求の一つ。
なぜなら、自分の踊りが他人から認められることで楽しくなり、もっと上手くなって見ている人を驚かせたり感動させたりしたいという向上心につながっていたから。こうして考えると、承認欲求がなければ、人は成長しないのかもしれません。

だが、しかし!
こうした類の欲求は、知らぬ間に大きく成長しすぎて暴走するのです。この暴走するモンスターとどうやって渡り歩いていくかの葛藤、これが今日のテーマ。

ぱれすぅ〜の幻想と心の矛盾

バレエ少女時代のぱれすぅ〜がコンクール会場で聞いた、当時の母の小言。
「あの子の踊り、オーロラ姫じゃなくて、あの子自身なのよね。なんか、すごい自分を見て!って感じで、バレエ作品を見ている感じがしないわ」

そう。
バレエの難しさの一つは、ダンサーの表現がバレエ作品の世界観を体現できているか。
しかし、コンクールでは審査員の目を引く踊りをしなければならない。だから、自己顕示欲を曝け出した踊りが目立ったりすることも。

今となって思えばそれだけ素直に自分の欲を表現できる人はすごいと思うのですが、当時のぱれすぅ〜は以下のように思いました。
「私は作品世界を表現できるダンサーになりたい。だから、自己承認欲求は封印して、ただ献身的に踊る職人になろう。私は群舞でも浮くことのない、正統派バレエダンサーになりたい。」

そう。この自分で科した美学こそ、自分自身を苦しめる元凶となりました。
なにせ矛盾で溢れているのです。
人に評価されることに喜びを感じて踊り続けていた人間が、バレエを美しい世界であると信じたいがためにその心にある「認められたい」という欲求を封印し、自分の欲求とは無縁な人形になろうと思っていたわけですから。

しかし、現実はそんなに甘くありません。

その後、ぱれすぅ〜の踊りはどうなったのか。
燻る承認欲求を抑えて踊りつづけた結果、彼女の踊りはどんどん小さくなり、周りの評価を恐れながら踊る臆病者になりました。練習を重ねてテクニックは上達しても、表現力が足りないと言われ続けました。誰かの心を打つダンサーになりたいという当初の目的からは、遠ざかっていたのです。

このことから分かったこと。

実際にダンサーとして生きている方々は、操り人形のような精神で踊っているわけではない。彼らは、それぞれ野心や承認の喜びを原動力に踊り続けている。大事なのは、その承認欲求と演者としての作品再現力のバランスである、と。

結論、当時のぱれすぅ〜はこんなにも単純なロジックをも発見できない、大バカ者だったのですw

人に評価されるのは怖いけど、聞きたい。

バレエに限らず、SNSにおいて写真や文章をアップしたりすることやまさに今私がしているようにブログで世界に発信する、こうした行為の中には必ず承認欲求や自己顕示欲は存在します。もしそうでないのだとしたら、なぜ人はわざわざ日常の何気ないクリップを他者に共有するのでしょうか。

こうした欲求の名前を聞くと、ぱれすぅ〜は自然とネガティブに捉えてしまいます。なにせ、カップルのキス写真で溢れかえったSNSや「私ってすごいでしょ!」全面の踊りを連想してしまい、ぱれすぅ〜はそういったものが苦手だから(それらを否定するつもりはなく、苦手と思うのはあくまで個人的な感情で、この感情があるからこそぱれすぅ〜の葛藤は続くのです)。知りたくもない元恋人の近況を共通の友人を通して知ってしまったとき、SNSの恐ろしさを思い知りました。

私は人に評価されることが苦手、というより怖いです。
コンクール会場で表向きは「上手だね〜、すごいいい踊りだったよ〜」と言っていた人が、裏では貶しているのをよく見てきました。それはSNSもまだ発達していない時代なので本人の知らぬところですむ話だったわけですが、言葉では知らなくとも人間関係において信用できていなかったのは事実で。
承認欲求を封印していた当時のぱれすぅ〜は、こうした心ない言葉を向けられることを恐れていました。それが次第にプロのダンサーになれないと思った決定打となったわけです。

だが、しかし!

大学生になってから、ちょっとした意識改革が起きました。
それは評価を恐れから聞きたいへと転換する大きな変化。

と、話が思ったより長くなりそうなので、続きは、次回!


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