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~光と影の戯れに生きること~映画「Perfect days」

 映画が終わり、エンドロールが流れる。作品の余韻を味わいながら観て
いると、「木漏れ日」という言葉の意味を説明する文章が表われた。ヴィム・ヴェンダース監督が求めたテーマに関係するのだろうか?

 東京・渋谷区内にある、公衆トイレの清掃員・平山(役所広司)の日常を描いた物語である。確かに、主人公がフィルムカメラで「木漏れ日」を撮影するシーンが何度か出てくる。プリントアウトした写真を眺め、自分の感性に合うものを選り分ける場面もある。

 また、平山が見るモノクロームの夢にも「木漏れ日」が現れる。「木漏れ日」が、この映画を読み解く「鍵」になるのかもしれない。

「木漏れ日」は、枝葉の間から漏れる陽の光を意味するが、地面などに映し出された「光と影が織りなす模様」もその範疇だという。

 平山の身辺に、「Perfect days 完璧な日々」を揺るがす様々な出来事が起きる。彼の心に照らし出された「木漏れ日」は、どのような「人間模様」を描くのだろうか? 

はなびらに新春の風はたのしく、
草原の花の乙女の顔もたのしく、
過ぎ去ったことを思うのはたのしくない。
過去をすて、今日この日だけすごせ、たのしく。
(オマル・ハイヤーム・ルバイヤートの名言から『ルバイヤート』)


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