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ご縁のある日

アプリで口座解約できちゃう便利な世の中

先日カモられた銀行の口座を解約しようと思って、来店予約を取らなきゃいけないかな?と調べたら、なんと!アプリで口座解約できるという。
残高ゼロにしてねって書いてあったので、残ってた3000円ちょっとを自分の他行口座へ振込んだらば、アプリの振込手数料154円…他のメガバンクのアプリは他行宛振込も無料なのになぁ。

カモ狩人が所属する支店は母が口座を持っていたA支店で、私の口座はウチの近所のB支店。別の支店とは言え、カモが生意気にも2件目の保険をクーリングオフした情報はきっと共有されてて、窓口へ行ったら何か言われるんじゃないかと疑っていたので、アプリで解約できるなんてホントありがたい!
…まあそう上手くいく筈はなかった。
エラーが出て「窓口でお手続きしてください」
窓口で手続きとなると普通は予約した方が待ち時間なくて良い訳だが、向こうで準備万端整えられて、今度は3人くらいでご相談にのっていただけてしまう様な事になりかねない!!…と妄想が炸裂した結果、アポなし朝イチで凸る事に。
アプリで口座解約出来ない場合の一覧に『生命保険』の契約がある場合というのがあって、もしかしてコレか?いや、でも一括で払っちゃったんですよ、もう取り返せないんですよ。受取口座はおろか受取方法も10年後に指定するって話*で、受取口座はどこでもイイと言われたし、これは毎月引落がある契約のみじゃないの?いや、もしかして勝手に受取口座として登録してあるのかな、やりかねないな、それで「10年後まで口座解約出来ません」とか言われたら暴れてしまうわ…とか被害妄想を膨らませ、悶々と就寝。

*受取方法は契約時に指定してあるんだと思い込んでました。保険って満期の時に受取方法と口座を指定するのが普通なんですって。生命保険協会の人が言ってました。そんな普通の事も知らないアホを賢くカモる流石のメガバンク様です。

「ちょっとこちらでお話が…」

ネギを背負ってない身軽なカモは9時過ぎに到着。ATMと窓口にひとりふたり程度しか客がいなかった。入り口でガードマンと行員のお姉さんが待ち構えていて、予約の有無と用件を聞かれる。
「アプリでもお手続きできますよ」とか案内されそうなので(個人の思い込みです)「アプリで解約出来なかったから」窓口に来たと強調して伝える。「今日はもう予約がいっぱいなので」と言われたが(いやぁ、予約、余裕取り過ぎじゃないですか?ガラガラなんですけども)、取敢えず通帳を預かるというので渡して待機。
今日は無理みたいな雰囲気を醸し出してたので、追い返されるのかなと思ったら、あっさり窓口に呼ばれた。

「残金をお渡しするので、現金受取りのところにチェックを」
「え、残高ゼロにしたから無いですよ」
「お利息があるかもしれませんので」
「昨日残高ゼロにしたんですけど」
「お利息が…」
ぇー、お利息なんてほぼゼロでしょ、昨日ゼロにしたのに何に利息が付くの?それなら残高ゼロにしてアプリで解約した人は利息貰えずに解約になるの?…とか思いつつ、仕方なくチェック。
番号札を渡され…
「ちょっとこちらでお話が」
うわ!! 絶対保険の話だよ!!
個室に入れられたらどうしようかと思ったけど(被害妄想)
普通に隣の窓口で。
「保険のご契約がございますが、お受け取り口座は他の銀行口座も指定していただけます」
「はい」そりゃここの口座に入金させて、また保険売りつけたかったんだろうなと妄想。
「お口座を解約されても保険は解約になりません」
…びっくり。銀行口座を解約して、銀行とは明らかに別会社である保険会社との契約も解約になるとか、何をどう考えたらそんな発想が出てくるんだ?! どんだけ酷い売り込み方をしているのか。すごいな、銀行、すごいな、保険。口座解約して保険契約も撤回されるならどんなに嬉しいか!! クーリングオフ期間を過ぎてしまった時の一発大逆転の裏技!!…あったら良かったのにな。
「ごにょごにょ…保険を解約されて…ごにょごにょ」
「はぁ?!」
沸点低いカモ、保険と聞いただけでキレ気味。いやぁ、契約前にこの勢いが欲しかったよ、自分。多分ね、カモられる様な人種はキレるタイミングが遅過ぎる。

「解約の理由をお伺いしt…」
「だって、カモにされただけでしょ!!!!」
「ぇ、ぁ…カm…ご説明にはご納得いただけn…」
「全く納得してません!!!!」
後でA支店へ連絡して、担当者と一緒に嘲笑われただろうな。
んでも、別の支店とはいえ、保険の事持ち出されて、カモは怒ってるんだ!!とちょっぴり主張出来て良かった。 笑われようと、もうどうにも出来なかろうと、無力だろうと、アホだろうと、泣きながら怒ってココの銀行を恨んでるんだ!! 人生で初めて「恨む」って気持ちが分かったよ!! (あ、流石に銀行の窓口では泣いてません)
ところでクーリングオフの理由って聞いていいんですね。聞いてイイから聞いてきたんだろうけど。余裕の煽りなんですかね。今後のカモ狩りの為のリサーチか(個人的な感想です)

こんな銀行とのご縁は要らない!!

ころん…とトレーの中で5円玉が裏返った。
なんと!! お利息5円いただきました。
頑張って、もう落ち着いているフリをして
「ありがとうごz…もにょもにょ」ぺこりーと5円を取り出す。

なんの皮肉か5円(ご縁)玉。

外に出てから
「こんな銀行とのご縁なんて要らねえよ!!」って
捨て台詞吐いて出てきたら良かったわと
機転の利かない自分に意気消沈。
小銭に厳しい銀行、受け取らずに出て来る事なんて出来ないだろうけど。

こんな5円(ご縁)ずっと持っていたくない、早く使いたい!!
いやしかし、現金自体あまり使わないもので、ずーっと手に持って歩いていた。持っていたつもりがどこかで落としたか置き忘れたか、いつの間にかなくなっていた。良かった。あんなご縁は持ち帰りたくない。

他の銀行で残高証明貰ったり、相続登記の相談に法務局に行ったり、中々充実?の1日が過ぎ、帰りのバスを待つ間にちょっとお茶しようと思って店に入ったら…

座ろうと思った席に5円玉が1枚。
今日は5円にご縁のある日。
もしこの5円玉が
私がどこかで落とした『あの銀行で受け取った5円』を誰かが拾って
この椅子に座った時にポロッと落ちたのだったら
ちょっぴりホラー。
ご縁は付きまとうもの。
おあとがよろしくないようで。

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