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4月になったら読む本。

私は新生活が始まる4月が好きであり、嫌いでもある。
いまは大学生である私にとって4月は学校のスタート。
春休み中はとてもわくわくしているが、いざ学校が始まるとわくわくなんか消えてしまうことがほとんどである(大体病む)。

そんな4月になったら必ず読む本がある。
星野源さんの「そして生活はつづく」
である。

この本は音楽家で俳優の星野源さん初のエッセイ集。
私は中学生のころから星野源さんのファンであり、この本を買ったのは中3のときだった。
買った理由は「とにかく星野源さんについて知りたかったから」。
だけど、この本に私は救われることになった。

エッセイのテーマは「つまらない毎日の生活をおもしろがること」
キーワードは「生活」だ。
星野源さんの生活の一部が書かれているこのエッセイは、遠い存在である彼をどこか近くに感じ、「あ、彼も同じ人間だな」と感じさせてくれた。
エッセイというジャンルにも興味を持つようになった。
(おすすめのエッセイがあればぜひ教えてください。)

「ひとりでいいじゃないか」と「この世はひとりでは生きていけないんだよね」が交差しているこの本。
誰かと過ごすのが好きだけど、でも苦手で、気づけば一人になってしまう、なろうとしている自分にさらっと声をかけてくれるような本だった。
「この本があったから私は変われた」というわけではない。
でもこの本があるから私は自分を保てているように感じる。

今は多様性の時代。
なのに、誰かが正しいといったことに大多数の人がついていってしまう世の中。「そんなのおかしいじゃん、私はいやだよ」と思いながら同じように他人に流される自分。
4月になると自分ってなんだ、と思うことが多くなる。
新しい出会いが多くある4月に向けて、好かれたいからこれを気を付けよう、と自分のアイデンティティを塗り替えてしまうことがある。
そして、結局は無理になって病む。
新しい出会いとともに、周りではどんどん繋がりができて、私はそれをただ見ているだけなのだ。

出会って間もない人となぜそんなに仲良くできる?なぜそんなに自分をさらけ出すんだ、と心の中で悩みながら一人で腹立ってしまうことが毎年のルーティーン(とてもめんどくさい自分)。
「自分は自分。相手なんか気にするな」と思いながら、正直、周りを見てうらやましく思う。

「自分らしく生きる」って意味わからないけど、そう生きたいなと思いながら、ずっと悩んでいた。
でも「そして生活はつづく」を読んで、向き合い方やそれについて考える頻度が変わったと思う。
悩みや苛立ちは今も変わらず持っているけど、この本があるから4月もうまく乗り越えることができていると感じる。

今年も4月がやってきた。
今月も私は多く悩むのだろう。
でも私にはこの本がある。
そして5月になったら楽しいことが待っている。
4月にあった暗いじめじめした悩みも消えていくのだ。
それが大体の流れである。

私は4月が好きであり、嫌いでもあるのだ。

またこの本についてはしっかり紹介しようと思う。
あと私の星野源愛もぜひ語りたい。
ひとまず4月もがんばろっと。

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