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#261 数字で子どもを測ると、ぼやける

実態把握

僕たち教員は、子どもの実態に合わせて、様々な取組を行う。となると、子どもの実態を適切に捉えなければならない。学力、体力などを職員全員で共通理解することが大事だ。そこで、「実態把握」という言葉が使われる。

言葉と数字

どうやって「実態把握」するのか?

最も多用されているのが、担任や担当による所感だ。
「うちのクラスは、自分の考えを話す力が落ちています。」
「うちのクラスは、規範意識が弱いです。昨日も、男子3名が、公園で・・・。」

それに対して、少ない数の方が、心の中でつぶやいている。
「それって、あなたの捉えですよね。本当にそうなんですか?」
「落ちているってどういうこと?全員できない?できない子が多い?」

そこで、出てくるのが数字だ。
「学力検査では「資料の読み取り」の通過率が34%でした。クラスの1/3しかできていませんので、学級の課題になります。」

どうです?説得力ある感じがしますよね。

数字の落とし穴

数字は事実なので、説得力があるんです。
しかし、数字は事実であり、正しいのですが、その解釈は人が行います。

一つ例を挙げると、先ほどの資料の読み取りですが、これまで子どもたちが解いてきた問題とは、逆の意味で問われていました。いつもは「よくなるため」の取組を選ぶ問題ですが、今回は「悪くなってしまう」取組を選ぶ問題でした。(恥ずかしながら、僕も間違えました。)
ここから分かることは、落ちていたのは「資料の読み取り」ではなく「題意を正確に捉える力」です。

実は、数字にすると抽象度が上がる

数字にすると、抽象的になってしまいます
だから、分析をするんです。この数字(事実)から何が分かるのか?何が原因でこの数字が出てきたのか?

数字だけで子どもを観ると、ぼやけた児童像ができあがります。
そんな「児童」は存在しません。

数字に意味をもたせる言葉も必要です。
言葉は人によって解釈やもっているイメージが異なることがあります。
それを共通理解するために会議を行っています

学校組織で行われていることは、そんなに悪くないと思っています。
だた、その目的が共有されていない、余裕がなく省略してしまうようでは、「ムダな会議」になってしまいます。

結局・・・

子ども一人一人を観ることが基本ですね。
この「心構え」だけは、いつでも忘れないようにしたいものです。

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