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海外大学院留学の真実。イギリス、工学と博士課程。1.イントロ | 金 輝俊、Hwi Jun KIM

海外大学院留学の真実。イギリス、工学と博士課程。1.イントロ | 金 輝俊、Hwi Jun KIM

イントロダクション

高校生の時: 自転車競技部インターハイギリだし、究極の自転車を作ろう!研究者になればいいのかな?英米の大学院に行けば、RA(Research Assistant)やTA(Teaching Assistant)で授業料全額免除で給与も出るらしい。これは行かねば。大学はとりあえず、国内中堅国立工学部機械工学科。

信州大学 繊維学部 機能機械学科に進学。その後、筑波大学に三年時編入学。

筑波大学 第三学群工学システム学類から英国Coventry University大学院 M.Phil/Ph.D(三年制の一貫制博士課程)に飛び級入学した。

大学院の途中: やはり、発展途上国の問題では?開発コンサル?フェアトレード?国際的に残っている問題でメジャーはやはり北朝鮮問題ではないだろうか。統一朝鮮半島を作れないだろうか?東西ドイツの合併は当時経済的に潤っている方だった西ドイツでも難しかったみたいだ。韓国はそうでもないから、朝鮮半島統一は難儀するかな。やはり、韓国経済をグローバル最適化するしかないのでは?ゴールドマンサックスを初めとした、外資系投資銀行のIBD(投資銀行本部)に行けばこういうことできるかな?あるいは、ITのERPでもいいかもしれない。

よし、制御工学は院で終わりにして、外資系投資銀行かITに行こう!Ph.D(博士)は取らないで、M.Phil(Upper Master、Research Degree)で終わらせた。

イギリスの大学院博士課程で何があったのだろうか?普通に就職するなら、後、1-2年研究を続けて、Ph.Dを取って、ジャガーかデンソーUKに研究者として行けばいいだけである。イギリスで何があったのか?イギリスの大学院博士課程とはなんであろうか?以下に記述する。

本文

目次

  • 日本の大学院

  • イギリスの大学院から合格通知

  • 海外大学院生活 -博士の始まり-

  • 博士課程の環境

  • その他もろもの。労働許可証とか

  • 博士の休日

  • 今思う、ベストな大学院と専門

  • 研究能力について

  • 学士課程時代からの色々な進路

  • 論文の続き

  • 博士課程でやり残した事

  • 最近のロバスト制御の研究関連

  • 研究方法論

  • 勉強とか進路とか

  • 博士は色々難しい

  • 博士のコース設定

  • 理想の大学院

  • 大学院後のキャリアプラン

  • 大学院と社会と国家

  • 博士号に対する見解

  • エピローグ

日本の大学院

学類4年、卒論の指導教官「筑波の修士に来れば、授業全額免除多分、出るだろうし、育英会で月8万6000円出るよ。どう?」いいオファーだと思う。でも、筑波で修士を取っても、その後、筑波で博士を取っても、いくらいい論文を書いても、学会に出ても、日本では絶対にホンダ、トヨタには就職できないと思った。筆者は韓国人である。早稲田工学修士の叔父はある企業から、応募の書類すらもらえなかった。叔父は結局、医者になった。

筑波を始めとする、日本の大学院に何故、進学しなかったの?学部からは無理でも、大学院からだったら、京大でも来れるでしょ?修士は余裕だし、博士も多分取れるでしょ?一点目は単にイギリスかアメリカの市民権が欲しかったから。二点目は日本の大学院は奨学金が弱すぎるから。マスターにTA(Teaching Assistant)やRA(Research Assistant)で給与を出さないのはおかしい。事実上、教授のために働いているのに。一応、日本でも大学によってはTA、RAの制度があるのは知っているけど、額が少なすぎる。英米だと、授業料全額免除と給与10 - 15万円/月くらい出るよ。EU外とか国外から来ると、TA、RAは難しいんだけどね。

博士になると一応、学振はあるけど、何故、教授がスポンサー企業を見つけて来ないのか謎。こんなの、英米では当たり前なのに。Coventryはイングランドの中堅国立だけど、ジャガーを始めとする工学系企業と交流があった。筆者は実はイギリス時代、20時間/週のwork permitを持っていた。日本には石油もない。国土も狭い。人材しかない。人材に投資しないのはありえないと思う。スーパーコンピューターとミサイル防衛装置を捨ててでも、予算を確保すべきだと思う。

イギリスの大学院から合格通知

結局、英米の院に行く決意を固める。第一志望はカルフォルニア大学バークレー校。アメリカの方が奨学金が多いのと、やはり、マルチカルチュラルになっているだろう、という事に引かれた。

アメリカは六校出したが、エッセイがいまいち上手く書けなかったのと、バークレーは書類不備で落ちた。イギリス二校にアプライして、二校とも通った。UMISTとCoventryである。UMISTはマンチェスター大学大学院に併合が決まっていた。Manchester大学はグローバル大学ランキング28位(2022年)でCalifornia大学Berkeley校(27位)や東大(23位)とほぼ互角である。Manchester大学は20人以上のノーベル賞受賞者を輩出している。しかし、UMISTは奨学金が出ない。どうしよう?Coventryはどうだろう?

やった。Covenryから合格通知をメール貰った。「Master of Science by Research。確かにいいかもね。でも、君の指導教官のコースは厳しいよ。1.5年かかるかもね。本当にそれが君のしたいことかな。ここにM.Phil/Ph.Dコースがある。三年制の一貫制博士課程。どうだろう、こちらに来ないかな?」やった!2段階飛び級だ。これは予想をいい意味で裏切った。Coventryに行こう。

でも、奨学金がないな。ちょっと交渉してみようかな。メールをReserach Directorに出そう。「この研究グループ、ジャガーと関係ありますよね?そちらから奨学金を出してもらう事はできないでしょうか?」「リファレンスレターを送って。」「アプリケーションパッケージに入ってます。そちらをご覧ください」1週間後「奨学金、出るよ。EUレート。年間、130万円。返さなくていい奨学金。うちに来なさい」やった!年間50万払えばいいのか。これなら、国内の国立大学と変わらない。

正式なオファーレターを郵送で受け取った。荷物を整理。必要最小限の荷物だけまとめる。バックパック、段ボール2箱だけ残して。イギリスへ飛び立った。

TA、RA、Partialスカラーシップ、授業料免除と給与。英米の大学院にはTAやRAといった制度がある。TAはTeaching Assistantの略で学部の授業の補佐や授業そのもをやる時もある。大抵、授業料全額免除と月収10万 - 15万円くらい出る。RAはResearch Assistantの略で研究の補佐。これも、同様の待遇。イギリスの地方なら、生活できるレベル。日本の新卒は月収20万円でもっと多い?学部卒で就職した方が有利?短期で見るならね。M.PhilやPh.Dで就職すると、結構な月収になったり、いきなりサブリーダーもありうる。あるいは、研究職には学部卒は絶対になれない。我々、リサーチグループの院生は質素な生活かもしれないが、薔薇色の未来に向かって、全力疾走する。

筆者は日本に戻ってきて、最初に就職したIT企業は普通の給与。月収22万円。年間、2回のボーナスあり。2年目から急速に伸びて、3年目の初めに、500万円近くまで上がった。日系としてはまあまあの方。学生じゃあるまいし、金なんて要らないとは言わない。でも、給与は当然多く欲しいが、そこそこでいい。決して、そこが第一目的ではない。

そして、三年目でハイテクITベンチャーのProduct Managerに。40代の執行役員複数人相手に横串を刺した。

今回はここで、終わり。続きはまた次回。

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
戦略コンサルタント 兼 ITアーキテクト

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーのグロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, Research Degree)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honory mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/profile/

以上

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