見出し画像

ブルース名盤紹介29 Texas Alexander/Levee Camp Moan Blues

ブルース名盤紹介、久々の更新です。

今回はP-Vineより発売されている、
テキサス・アレグザンダーの
“Levee Camp Moan Blues”について
書きます。

テキサス・アレグザンダーの
もっとも分かりやすく、
覚えやすいところ。

それは、
全く楽器を演奏せず、
歌だけを歌ったブルースマンである
ということです。

共演者には
キング・オリヴァーや、
ライトニン・ホプキンス、
ロニー・ジョンソンなど
大物が名を連ねます。

そんな彼の歌は、
抑制された、低めの音域と、
“Moan”といわれる唸り声が特徴。

専任のボーカリストだけあって、
その歌声は、深い表現力を持っています。

生まれは1900年。
場所はその名の通り、テキサス州でした。
ライトニン・ホプキンスの
いとこという説もありますが、
正確な裏付けはないようです。

初録音は、
同じくテキサス出身の巨人、
ブラインド・レモン・ジェファーソンと
同時期の1927年。

1939年に妻を殺した!?罪で
投獄されたという情報もありますが、
現在では、「そうではなかった」説も
出ています。

いずれにせよ、真実は
歴史に埋もれて明らかではないです。

確かなことは、
その歌声の放つ「深み」。

それは、今でも確かに
私たちの心に深く響いてきます。

では曲を紹介しましょう。

“Range In My Kitchen Blues”

ギター1本で伴奏を務めたのは、
ロニー・ジョンソン。
少ない音数で、丁寧に、抑制された
素晴らしい伴奏を聴かせてくれます。

ロニーの静かな伴奏に続き、
歌い始めるのを聴いた瞬間、
「本物だ!」を確信します。
1927年の録音としては
とてもよい音で録音されています。

”Levee Camp Moan”

必殺技の「唸り」から始まる曲。
自由な形式でありながら、
ブルース特有のコブシで
メロディを紡いでいく曲。
ロニージョンソンの演奏が
ここでも光ります。

“Mama, I Heard You Brought It Right Back Home”

エディ・ヘイウッドという、
どちらかというとジャズ系の分野で
活躍したピアニストをバックに
録音された曲。

泣きの要素も含んだ
起伏のあるメロディを
情感たっぷりに歌います。

”Day Is Lonesome”

チャットマン兄弟率いる
ミシシッピシークスをバックに
歌われる曲。

フィドル(ヴァイオリン)の
ノスタルジックな音色が
いい味を出しています。

高い音程で歌い上げる部分の
なんとも言えない切なさ。

テキサス・アレグザンダー以外の
ブルースシンガーからは、
あまり聴くことのできない
大きな魅力の一つです。

いかがでしたでしょうか。
今日はブルース・シンガー
テキサス・アレグザンダーの
”Levee Camp Moan Blues”
について書きました。

また書いていきます。
ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?