【ロボット手術の安全性向上】術野を広く見渡す広視野角カメラを開発したぞ

ある局面を離れた位置の視界でものを考えることを「俯瞰的な見かた」など例えられる。たしかに目の前のことがどうしてもうまく行かなくて行き詰まった時も、時間をおいて少し離れて考えてみるとあっさりうまくいくなんて事がよくある。

似たような意味で鳥瞰と言う言葉があって、概ね似たような用法だけれど、空飛ぶ鳥のような見方をするので、もっと広い視野の見方に例えられることも。

アサシンクリードというゲームには主人公に「鷹の目(イーグルビジョン)」という能力があって、知らない街に入った時、一番高い建物の頂上に登ると全体を見渡すことで街の見取り図が頭に入る。鳥瞰の極みと思える能力。スカイツリーの頂上に登れば、東京全体が頭に入るだろうか。いや、せいぜい豊田区かな。


愛媛大学医学部附属病院消化器腫瘍外科の研究グループはシャープ株式会社、株式会社コスミックエムイーとの共同で、超小型広視野角監視カメラ「バードビュー(BardView)」の開発に成功した。

このバードビューはロボット手術におけるカメラの視野角を大きく広げ、従来の視野角では収まらなかった場所の異変も視認できる。

ロボットによる腹腔鏡下手術は傷が小さくて疼痛も少ないし、術後の回復も早いので普通の開腹手術よりも成績がよかった。

しかし、臓器損傷による合併症が少なからず生じていたという事実もあった。

ロボット支援による手術はどんどん操作性や手ぶれ防止機能がつくようになったけれども、触覚が欠如していた。この短所のせいで術中の臓器損傷によっての合併症が生じたという報告がそれなりにあったという。

視野が届かない場所でロボットの一部が臓器を傷つけていたのだろうか。

そこで、俯瞰するように監視が出来る超小型の広い視野角を持つ腹壁固定型カメラが開発された。

100°以上ある視野角は腹腔の全面がほぼ見える。これによって、より安全なロボット支援手術が可能になるだろう。

この安全性の向上によって、いずれは画像認識でAIがオートパイロットするんじゃないのかななんて思っているけれど、まだもうちょっとだけ先になるだろうね。

#日本の研究

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