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ワガママの社会実装に取り組むことを決意した1ヶ月【IRODORI12月活動】

今年の冬は暖冬だねと言いながら防寒対策をしないで地方出張に繰り出してしまったIRODORIメンバー。

やはり「冬は寒い」という当たり前のことを実感した12月でした。


1)千葉県柏ワガママ会議

タワーを作って自己紹介

千葉県柏市で取り組んでいる重層的支援体制整備事業の推進の中で「柏ワガママLab」が立ち上がることに!

そのプログラムの一環として地域で暮らす市民が「こうなったらいいなと思っているけど、諦めていることや我慢していること」を可視化して社会福祉協議会と共に実現していく「柏ワガママ会議」のキックオフ実験会を実施しました。

当日は関係者が誘った柏市にゆかりのあるメンバー8名程度に参加してもらいワガママ会議を実施。

レゴ@シリアスプレイ@のメソッドを活用した自己紹介や参加者が感じている柏市のイメージの可視化を行なった後に、それぞれのワガママをブロックで作成して共有し合いました。

実験会なのに超盛り上がってます(笑)
第0回参加の関係者

今回は実験会という立て付けで実施したのですが、想像以上に可能性のあるワガママが出てきて、早速社会福祉協議会の方では実現に向けて準備している企画もあり、楽しみです。

圧倒的な可能性を感じた柏ワガママ会議でした。次回は1月中旬に実施予定です。

2)北海道東神楽町リビングラボ

リビングラボに参加して頂いた町民のみなさま

IRODORIは昨年度から地域おこし協力隊制度を活用したデジタル人財育成プログラムをAKKODiSコンサルティング(株)と連携して提供しています。

IRODORIの地域おこし協力隊募集支援に関する要項作成プロセス

令和5年は北海道東神楽町に6名の方が地域おこし協力隊として着任し、それぞれの個性を発揮しながらデジタル地域おこし協力隊として活躍しています。

令和6年も新たに複数名の協力隊員を募集することになり、地域で活動する住民の方や現役協力隊員のメンバーを交えてリビングラボプログラムを実施しました。

自分がこうしたいと思う地域のビジョンについて語るワーク

地域おこし協力隊は地方への移住に関するとても素晴らしい事業ですが、地域側の受入体制が整っていないとトラブルが頻発してしまう事業でもあります。記憶に新しいのは高知県土佐市でのケース。全国ニュースでも取り上げられていたのでご存知の方も多いかもしれません。

僕たちは可能な限り地域おこし協力隊に関連する行政職員、着任したあとに連携する可能性が高い地域で活動している住民の方々に集まって頂き、ローカルダイアログを活用してリビングラボプログラムを実施しています。

IRODORIの募集支援は総務省の地域おこし協力隊募集・受入れハンドブックにも掲載されています。

1月17日には募集イベントもありますので、興味のある方はぜひご参加ください。

3)地域おこし協力隊向けワガママLab体験会

先ほどに引き続き、北海道東神楽町での活動です。
デジタルスキルを身につけながら地域活性化に資する活動を推進する地域おこし協力隊メンバーにワガママLab体験会プログラムを実施しました。

MIT AppInventorを活用しながら「たった一人の課題」をスマートフォンアプリを開発して解決に導くワガママLab。毎日のように地域住民の方々と接している地域おこし協力隊の方々との相性は抜群で、子供から高齢者までを対象にこんな活動をしてみたいというアイデアがバンバン出てくるではありませんか。

MITAppInventorを使ってアプリ開発を実践している様子

市民のほとんどが保有しているスマートフォンを活用して課題解決に取り組む「モバイルコンピューテーショナルシンキング」は地域で暮らす多くの人が課題解決者になれる可能性を秘めています。

今回の経験から確信したのは、ワガママLabプログラムを実施できる地域おこし協力隊が全国に増えれば、DX推進のきっかけをつくれるのでは?ということ。

自分が開発したアプリをメンバーに共有している共有している様子

早速、地域おこし協力隊向けにワガママLab養成講座を準備しているので近々リリースします。

4)千葉県市民団体活動マネジメント事業 セミナー登壇

「自信が持てる企画の立て方」
というタイトルでセミナーに登壇しました。

参加者の多くは千葉県内で市民活動団体の要職についている方で、イベントの集客だとか協力者を集める企画の立て方に困っていることを事前アンケートで把握。

今回のセミナーのポイントは以下の3つ。
1)手持ちの材料から企画を作成する
2)たった1人の課題をイメージする
3)PDCAではなくIDCA

企画書の作り方というよりは、普段から僕たちが事業を推進していく上で参考にしているフレームワークや具体的な実践例を交えて、話をしたのでハウツーを知りたかった方には少し物足りなかったかもしれませんが、実際にアンケートを見てみると多くの方に響いていたので安心しました。

・事業の企画の前に「つながる」ことを意識することの大事さに気づくことができました。人集めの前にネットワーク作りについて考えたいと思いました。

・具体的な例が豊富で、やはり実践こそ至高のフレームワークが生きてくるのだなと思いました。対流が無いからマンネリ化するのだなと改めて意識していこうと思います。

・つながる→出番をつくる→事業をつくる→仕組みをかえるの順番って気軽で自分でもできる気がしてきました。

・フリーコーヒーなら、今日からでもできそう!暖かいので近所の大母さまが既に集まっていらっしゃいます。悩まずに人に話を聞くことから始めたら成功しか見えないです。

・エフェクチュエーションという概念を初めて知って、これまで自分がモヤモヤしていたことがすっきりしました。周りにいる企画立てるのが上手な人ってエフェクチュエーションの1〜3を実践している人だなと思いました。今日学んだことを早速実践していきたいと思いました。

・目の前の一人の方のために企画を考える視点が大事だとわかりました。フリーコーヒーやってみたいです。

・日頃取り組んでいることへの客観視ができ、自信につながりました。本能的にやっていることを自分できちんと理解することで説得力も増すのだなと思いました。

僕たちは事業を持続可能な状態にしていくことを前提とした上流の企画が多いので、行政職員の方で新たに事業を始める際に起案書作成に課題を感じている方、ビジネスパーソンの方で新規事業開発に悩まれている方はぜひお声がけください。

5)ほこたフューチャーセンタープログラム 発表会

発表会のオリエンテーション

令和4年度から実施している地域プロデューサー養成講座も2期目の発表会となりました。全6回の講座にオンライン、リアルと平均して15名以上の参加者が集まって頂き昨年以上の盛り上がりを見せました。

発表会には8名の方が事業企画を作成し、今後の鉾田市での活動への意気込みと計画の発表を実施。

講座での学びを活かした企画の発表

鉾田市は野菜産出額日本一の地域です。実際に足を運んでみると分かるのですが、市内の多くが農地になっており、日本一の農業エリアだと実感できます。

ただ、農業が圧倒的に強いと生活のシーンで家と圃場の行き来はあると思うのですが、カフェに行って休憩をする時間や商談でスペースを使うなど都市部のようなサードプレイスの需要が多く無いのが現状で鉾田市内には気軽に人が集まれるような場や新しく挑戦する人同士が交流するような機会・場が少ないのが課題でした。

そこで、令和4年度から課題解決に向けた地域プロデューサー養成講座を立ち上げて参加者が自分たちができることをベースに企画を考えることに取り組んできました。

発表会で参加者が発表した企画はこのような感じ。

・鉾田市内における学生の居場所づくり
・地域住民が交流できるリラクゼーションサロン
・コワーキングスペースの立ち上げ
・コミュニティスペースを活用した地域福祉推進
・地域を巻き込んだ持続可能な探究活動推進
・センサーを活用した圃場管理システム
・新しい活動を始めたい人の伴走支援

企画実現に向けての作戦会議

発表をするだけではなく、実現までを見据えて計画を作成しており既に建物をつくり始めていたり着々と形になってきています。また、2月には中間支援組織の設立を予定していて地域で新しいことを始めたい人を伴走していく仕組みも出来上がっていきそうです。

6)ほこたワガママAwords

鉾田市にゆかりのある若者(中学生・高校生・大学生)が地域課題をモバイルコンピューテーショナルシンキングを活用して解決につなげる「ほこたワガママLab」の第二期の発表会「ほこたワガママAwords」が開催されました。

AppInventor財団のナタリー・ラオさんからのメッセージ


初参加で徐々に心を開いていってくれた中学生、2年連続で参加してくれた高校生や大学生、大学を卒業して社会人になってから後輩のサポートに全力で取り組んでくれた第1期生。コロナ禍の鉾田市役所からの学生支援事業に感動して、自分も何かの役に立てればと参加してくれた大学生など、参加人数は少なかったのですが今回も多様な参加者の視点でスマートフォンアプリが開発されました。

プロジェクト全体を通じて、学生たちの成長が加速する瞬間に出会うことはもちろんできます。ただ、それ以上に参加する学生たちが自分たちでも地域の課題を何とかできるかも?と考えが変化することが僕にとってはプロジェクトの成果だと感じます。

「たった一人の課題を解決する」という視点を講座の中では何度も学ぶので、自分ができることを通じてアプリを開発していきます。

その結果、
● 若者の居場所作り
● 高齢者の見守り
● 交通弱者の移動手段
● 空き家、空き地の利活用
といった地域課題の解決手段につながっていきます。

最初から上記のテーマで取り組まずに「たった一人の課題を解決する」という視点だからこそ、結果的に地域課題へとアクセスできるアプリが生まれます。

今回も昨年に引き続き、AKKODiSコンサルティング社の玉川さんにPMとしてプロジェクト全体の統括をして頂きました。安定感抜群の運営に僕らも毎回学ばせて頂いています。本当にありがとうございます。

参加学生と関係者での集合写真

今年もこの活動は世界に発信していきたいと思います。

7)島根県江津市官民連携プロジェクト会議

官民連携プロジェクト会議の様子

IRODORIでは、ふるさと島根定住財団の事業で企業版関係人口の創出に取り組んでいます。

その1つの連携地域として今回は島根県江津市の地域振興課、商工観光課の職員のみなさまと官民連携プロジェクト会議を実施しました。

■企業版関係人口とは
少子高齢化による人口減少、気候変動や産業構造の変化によって今までどおりの活動では地域の維持が難しくなってきたエリアに企業が社会課題解決に資する事業を開発するフィールドとして活用することで、行政にとっても地域住民にとっても企業にとっても新たな挑戦につながる活動を生み出す取り組みを企業版関係人口としている。

株式会社IRODORI資料

行政だけでは解決できない課題も多く存在し、デジタルを活用した事業などに関しては仕様書の作成も経験やノウハウがない行政職員だけでは作成できない時代になっています。

一方で企業としても地域課題解決につながる事業を生み出したいと考えているけど、実際に地域で暮らす住民の方々にプロトタイプの段階から使ってもらう環境づくりなどノウハウがありません。

そこで、IRODORIは官民連携コーディネーターとして行政としてのテーマの決定、企業との連携、事業化までのプロセスを構築して活動を推進しています。

江津市では年度内で企業との連携会議が実施できそうなテーマが複数洗い出せましたので、これからの活動が楽しみです。


多くの方々に支えられて事業ができていることに感謝です。
いつも本当にありがとうございます!!

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