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第72期司法修習を終了した者

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【司法研修所起案対策】供述の信用性(刑裁起案・検察起案・刑弁起案)

1 考え方主に刑事裁判・検察・刑事弁護の刑事系科目を念頭に,供述の信用性について司法研修所起案との関係でどう考えるとスムーズに処理できるかを説明する。 結論として,供述の信用性は「実際にあったことを,正しく認識・記憶し,嘘偽りなく述べた供述は信用できる」という3段階の判断軸に照らして判断すればよい。逆に「実際になかった」,「認識・記憶に誤りがある」,「嘘をついている」といえる場合には,その供述は信用できない。 個人的には,嘘をつくなんて口先だけでできる非常に簡単なことであ

    • 【司法研修所起案対策】民弁起案

      1 全般司法研修所の民事弁護起案につき解説する。 2 訴状・答弁書・最終準備書面(1) 総論要件事実が認められること・認められないことを一方当事者の立場から主張していくもので,ベースは民裁の要件事実・事実認定の勉強ですべてカバーされるはずである。要件事実・事実認定につき,民弁特有の勉強というものはない。 民裁との差があるとすれば,民弁では,主張立証責任が自分にあるか相手方にあるかそれほど気にしないことである。主張立証責任にかかわらず,すべての要件事実について,自分の立場に

      • 【司法研修所起案対策】刑弁起案

        1 全般司法研修所の刑事弁護起案につき,想定弁論を中心に解説する。 2 想定弁論(1) 考え方公判前整理手続終結時点の記録と被告人等への事情聴取メモをベースに,最終弁論でどのようなことを述べるべきかを想定したものを,15枚程度で起案する問題である。何をどのように書くべきかは,白表紙である「刑事弁護講義ノート」にまとめられているので,起案までの必要なタイミングで読んで理解すればよい。 (2) 研修所の方針ところで,刑事弁護については神山弁護士が教官になった67期から大きく方

        • 【司法研修所起案対策】検察起案

          1 全般司法研修所の検察起案につき解説する。 どのような設問が出て,どのように考えて,何を書けばよいかについては,すべて白表紙の「検察終局処分起案の考え方」(以下では,平成28年版に基づきページ数等を記載する。)に書いてある。実務修習での検察一斉起案の前に,熟読・書写して覚えるぐらいしてしまえば,その後はとても楽になる。なお,平成28年版は山中弁護士のブログで公開されている。72期で若干の改訂箇所(「記載を省略してよい」となっていたものが「きちんと書け」に変わっている部分が

        【司法研修所起案対策】供述の信用性(刑裁起案・検察起案・刑弁起案)

        • 【司法研修所起案対策】民弁起案

        • 【司法研修所起案対策】刑弁起案

        • 【司法研修所起案対策】検察起案

          【司法研修所起案対策】刑裁起案

          1 全般司法研修所の刑事裁判起案につき解説する。 設問ごとに,どこからどこまで手続が進んだか,どこまで証拠が提出されたかが指定される。設問を解く際は,その指示どおりの箇所までだけを読んで解答するのがよい。その時点でまだ提出されていない証拠を引用することが防げる。提出されていないはずの証拠を参照すると教官に怒られる(減点されるのかどうかは知らない。)。 もっとも,先の設問で読んだ記録から,「この発想は第1問を解く際になかった」と思う場合があるから,それを防ぐために先読みをし

          【司法研修所起案対策】刑裁起案

          【司法研修所起案対策】民裁起案3(事実認定)

          5 設問4(事実認定)(1) 設問の概要請求が認められるか否かの結論を解答した上,理由を説明する問題である。 請求が認められるか否かの結論は,起案要領に「全部認められる」「一部認められる」「認められない」などの選択肢が書いてあるので,その中から選んで記載する。 理由の説明では,請求原因事実のうち,設問3で争点であると解答した要件事実につき事実認定をして,請求原因事実が全部認められるかどうかを検討し,請求原因事実が全部認められるのであれば,次に抗弁以下について同様に検討し,

          【司法研修所起案対策】民裁起案3(事実認定)

          【司法研修所起案対策】民裁起案2(主張整理・要件事実)

          3 設問2(主張整理と争点)(1) 主張整理ア 総論民事裁判起案における主張整理は,事実認定と比べて,現場で考えたり気付いたりする必要に乏しい。請求原因事実は,基本的には訴状の「請求原因」の記載からピックアップするのであり,一からひねり出すものではない。抗弁事実は,答弁書の「被告の主張」の「1 通謀虚偽表示」の記載などに従って抜き出せばよい。再抗弁は,原告の第1準備書面か,先回りして訴状などに書いてある。要件事実をきちんと勉強していれば「思いつかなかった」ということはない設問

          【司法研修所起案対策】民裁起案2(主張整理・要件事実)

          【司法研修所起案対策】民裁起案1(全般・訴訟物)

          1 全般司法研修所の民事裁判起案について解説する。 まずは,問題文をきちんと読んで,問われているとおりに答えるのが大事である。 例えば,「なお,設問2以下は,附帯請求について考慮する必要はない。」と問題文にあれば,設問1(訴訟物,個数,併合態様)では附帯請求を含めてきちんと書き,設問2(主張整理と争点)以下では附帯請求に触れない。 具体的な例としては,訴訟物が, 主請求:準消費貸借契約に基づく貸金返還請求権 附帯請求:履行遅滞に基づく損害賠償請求権 で,弁済期が10月1

          【司法研修所起案対策】民裁起案1(全般・訴訟物)