shigara

地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのため…

shigara

地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのためになるかもしれない。 若い先生に届けたいという思いでスタート。そして、いつかどこかで一緒に働く仲間へのメッセージでもあります。 よろしくお願いします。

マガジン

最近の記事

#266 学級を壊すキラーワード

学級崩壊の原因は?公立の小学校では、子どもたちは「ある地域に住んでいる」だけで、一つの学級にまとめられています。そんな子どもたちがまとまり、協働しながら日々の生活を送るのが学校生活です。 そんな学級のまとまりを壊す原因は何か? 個人的な意見になってしまいますが、ズバリ 「人間関係」 にあると思います。 学級において、互いを「信じられない」状態になると、簡単に学級は崩壊します。 相手を信じられないと、互いの協力は生まれません。 さらに、互いに注意し合うような抑制もな

    • #265 その感情は誰のせい?

      感情労働教師という職業は、頭脳労働であり、肉体労働であり、感情労働です。 「感情労働」とは、「相手の精神を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発、抑圧することを職務にする、精神と感情の協調が必要な労働」です。(社会学者のホックシールドさんの定義です。) https://note.com/passtime55/n/n4597d43fc0fa 僕たち教師は、30人前後の子どもと生活を共にします。その中で、様々な感情が沸き起こります。 うれしかったり、くやしかったり、悲しか

      • #264 子どもと会話を続けるには?

        春の出会い春は、出会いの季節。3月にお別れがありましたが、新たな子どもたちとの一年がスタートします。子どもたちにとっても同じです。 どんな子かな?どんな先生かな? お互い、気になりますよね。 一部の子たちは休み時間になると、机の周りに集まってきて話しかけてくれます。来るけど、話せない子もいます。 質問、お知らせを会話にする「先生は何歳ですか?」 「好きな遊びは?」 「僕ね、サッカーやってるんだ。」 「私のお父さん◯◯で働いてるんですよ。」 これらの質問やお知らせを続けて会

        • #263 あなたの職員室の心理的安全性は?

          教育界に求められる生産性ついに、僕の耳にも、「タイパ」「コスパ」という言葉が入ってきました。教育現場において、残業問題、業務の効率化の問題は昔からありました。 自分が好きでやっている人もいるのですが、それが「当たり前」、「やらない人はダメな先生」と思われてしまうこともあります。 これだけではないと思いますが、教員志望の減少の一因に挙げられています。 そこで、僕たち教員にも「生産性」が求められています。 あのGoogleが決定づけた世界を代表する大企業Googleにおいて、労

        #266 学級を壊すキラーワード

        マガジン

        • スキ
          1本

        記事

          #262 時間軸を長くして、子どもに関わる

          新年度が始まりますね。「春休み」とは、子どものための名称で、我々教師は1年で最も多忙な時間を過ごします。初日に担任、分掌発表があり、校長の学校経営の方針を受け、そこからはノンストップで子どもたちの登校日に向けての準備です。 教室環境の整備、時間割、さまざまな年間計画を受けての学年経営の方針決め、教材選びなどなど。 ここで大切にしたいのが「時間軸の長さ」です。 時間軸の長さ授業を例にします。 時間軸の短い先生は、 「明日はどこやるんだっけ。」と言いながら指導書を開く。 時間

          #262 時間軸を長くして、子どもに関わる

          #261 数字で子どもを測ると、ぼやける

          実態把握僕たち教員は、子どもの実態に合わせて、様々な取組を行う。となると、子どもの実態を適切に捉えなければならない。学力、体力などを職員全員で共通理解することが大事だ。そこで、「実態把握」という言葉が使われる。 言葉と数字どうやって「実態把握」するのか? 最も多用されているのが、担任や担当による所感だ。 「うちのクラスは、自分の考えを話す力が落ちています。」 「うちのクラスは、規範意識が弱いです。昨日も、男子3名が、公園で・・・。」 それに対して、少ない数の方が、心の中

          #261 数字で子どもを測ると、ぼやける

          #260 児童理解って、こういうこと

          一年が終わるさて、年度末ですね。春に出会った子どもたちとのお別れが近づいてきました。この時期になると、給食時間に一人一人の顔を見ながら、振り返りをし ます。 「この子のこと、どれだけ知ることができたのだろう。」 児童理解教育において大事にしたいことベスト3があるとしたら、多くの先生が挙げるのが「児童理解」だと思います。よく使われる言葉です。僕の中での定義は、「その子と人、モノ、コトとの間を理解すること」です。 人との間 友達との関係、教師との関係、家族との関係、地域の方

          #260 児童理解って、こういうこと

          #259 「幸せに働く」教師のマインド

          教え子との再開先日、バッタリ教え子に会った。 数メートル先から「なんか見たことある顔だなあ」と思っていたら、目が合い出し、「◯◯先生、(自分の名前)です!」と。 183cmの僕と目線が合うくらい大きくなっていた。(184cmになっていたので、物理的に僕より大きくなった、初めての教え子だ!) 4年生から卒業までを担任させてもらった子。人前で話す時に声が小さくなる子だったが、立派にあいさつしてくれた。心が静かにあたたかくなった。 教師の喜び卒業シーズンになると聞こえてくる言葉が

          #259 「幸せに働く」教師のマインド

          #258 やる気が感じられない

          ハッとさせられた教職について5年が過ぎ、「教師」という仕事にも慣れてきた頃のことだ。 どうにも授業中の態度が気になる子がいた。ノートをだらだらと書く、話をしても目がこっちを向いていない、自分の考えなんて書くわけもない。 ある時、教務の先生が僕のクラスで授業をしてくれた。僕は授業を参観していた。指示や発問の的確さを学ばせてもらっていた。同時に、子どもの様子も観察していた。 すると、あの子がいきいきと授業に参加していたのだ。 「やる気が感じられない」のは誰のせい?僕は、子ど

          #258 やる気が感じられない

          #257 対立はどこから生まれる

          職員会議における対立物事を決定するために行われる会議。そこでは、意見の対立が起こる。(もしかしたら、確認するだけの職員会議をしている学校があるかもしれませんが・・・) 提案者からÅ案、B案が提示される。ブロック(小学校では、低・中・高学年をブロックと呼ぶことがある)で話し合い、意見を発表する。この意見を基に司会がまとめていく。 職員会議に見られる対立には2つのパターンがある。 ①考えの違いによる対立 ②立場の違いによる対立 考えの違いによる対立例えば、目指す児童像に対す

          #257 対立はどこから生まれる

          #256 「共感」のはずが学級内格差が

          気が付くと・・・互いを思いやり、ともに育つ集団を目指していたが、学級の中には明確な上下関係が生まれている。しかも、この状況を生み出した要因が自分にあったとしたら。 学級担任として、こんな恐怖はないですよね。 こんな状況を生み出してしまうことは、起こり得ます。 どこに問題があるのか? その答えは「共感」の捉え方です。 共感とは?精神科医の樺沢紫苑さんは、共感と同情の違いをまとめています。 なるほど! 共感は、主語を「相手」にして、相手の枠組みで理解すること。 同情は、

          #256 「共感」のはずが学級内格差が

          #255 心が折れるより、骨が折れる方がいい

          「廃品の遊び場」僕が観ていた「ドラえもん」に出てくる遊び場は、公園ではなく空地だった。そこにはコンクリート管があり、ジャイアンがステージにしていた。 僕が子どもの頃、多くの時間を過ごした場所はどこだったかな? 公園よりも、空地や雑木林、工事現場で遊んでいた。 戦後間もない頃、ヨーロッパに、子どもを束縛せず、遊び心を開放する場所を造った人物がいる。そこには遊具はない。そのかわり多くの廃材があった。また、ルールや安全規制もない。そのかわり子ども自身が責任を負うことになる。「廃

          #255 心が折れるより、骨が折れる方がいい

          #254 情報を聞くなら、思考も聞こう!

          情報が欲しい!「教育」という営みにおいて、日々、試行錯誤する。いや、試行錯誤する余裕がない日もある。忙しさに比例するように、子どもたちのための指導法への飢えも増幅していく。 子どもが夢中になる指導法はないか? 子どもに力をつける指導法はないか? 時間、心に余裕がないので、「情報」を欲してしまう。 明日から使える「情報」が欲しい。 それに応えるかのように、書店にはすぐに使える「情報」系の書籍が並ぶ。検索すれば、すぐに実践に結びつく系のセミナーが見つかる。 本を手にして

          #254 情報を聞くなら、思考も聞こう!

          #253 子どもに対して、どこに立つ?

          若さという武器教育実習に行ったとき、ほんとに子どもに囲まれました。大学生の先生もどきは、子どもたちにとって格好の遊び相手になりました。もしかしたら、日常に現れた異分子に群がっていただけかもしれませんが。 採用され、現場に立つようになると、「若さ」について2つのメッセージをもらいました。 「若いっていうのは武器だよ。若いだけで子どもは寄ってくるから大丈夫。」 ⇒「若さという武器」を生かしなさい。 「若いだけで、子どもは寄ってくるから。でも、若さだけだといずれ子どもが離れる

          #253 子どもに対して、どこに立つ?

          #252 会議が膠着した時にできる一言

          教育課程編成あるある2学期後半から3学期にかけて、学校では「教育課程編成」が行われます。 教育課程編成とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育内容をどうするか、という教育計画を全教職員が協力して作成するものです。校長から全体の方針が示され、それを受け、様々なグループで目標を設定し、具体的な取組を計画します。 さて、ここで「教育課程あるある」が発生します。 「文言」どうする問題 例えば、目標に「規律」という言葉が使われたとします。 ここで、皆さんはどんな印象を受け

          #252 会議が膠着した時にできる一言

          #251 指導法に正誤はあるのか?

          あなたの学級はどうしていますか?Å:発表するときは、指先をまっすぐ挙手し、指名されたら立って発言させる。 B:自分が話したいことがあったら挙手し、指名されたら発言させる。 C:発言したいときは、周りの様子を見て、自由に発言してよい。 教師あるあるの一つですね。特定の場面において、どんな指導をしているかについて情報交換をしたことがあると思います。 ・発表のさせ方は? ・宿題は? ・給食当番は? ・ノートの使い方は? 同期で話したり、職場の先輩のやり方を教えてもらったりと、誰も

          #251 指導法に正誤はあるのか?