高繁勝彦(アドヴェンチャー・ランナー)

PEACE RUN世界五大陸4万キロを走るアドヴェンチャー・ランナー、日本一周約7千キ…

高繁勝彦(アドヴェンチャー・ランナー)

PEACE RUN世界五大陸4万キロを走るアドヴェンチャー・ランナー、日本一周約7千キロ、北米5千3百キロ、豪州5千2百キロ、ニュージーランド2千8百キロ、西欧3千370キロ走破完了。現時点で3大陸で1万7千キロ。残り3大陸(ユーラシア・アフリカ・南米)で2万3千キロを走る。

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最近の記事

小さな恋のメロディ

中学生の頃にテレビで見たのだったか…映画「小さな恋のメロディ」(1971年イギリス映画)。 マーク・レスター演じるダニエルと、トレイシー・ハイド演じるメロディ。 まだ幼い二人の初々しいまでの表情・演技はいま見ても清々しい。 パブリック・スクールに通う二人の少年と少女、11歳という年齢で「結婚したい」と願う二人の純粋な気持ちに、今はただ心打たれる。 にわかに二人の結婚で神父を務めることになったジャック・ワイルド演じるオーンショー、脇役ながら立派に存在感をアピールしている

    • ウルトラマラソン後のケア

      1989年に初めてのウルトラ、サロマ湖100キロマラソンを走った。サロマ湖はこの時が第2回目。ウルトラマラソンの黎明期でもある。 その後、あちこちのレースや大会に時間とお金と体力の続く限りエントリーして、リタイヤすることなく何とか完走してきたが、一時無理がたたって慢性疲労症候群と自律神経失調症を患って低迷していた時期があった。 走りすぎが原因で免疫疾患になることもありうるし、無理がたたれば体にも心にも必ずやダメージが出る。 レースに出てみんなと走るのがうれしくて楽しくて

      • 一歩先にあるもの〜One Step Ahead

        一歩踏み出せば目に見える風景も変わる。 立ち止まったままでは見える景色も限られる。 そして、一歩ずつ前進し続けることで、僕らはスピードというものを感じ、その流れに乗ることもできる。 それは、新幹線の車窓から見える風景にも似ているのかもしれない。 停まっている新幹線と走っている新幹線、それぞれの状況で窓から見える風景を思い浮かべてみよう。 新幹線は超高速で走るからカッコいい。ランナーで言うならスプリンター。あるいは世界最速のマラソンランナーか。 新幹線が走るものでは

        • 痛みから学ぶこと

          これまで散々痛い目にあってきた。 僕という人間は、痛みを経験することによって何かを学んできたのかもしれない。 たとえば、中学〜高校〜大学でやってきた剣道。 真夏の体育館、熱中症や脱水症状を経て、手のひらや足の裏には何箇所も豆が潰れ、声が枯れ、重い防具と稽古着には汗が染み込んでいる。 意識も遠のきそうになる中で、かかり稽古が延々と続く。 いっそ倒れてしまえば楽になるかもしれない…そんな考えもふと頭をかすめるが、なかなか体は元気で頑張っている。 頭がしんどいと考えてい

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        • My Adventure
          2本
        • 旅とランニングと人生と
          30本
        • 音楽や映画のこと
          1本
        • ウルトラマラソン入門
          4本
        • 一本歯下駄
          4本

        記事

          続・体との対話

          ウルトラマラソンを走るランナーたちによくアドバイスさせてもらうのは、走っている最中にシューズやソックスを脱いで足を楽にさせてあげること。 シューズを履いた足は、繰り返される衝撃に耐え、靴という密室の中で辛く苦しい思いをしている。 もしタイムを気にすることなく、焦らないのであれば、裸足になって足にも深呼吸させてあげるのがいい。 暑い日には足に直接水をかけたり、足を水につけたりしてあげるとなお足は喜ぶはず。 足の気持ちになってみれば分かること。 走っている最中には沿道か

          アナログ世代だからわかること

          アナログ世代だからわかること… LPってのは、ひとつの作品。 その縦横約30センチのジャケットもアート。 そして、レコードをターンテーブルに置いて、針を下ろす瞬間のあの緊張感がたまらない。 CDと聴き比べてみるとよくわかる。 圧縮されたデジタルでは聞き取れない音がアナログでは聴こえてくる。 確かに音がクリアなのはCDの方かもしれないが、あまりにも音が均一化されて単調すぎる。 ジャズやクラシック好きの耳の肥えたマニアならわかる。 ピアニシモからフォルテシモのダイ

          寛容であること

          痛みや苦しみに見舞われた時、すぐさま解き放たれて楽になりたいと誰もが思うもの。 鎮痛剤を飲んだとしても、それは痛みを一時的に抑えるだけで痛みから解放される訳ではない。酒もきっと同じ。 痛みや苦しみから逃げようとすれば、それらは逆につきまとってくるもの。 ならば、すべて快く受け入れてしまおう。 痛みや苦しみは本来人を試すもの。そのあとにやってくる心地良さを倍増するためのアクセント。 何かを我慢したり、何かを犠牲にしたりするのは精神衛生上よろしくない。我慢や犠牲というの

          ウルトラマラソンは一人で走らず誰かと共走しよう

          いつもひとりで走ることが多いのだけれど、ひとりで走っていては分からないことや気づかないことが多々あるもの。 仲間と走りながら会話を楽しむ。ふだん知らなかった仲間の素敵な部分も見えてくるかもしれない。 初めて出会ったランナーと共走する。それがきっかけでひょっとしたら生涯の友ができる可能性だってある。 走る距離が長くなればなるほど、ひとりの時間は長く辛く苦しいし、仲間がいればその辛さや苦しさもシェアし合える。 競争…競い争うのではなく、仲間と共に走る共走。 同じペースで

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          「一本歯下駄を履くと地震の揺れが軽減できる!?」

          いつかは起こると言われている南海トラフ地震に備えて、行政レベルでもいろんな対策が講じられている。防災バッグを枕元にセットしておくことや食糧や飲料水の備蓄などは個人レベルでもできることで実行されている方も多いだろう。 一本歯下駄クラブ主宰、PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅を走るアドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦さん(63)によれば、ふだんから防災の意識を高めておくために備えておくこととして、まずは一本歯下駄を用意しておくことを挙げている。 元々不安定な履き

          「一本歯下駄を履くと地震の揺れが軽減できる!?」

          誰にも夢がある

          四半世紀もの間、高校で英語を教えていた。 その間に、一体どれだけの卒業生を見送ってきたことだろう? 頻繁に授業で英語の歌をかけたけれど、最後の授業で聞かせたのはいつもビリー・ジョエルの「エヴリバディ・ハズ・ア・ドリーム」だった。 この曲がビリーのアルバム「ストレンジャー」のラストに入っている。 この曲の後に、再度「ストレンジャー」のメロディと口笛が流れフェードアウト。何とも言えない終わり方をする。 「誰にも夢がある…」 陳腐なメッセージではあるけれど、それって誰にとって

          アドヴェンチャー・ランナー の仮説(2)

          *アドヴェンチャー・ランナーの仮説(1)はこちら 前回の話の続きになるのだが、今回は「頭が感じるもの・体が感じるもの」について考えていきたい。「頭が感じるもの」というのは、言い換えれば「頭が考えるもの」となる。 五感というのは、生きていればふだん誰もが感じられるもの。しかし、目や耳、鼻、舌、皮膚で感じられる感覚は、神経を通じて最終的には頭(=脳)が感じるもの。 たとえば、空腹感(=お腹が減ったという感覚)。ある程度何かを食べたら空腹感はなくなり、満たされた気持ちになれる

          アドヴェンチャー・ランナー の仮説(2)

          アドヴェンチャー・ランナーの仮説(1)

          脳があらゆる事象をポジティヴに受け入れた時、人は自分自身を完全にコントロール下に置くことが可能になる。 上記は私アドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦が掲げたセオリーではあるが、それに関連して、これまでのランニングの旅を通じて、いくつか気づいたことがある。 1)空腹感を感じていても、そんなにお腹が減っていないと思えばたくさん食べる必要はない。 2)寒いと感じていても、それが心地良いと感じれば寒さを不快に感じなくなる。 3)五感を研ぎ澄ませて、好奇心のアンテナをそこらじゅう

          アドヴェンチャー・ランナーの仮説(1)

          走り過ぎは免疫力低下の元?

          身近なところでインフルエンザに罹ったという話を近頃よく聞く。 あるランナーのお友達も高熱を出してしばらく休んでいた。 普段、トレーニングに余念がなく、朝から夕方まで仕事、そして夜も週末も接待や飲み会。 11月から3月頃までのマラソンシーズンはレースや大会でほぼ週末は外に出っぱなし。 疲労を回復する時間を十分に取れず、ストレスを貯めこむことが多くなると体にもマイナス要因。 一般的に言えば、こういったランナーは体を鍛えることには時間とお金をかけるけれど、体を休めることに

          続々々・ウルトラマラソン入門

          【ウルトラランナーのつぶやき】 リタイヤしたいと思ったら、そこがいったんゴールだと思って休めばいい。 ゴールしたんだ…という感動のイメージを作っていい気分に浸るのだ。 すると不思議なことにまた走り出せる。 頭が体を動かしているのであって、心が体に連動しているということを知る場面…。最終的には魂のチカラで走れたら本望。 ウルトラマラソンは生活の延長である「旅」と同じ。 いろんなことが次から次に起こるけれど、それは決して特別なことじゃない。 疲れたら休み、調子がよけ

          続・ウルトラマラソン入門

          前回、ウルトラマラソンは旅であるという話をしたのだが、今回はウルトラマラソンに関してあれこれ思い出話をしたい。 2017年、島根県で開催された奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足(とおあし)というイベントでのお話し。 第1回からゲストランナーとして参加(実は0回大会=プレ大会)から関わっている)。そして、日本におけるウルトラマラソンのパイオニアともいうべき海宝満義さんがこの大会の名誉会長でもある。 海宝さんとは年一回、この大会でお逢いする仲で、大会の間はほぼ行動を共にする

          大人になる君たちへ

          https://www.youtube.com/watch?v=Qpv3ZDsJXVI *画面右下の字幕をオンにしてご覧ください。 成人を迎えた皆さん、おめでとう。 晴れ着やスーツを着て成人式に出たから大人って訳でもないのだろうけれど、 気持ちを引き締めて、これからの人生という航海に旅立つ、今日がその門出。 私が子供の頃は、早く大人になりたい…と思っていた。 思春期の頃になって、大人は何もわかっちゃくれないと思っていた。 そうこうしている内に、いつの間にか大人に