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意思決定のための臨床哲学のまとめ

これまで,臨床哲学の実践の一つとして,『意思決定支援』の解説をしてきました。

何度も確認していますが,哲学は絶対の真理を探究する方法ではなく,誰もが納得できる共通理解を見出していく開かれた思考です。そして,それが臨床において,”答えのない問題”に対して大きな力になります。

意思決定支援をする上で欠かせないものの一つが倫理です。
倫理の語源には,「自分がいまいる場所でどのように住み,どのように生きていくか?」という”問い”があります。
それが,人間が住む場所の習俗や習慣を表すようになり,ルールとすべき価値基準を意味するようになったと言われています。
倫理を考えるということは,「他者と生きていく上で,どのように振舞えば人のみちを外れないか?」と考えることです。

それを踏まえて,臨床倫理を考える上で基本となるものに,ビーチャム・チルドレスの臨床倫理の4原則というものがありました。

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また,倫理的に考えていくには,現状の整理することも重要です。
その手法として,Jonsenの四分割という方法を紹介しました。

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そして,意思決定をする上での,インフォームドコンセントを本質を改めて確認しまた。

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インフォームドコンセントは”説明と同意”ではなく,情報共有と合意のプロセスであり,合意までの過程が重要です。
また,その時に起こる意見の違いを,「価値観が違う」で一蹴するのではなく,「なぜそう考えるのか?」という意見の背景に耳を傾けることが必要になります。

以上,意思決定支援のための臨床哲学をまとめてきました。
まだまだ基本的な内容ですが,まずはここまでの基本事項を押さえておきましょう。

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