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家事育児をしない高圧的な夫への対応〜実例に学ぶ回復のヒント〜

朝日新聞に、高圧的な夫の対応に苦しんできた50代女性のエピソードがありました。

夫婦の関わりの参考になるのではないかと思い、紹介します。(一部加工しています)

事例に学ぶ(前半)

関東に住む銀行員の女性は、友人を介して知り合った男性と32歳で結婚した。「まじめで穏やかな人。この人の前なら自然体でいられる」
周りには寿退社する女性が多かったが、働き続けた。仕事にやりがいがあったし、経済的に自立していたかったからだ。

37歳で長男を出産後も、長男を保育園に預けて職場に戻った。
「子どものためにきちんとしなきゃ」。帰りが遅くなっても一汁三菜を用意。寝る子は育つと午後9時までに寝かせた。
一方、夫は出産後から威張るような態度をとるようになった。
「お風呂を洗ってやった」「運転してやった」――。何かをお願いするたび「してやった」と言う。それでも、けんかをしたくなくて言い返せない。

ある日、「俺は子育てを手伝ってやんないぞ」と言われた。「今まで手伝ってたの?」。そう聞くと、夫は否定しなかった。
職場で午後5時までに仕事を終わらせようと頑張れば、むしろ新しい仕事が降ってくる。家事も育児も「終わり」はない。わけもなく、涙が出るようになった。
大好きな読書に使える時間もない。自分がすり減っていくしんどさで、息子が小学校に上がる頃に退職した。

それからだ。夫が高圧的になったのは。
「俺をアテにするな」「俺に家事をやらせるな」
外で働いている人だけが偉いんじゃない。
そう思ったが、口には出せなかった。
部屋にあるカレンダーをめくり忘れているのに気がついた時。夫がやってくれるかなと待ってみた。3日経っても前の月のカレンダーのまま。「カレンダー1枚すらめくってくれないんだ」。いやな気持ちになるくらいなら、全部自分でやろうと決めた。

中学校の社会科で「家父長制」を習った息子が「これってさ、うちだよね」と口にしても、否定できなかった。多感な時期に、両親を男性が支配的な構造だと感じさせてしまったことが申し訳なかった。

『朝日新聞』より

さて、ここまで読んでいかがでしょうか。

特にあなたが女性であれば、「こんな夫はけしからん!」「妻がかわいそう」と感じるかもしれません。

この主人公の女性に救いはあるのでしょうか。

事例に学ぶ(後半)

女性はいま50代半ば。
数年前、義父を献身的に介護する義母の姿を見て、「夫を献身的に介護できるだろうか」と不安になった。

家庭のネガティブな話はできないと1人で抱えてきたが、昨年6月に初めて、夫からの暴言や家庭での悩みを友人に相談した。
友人は「そんなひどいことを言われたことない」と驚いていた。
夫から否定的な言葉を浴びるたびに、自分はだめなんだと落ち込んだ。
でもそうじゃなかった。
「私が傷ついてきたのは正しかったんだ」それからは夫に何を言われても、「私に怒ることじゃないよね」と冷静に返せるようになった。

来春には、大学進学のために息子が家を出るだろう。夫のためだけに洗濯やご飯の用意はしたくない。
ふと、結婚当初から家計簿に書いていた一行日記を見返した。新婚当時、お互いにいたわり合っていた日々がつづられている。
結婚するとすれ違ってしまうのかな。「察してほしい」と何も言わなかった自分も悪かったのかな。息苦しさを抱えたまま2人で生きていくのかな――。私はこれからどう生きていきたいのだろう。答えはまだ出ない。

『朝日新聞』より

事例の解説

結婚して20年近く経過しましたが、ようやく夫に対して、言い返せるようになったとのことです。

そのきっかけとなったのが、友だちへの相談でした。

自分の置かれている状況の理不尽さや、自分の夫から受けた心の傷が正しかった、ということを認識したことによって、今まで言い返せなかった夫に立ち向かえるようになったのですね。

長年、支配服従の関係が続くと、それが当たり前となってしまい、その異常さに気づかないということがあります。

また、このような関係においては、感覚がマヒして、モラハラを受けている側が、「私が悪いんだ」「私さえガマンすればいいんだ」というモードにもなりがちです。

そのことが、異常であるとか、あなたの傷つきが正当であるということ認識することが、まず大切なステップだということがわかります。

また、夫が妻に対して高圧的な態度を取る背景も記事から垣間見れます。

「義父を献身的に介護する義母の姿を見て」

夫も、長く、妻が夫を献身的に支える、そんな家庭に生まれ育ったのです。

一家の主たるもの、強くあらねばならない。
夫は威厳を保ち、妻は、夫の言うことをただただ従っていく。

それが当たり前であり、夫としても、妻に対する言動に、それほど悪気がなく、それが普通と捉えていたかもしれません。

このような場合、必要なのは夫婦での対話なのです。

記事の中で妻も述べていますが、「察してほしい」といいながら、何も言わないとしても、夫は自分の都合よく察してはくれません。

言葉にして、自分は何がつらいのか、困っているのか、夫に対してどうしてほしいのか、伝える必要があります。

カウンセラーの必要性


とはいえ、「妻は夫に従うもの」が当然という夫に対して、対話を持ちかけるというのは、相当勇気が必要です。

また、子どもが巣立った後、今後どう生きていけばいいのか、簡単に決められることではありません。

この妻は、友人の存在により、救われることができましたが、悩みを気軽に相談できる相手はいないという人もいらっしゃると思います。

たとえいたとしても、「そんなの離婚すればいい」とか、「言い返せないあなたがダメなんだ」などと、乱暴な対応すれば、かえって傷つきが深まるかもしれません。

そのような方に、僕ら、カウンセラーをぜひ上手に活用してもらいたいと、願っています。

カウンセラーは、クライアントの方に、とことん寄り添って、過去の傷つきを癒やしていきます。

「こうに違いない」「これしかない」と、視野が狭まったり、凝り固まっている方に対しては、別な見方や考え方の可能性を示します。

人間関係に悩む方に対しては、その相手に立ち向かうための「守り」となっていきます。

簡単に答えが出せない問いに対して、一緒になって悩み、考えていきます。

心の悩みに対して、一人で抱えすぎることなく、気軽にカウンセリングを受けられる、そんな世の中になればいいと思います。


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