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何故、インフレになったのか? -Appendix: 効率的市場仮説とは?-

何故、インフレになったのか? -Appendix: 効率的市場仮説とは?-

こんにちは、金です。前回までのNMD Castで何回か効率的市場仮説の話が出たが、よく考えたら、この用語は一般的でないのかもしれない。簡単な私なりの解釈をここに述べたいと思う。

定義はWikipediaなどにもある。これらの参照でもいいが、人によって解釈は違うかもしれない。ここでは、私なりの解釈を簡潔に述べよう。結論から言うと、効率的市場仮説とは、例えば、証券価格が、市場のダイナミクスの均衡点に近づく可能性が高いと解釈するのが、妥当なのでないだろうか?そういう仮説だと思っている。

株価で考えてみよう。標準的な考え方だと、株式は配当を受け取る権利とある意味、経営に参画する権利を持つクーポンだと考える事ができる。配当はPL上の下の方にある利益から捻出することから、DCFで株価を考えるのが妥当であろう。要は、現在及び、将来利益を利子率で割り引いた総和である。このあたりはファイナンスの標準的入門書に詳しいので、参考にしてほしい。

では、DCFで株価が決まるなら、株価は常に真の株価なのだろうか?ちょっと勝手が違うと思う。何故なら、企業の利益はリアルタイムではオープンにシェアされてないからである。イベントドリブンという用語を聞いた事があるかもしれない。例えば、ソニーがAibo3をプレスリリースで発表する。すると、市場がそれを好感して、ソニーの株価が上がる。これを数値で考えるとソニーの売り上げ高及び、利益が増されるだろう。配当が増されるだろう。なので、DCFでつながってる株価が上がると予想される。なので、ソニー株を買おう。そういうトレーディングの考え方だと思う。

そして、最終的には決算短信などで、財務諸表が公開され、完全なその会社の現在価値が分かる。それでも、将来価値は予測だが。

そういう意味において、ある意味、株価は利益の予想ゲームみたいなものだと思うが、大抵は真の解にはすぐに辿り着けないのは、たいていの人は気づくだろう。真の解があると仮定しても、そこにすぐに収束することはないと思う。徐々にだろう。そう、筆者は株価の推移は利益予想を発端とする、ダイナミクス、すなわち、動的挙動に見えて仕方がない。これは筆者が制御工学出身だからかもしれない。

まとめると、真の株価は理論的には存在すると考えられる。売り買いやニュースやIR資料を通じて、徐々に真の解に近づくだろう。でも、一瞬では無理。だからこそ、トレーダーによって、予測が違って、トレーディングが成立するのではないかと思う。

これが筆者の効率的市場仮説に対する理解です。参考になっただろうか?

今回はここまで。よろしくお願いします。

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
独立研究者。専門は戦略/IT/応用数学

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーに業務委託で週3勤務のお気楽プログラマとして参画したはずが、グロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, Research Degree)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honory mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/profile/

以上

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