『フレンチ•ディスパッチ』を観る


 週末、『フレンチ•ディスパッチ』を観に行った。フランスの架空都市で繰り広げらる雑誌編集部の物語で、ストーリーがパートごとに分割されている。言わばオムニバス形式に近い。

 実は私自身、ウェス•アンダーソン監督作品をあまり知らない。(これから観ます…小声) 『ライフ•アクアティック』だけ観たことがある。壮大なセットに風変わりな演出が頭に残る。
 『フレンチ•ディスパッチ』も白黒とカラーの融合、画面比率の変化など、頭で考えても導き出せないウェスアンダーソン独特な演出が目立つ。電車や飛行機などの乗り物を真っ二つにして、その内部構造を鑑賞者に示すアイデアは『ライフ•アクアティック』に似ている。膨大な製作費がセットに注ぎ込まれていることが一目でわかるし、観ているだけで面白い。緻密に計算されたショット一つ一つは絵画を彷彿とさせ、映像を観ているという感覚を忘れさせてくれる。
 また役者が状況説明を鑑賞者に向かってするところはドキュメンタリーチックで、典型的な劇映画とはかけ離れていれる。
 確かに内容面では情報が氾濫している。おそらく私も全ての情報を吸収していない。劇中、フランス語と英語 (日本語字幕) が交互に飛び交っているからだろう。それに『フレンチ•ディスパッチ』はニューヨーカーからインスパイアされた作品らしいが、私は元ネタを知らないので悔しい。
 けれど映像それ自体が持つ視覚的娯楽性が作品の中で最大限に活かされ、観ている人にインパクトを与えているから非常に楽しめる。久しぶりに映画を作った監督や製作陣が天才に近い存在だと思ったし、また観たい。
 アニメーションと実写の融合など卒業制作の参考にしたいところがたくさんあったけど、私には無理だろうな…笑





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