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哲学を学ぶ理由

エントロピー増大の法則

秩序あるものはすべて秩序のない方向にいこうとして逆らうことはできない──というのが「エントロピー増大の法則」という宇宙の大原則。
例えば、形あるものは壊れるし、淹れたてのコーヒーは冷めるし、大恋愛だって冷める(笑)。それはエントロピー(「物質の状態の乱雑さの程度」を数値化したもの)が増大していく方向にしか、時間は動かないからです。

参考サイト>>>生物学者・福岡伸一ハカセが考える、生命体としての美。「本来の姿こそ美しい」のは何故か? | Vogue Japan

これは、宇宙の大原則であり、生命の大原則であり、そして思想の大原則であると思う。
そこに、哲学を学ぶ意味がある。
身体の軸と対比させて、思考の軸として、簡潔に説明する。

身体の軸

私たちの身体が安定して、負担の少ない動きをするためには、動的に安定して「身体の軸」をつくる必要がある。
世界最高峰の手挽きコーヒーミル、コマンダンテでコーヒー豆を挽いているときのスムースさは、軸の安定性によって得られる(コーヒーラバーにしか分からない例えですいません)。
ただ生命は常に合成と分解を繰り返しているので、あくまで動的に安定して「身体の軸」をつくることが大切である。

思想の軸

身体の軸と同じように、私たちが発狂せずに生きていくためには、これまた動的に安定した「思想の軸」をつくる必要がある。

ここに、私たちが哲学を学ぶ意味があるように思う。

そしてここでも大切なことは、「動的に」安定している、ということである。
私たちは、考え方に一貫した軸をもった人に憧れる。けどそれは、逆説的に、人間が思想に一貫した軸をもつことは(ほぼ)不可能であることの証明となる。
私たちは常にエントロピー増大の法則に晒されているのだから、「思想の軸」にも常に破壊されるエネルギーが働いている。つまり、私たちは常に「思想の軸」をつくり続けなくてはいけないのだ。

哲学は、私のような凡人には到底思い付かない思想の宝庫だ。
それに触れ続けることで、なんとか動的な平衡を保つ。

それが、動的に安定した「思想の軸」となる。
哲学を学ぶ理由は、そこにある。

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